パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
『おかしなパン』刊行記念映画上映会 開催のお知らせ!

夢のようだ。
パンやお菓子が登場する映画はあまたある。
その中でも私がもっとも愛するうちの3本の上映会を、これまた大好きなお店「レフェクトワール」にてやらせてもらうことになった。

 

2月19日18時〜 原宿レフェクトワール

『おかしなパン』刊行記念映画上映会
http://www.seibundo-shinkosha.net/info/event/20170119/

 

最新刊「おかしなパン」は素敵なパンとお菓子の世界を菓子研究家・山本ゆりこさんと、パンの人・池田が尽きることなく語り合う本。
「おかしなパン」の世界観を映像で味わうのがこの上映会。

移動映画館「キノ・イグルー」のご協力で、2本の短編と、長編映画からの抜粋1本(いずれもフランス映画)を上映する。

 

「モンソーのパン屋の女の子」(エリック・ロメール監督)
「家族の味見」(ソフィー・タチシェフ監督)
「ぼくの伯父さん」(ジャック・タチ監督)

 

(C)Les Films du Losange

 

「モンソーのパン屋の女の子」は、ヌーヴェルヴァーグの旗手エリック・ロメールの佳作。
パリのどこにでもありそうな小さなパン屋がとても魅力的に描かれている。
恋の行方をサブレが握っているのだが…どういうことかはお楽しみ。

 

短編「家族の味見」はお菓子屋さんが舞台の映画だという。
上映の機会はひじょうに限られていて、実は私もまだ見たことがない。
それでも推す理由。
ソフィー・タチシェフ監督は、なんとフランスの喜劇王にしておしゃれ映画王、ジャック・タチの娘だからだ。

 

言わずと知れた、ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」。
何度見てもおもしろくてつい見入ってしまう鉄板映画。
ここに登場する、ベニエ(フランスの揚げパン)を屋台で売るシーンを、抜粋して上映する。

映画がおもしろいことはうけがいますが、ベニエがおいしそうなのか、そうでないかは、みなさまのご判断におまかせ…。

 

「夢のようだ」と冒頭に書いた理由。
ル・プチメック西山逸成さんと、フランス映画に出てくるパンを再現したイベント「空想ブーランジュリー」から5年。
上映に際しては権利の問題があり、とりあげた映画すべてをみんなで見ることはできなかった。
泣く泣く映写を断念したのが、「モンソーのパン屋の女の子」と「ぼくの伯父さん」。

 

この伝説の(?)イベントの模様は、2月20日に発売される『空想サンドウィッチュリー』の中で写真とともに語られている。
なので、上映会は、『空想サンドウィッチュリー』の映像篇でもある。
当日は、『おかしなパン』の販売に加え、『空想サンドウィッチュリー』もフラゲできる得難い機会。

上映後は、菓子評論家・山本ゆりこさん、キノ・イグルー有坂塁さん、そしてパンラボ池田のトーク。

ベニエとドリンクも付きます。

お席に限りがあるので、お早めにご予約ください。

 

詳細・申し込みはこちら
http://www.seibundo-shinkosha.net/info/event/20170119/

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おかしなパン、本日発売

本日発売されました単行本「おかしなパン」。
パンラボ池田浩明と、お菓子研究家・山本ゆりこさんとの共著です。

 

韓国の政府と北朝鮮の政府が話をするときは、板門店という会議をするところが国境の上に建っていて、そこで話をするそうです。
パンの人である私と、お菓子の人である山本さんが話をしたのも、お菓子とパンの「空想の」国境地帯です。

あんぱんにはじまり、クリームパン、メロンパンなど日本のパン、デニッシュやブリオッシュみたいな外国にオリジンのあるパン、アップルパイやマフィンみたいなパン屋で売っているお菓子まで。
いままで食べてきたおいしかったパンの話をしています。

おかしなパンの話は尽きることがありません。

 

お菓子とパンのあいだには、どっちなのかよくわからない中間地点があります。
メロンパンというのは、上はクッキーというお菓子、下は菓子パン生地というパンでできています。
昔懐かしい甘食やシベリアはパンでしょうか? お菓子でしょうか?
日本はパンのガラパゴス、愛すべき「おかしなパン」が全国にいっぱい存在しています。

 

表紙のイメージキャラクターは、マリー・アントワネット様。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃないの」と言ったのは、実はお菓子じゃなくてブリオッシュと言っていたというのは知っていますか?
そんなの知っている! という声が聞こえてきます。
では、実はマリー・アントワネットはそんなこと言ってない、というのは知っていますか?
パンにまつわる歴史も深堀りするとおもしろくなってきます。

 

ブリオッシュはお菓子ですかパンですか?
ボストックのようなお菓子にも使われるし、ブリオッシュ食パンはばりばりのパンですね。
フランスでは「ヴィエノワズリー」(クロワッサンもこの仲間です)といって、パンとは区別されます。

油脂や砂糖の入った「ヴィエノワズリー」を超訳すると「おかしなパン」かもしれません。

 

山本ゆりこさんが考えた、家でできる簡単なレシピ(りんごパンやスパイスパン、あんばたのアレンジなどなど)も載っています。
池田もいろんな実験(コーヒーとドーナツのペアリングなど)や、おかしなパンの現場(銀座木村家、秋葉原ミルクスタンドなど)にも取材に行っています。

 

amazonや全国の書店で発売中です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4416516266

よろしくお願いします。

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『北新地 GREEN MARKET』 ル・シュクレ・クール、新しい10年へ

中之島ダイビルに移転したル・シュクレ・クールが、新しいことをはじめている。
月一第2土曜日に開催される「GREEN MARKET」。
店舗前のスペースに約10店舗が出店。
参加するのは生産者やその仲間たち。
岩永歩シェフがつながりのある人たちに声をかけ、 その想いに賛同した人たちが想いを持って集まった。
買い物を通じて、誰もが生産者たちと会話をし、自然とともに生きる人の感性に触れることができる。
青空のもと、そこここで会話と笑顔が生まれていた。

 

フジマル醸造所の岩谷澄人さんと佐々木さん。
大阪府柏原市で自ら栽培したぶどうから、ワインを作っている。

 

「なにも加えず、ぶどうの味をそのまま出したい。
レシピは無限大にあるのだから、ぶどうをよく見つめていないとさ迷ってしまう。
僕のワインは、ぶどうが教えてくれることを素直に出してるだけ」

 

ワインもまた農作物なのであり、岩谷さんのワイン作りは、ぶどうへの完全な信頼がベースにあるのだ。

 

ワインと野菜とおばんざいの店「土佐堀オリーブ」のオーナーであり、兵庫県佐用町で羽山農園を営む羽山智基さん。

「もともと素材や生産者を重視する方向で料理をしていましたが、自分も野菜を作ってみたくなって。
畑をやりはじめたら考え方が変わりますね。
なるべく野菜を活かそうってなる。
かぶの葉っぱも捨てられなくて、みそ汁に入れます」

 

季節は12月。
羽山さんはかぶや大根を並べていた。
料理人でもある羽山さんに、自分で作った作物をどうやって食べるか訊けるのは、とても楽しいことだ。

 

「バターでソテーするのが簡単でいちばんおいしいと思います。
しょうゆをちょっとだけつけて」

 

和歌山県岩出市のヴィラ・アイーダは、自家菜園を持つレストラン。
マダムの小林有巳さんがスープやペーストの瓶を並べていた。

 

「スタッフの朝の仕事は収穫から。
育ってる過程を見ると、野菜への愛着がちがいますね。
シェフ(小林寛司さん)は『これぐらいのサイズのをとってきて』と言います。
その大きさのときに、野菜が自分の欲しい味になっているんでしょうね。
同じ野菜でも小さいほうが味は凝縮していて、大きいのはみずみずしい。
大根なんかは、さや大根といって、さやの中に入っている種を食べることがあります。
野菜のお花も使います。
豆の花は豆の味がしたり、それぞれそのお野菜の味がするんですよね」

 

スーパーで売られている野菜は、いつも一定の大きさや色のときに摘まれている。
私たちが知っているものはその野菜の一生のうちの瞬間に過ぎないのだと気づいた。

 

岩永シェフは、窯の前でパンを焼きながら、ガラスの外の風景を楽しそうに見ていた。
GREEN MARKETをどんな思いではじめたのか?

 

「最初に、徳島の小野農園さんとのつながりができたことがひとつのきっかけでした。

レストランHajimeが招かれた、祖谷で行われた『ダイニングアウト』で提供するパンの小麦粉を探してた時に、小野農園さんの全粒粉と出会ったんです。

その後、直接畑を見せていただいて、小野さん入倉さんと直接お話させていただき、「この人たちの作ったものを使いたい」、そう思ったんです。
と言いましても、岸部ではサンドイッチの需要も少ないので、「小野農園さんの有機野菜のサラダ」としてしか、食べてもらう機会もあまり作れませんでした。
それでも、なんとかお客さんと「直接接してもらえる機会を」という想いは常にあって、『いつかきてくださいね』って言ってました。
やはり、想いを持った生産者の、 『こういう思いで作物を作ってる』って声を、いつかお客さんにも届けてもらいたいなと思って」

 

大阪の中心から少し離れた吹田市岸辺にあったル・シュクレ・クールは昨年、大阪のど真ん中・中之島に移転した。

「移転が単なる自分の店の拡張でしかなかったら、ぜんぜんおもしろくないでしょ? 「年数経ちました、移転拡張しました」では、次の世代のパン職人にも、なにも残せてない。
何のビジネスモデルにもなりゃしない。
いますごく素材の値段が上がって、暗黙の「パンの値段」の枠の中で、パン屋さんは自分の作りたいものが作りにくくなって来てますよね。
下の世代はそれを見て、将来に夢を描けなくなってるんじゃないかな」


パン屋である意味、パン屋だからできることとは、何だろう。
食や環境をめぐる様々な問題を、どうやって解決していくのか?

ずっと抱えていた大きな問いにひとつの解答を見つけた。

 

「料理人の食のフォーラムやイベントに混ぜてもらったりするんですが、キュイジニエたちはすごくいいことを語る。
それをかっこいいなと思いながらただ見てるだけでした。
でも、ある時ふと思ったんです。
そのフォーラムやイベントに来る人って、だいたいレストランに行くような人。
ここに来なくても、大体みんな知ってるような人たち。
 何かを変えて行くには、知らない人たちこそ気づいてもらわなきゃいけない。
 そんなモヤモヤを抱えながら、うちの営業のシャッターが開いたとき、 『あ、この人たちに伝えていかなきゃ! 僕らには、ちゃんと役割があったんだ!』 そう気づいたんです」


「もともとパンの役割って、わかちあうこと。
食材をつなぐし、人もつなぐ、すごくやさしい食べ物。
パン屋さんの特徴って、敷居が低くて、間口が広い。
大人だって子供だって、いろんな層のお客さんが来てくれる。
そして飲食の中でも1日の来客数は絶対的に多い。
レストランだと20人でコンプレ(満員)でしょ?

それが夜営業だけだと一週間で100名超しか会えない。
パン屋は1日でそれくらいの人たちと接せられる。
確かにレストランより滞在時間は短いかもしれないけれど、 その代わり、パン屋さんは来店頻度も高い業種。
日常を変えていかないと、なにも変わらない。
日常に即したお店が変われば、日本が変わる。
うちにくるお客さんがみんな意識を変えれば、オセロみたいにひっくり返る。
キュイジニエといっしょにいたからこそ、パン屋という業態の特徴に改めて気づかされた。
やれることがある…というより、むしろやらなきゃいけない役割をちゃんと担ってることを自覚しないと」

 

パンの「つなぐ」という役割を、社会の中でパン屋が果たしたい。
それはパンの本質的な役割であり、パンの未来を切り開くテーマにもなりうる。

 

「地方に行っても、にぎわってる場所って、ナチュラルワインとかコーヒースタンドでしょ。
人をつなぐツールとなって、コミュニティの場を生むツールに、 パンだってなりえます。
そこを目的としてるかしてないかの差だけです。
下の世代の子たちには、『大阪だからできるんだ』とか、 『シュクレだから』とか思ってほしくない。
地方に帰ってそんな店をやってほしいんです。
その土地の小麦を使ったり、生産者さんとつながったり。
パン屋さんが地域の食について発信するスピーカーになれれば、 周りのお客さんにとっても新しい気づきを生むかもしれない。
こんなすばらしい生産者いたんだって、こんなおいしいものがある地域なんだって、みんなに知ってもらえるきっかけになるかもしれない。
そうなれば、その地域にパン屋さんがあるという意味も出てくるじゃないですか。
パン職人が、おいしいパンを作ることはもちろんだけど、地域のコミュニティを形成する役割も兼ねて行けるとしたら、なかなか捨てたもんじゃない仕事だと思いませんか? 閉塞感もってた次の世代の子たちが、『おもしろそうだな』、『自分も田舎帰ってやってみよう』なんて思ってくれたら、地域創生なんて大袈裟なことはできなくたって、きっと『あのパン屋さんできてくれてよかった』って、思ってもらえるんじゃないかな。
ただパンを作って売るだけの店じゃ、もうつまらないでしょ」

 

岩永さんは、パン屋を「食をつなぐハブ」にしようとしている。
それは食卓において、他のいろいろなものをつなぐ主食の役割をするパンにふさわしいものだ。
小麦、野菜、果物、肉、牛乳…さまざまな素材がパンの材料になる。
のみならず、お客さんが毎日訪れる場所なので、それを販売することもできる。
遠くから輸入された食材を用いて、いたずらにフードマイレージをかけるのではなく、地元の食材をみんなが購入すれば、地域でお金が循環するので、経済の活性や環境を守ることにもつながるだろう。

 

「まずそこから自分で開拓しなきゃいけなかった。
売り上げなんかより、食べてもらうことより、手にとってもらうことすら難しいスタートでしたから。
『パンってね!』『フランスってね!』、それをずっと言いつづけてきたような開店当初、そしてそれを突きつけてきたような10年でした。
移転が決まった一旦閉店する岸部のお店には、何の躊躇もなくお客さんが入って来てくれました。
10年の歳月をかけて、自分がここで見たかった景色を、お客さんに見させていただきました。
じゃ、次の10年ってなんだろう?

自分は10年後どんな景色を見たいんだろう?

もうパン屋はずっとやってきた。
極端な話、別に改めてパン屋をやりたいわけじゃない。
パン屋という業態の特徴を生かして、自分たちに何ができるだろうか。
啓蒙するんじゃなくて、お客さんも僕らもみんなで食の理解を深めて、楽しみながら一緒に向かっていきたい。
価値観を押し付けず、共有しながら学べたら素敵ですよね。
いまは実際、まだまだ自分もわかってない部分が多いですし」

 

10年間の努力で築いたル・シュクレ・クールの看板。
今度はそれを、地域の人たちや、農家、パン職人の未来のために使う。

それが北新地で始める意味であり、GREEN MARKETを主催する意義である。

 

「お客さんにとっては、信用している店がやっているというバックボーンがある。
それは安心につながると思います。
そしてパン屋が横にあるということは、 出店者さんへの安心にも繋がります。
やはり集客への不安は切実です。
せっかく来ても、そもそもお客さん自体が少なかったという声も、 大阪での他のイベントに参加された農家さんから聞いていました。
前回も幸いほとんど完売したので、本当にほっとしました。
そして何より、店の外に今まで見たことのない景色が広がりました。
店から出たお客さんが、すぐまた外の違う店で買い物をしている。
良い笑顔で喋ってるのとか見ると、ちょっとしたジェラシーですよ(笑)。
ランチの時間が過ぎると、近くの料理人さんも買いにきてくれたりと、GREEN MARKETをきっかけにコミュニティができて、 それぞれのお店とお客さんも直接繋がりが生まれたりして、食の小さな連鎖が生まれたらいいですね。
この場所の利便性、なにもしなかったらもったいないですし、この場所でやらせていただいてる、果たさなきゃいけない責任や役割もあると思うんです。
『シュクレさんが来てくれて良かった』って、 また10年後に思ってもらえれば、それだけで幸せですよね」

 

ル・シュクレ・クール
大阪市北区堂島浜1丁目2-1 新ダイビル1F
06-6147-7779
11:00〜21:00(LO20:30)

 

北新地 GREEN MARKET 〜僕らは街のスピーカー!〜
ル・シュクレ・クール内で毎月第二土曜日開催

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2017パンカレンダー+個展

 

何時も間にか今年もあと半月とちょっとでおしまいになる。
今月は「師走」というだけあって、特に時間が過ぎるのが早い気がする。
寒くなって冬眠モードになっている私は秋山ちゃんのパンカレンダーのお知らせもすっかり失念。
でも今年もちゃんと作っている。






今年のテーマはパンとお茶。
中国茶や紅茶などいろんなお茶とパンの12カ月。昨年私が訪れたスリランカの珍話も盛り込みつつ、お家でおいしくお茶を楽しめるレシピも載っけてる。
まだ購入していない人は今からぜひ!

そして大活躍の秋山ちゃんは代々木のお茶屋さんで個展も開催中。気の利いたクリスマスプレゼントにもなりそうなフルーツティが揃っているお店なので、お買い物がてらぜひ足を運んでね♡


*まさこぱん*

 

パンのカレンダーは秋山さんのサイトで購入できます。

 

 

秋山洋子個展

2016.12/5〜12/28

12:00〜20:00

代々木VILLAGE 2F

詳細はこちらにて。

 

 

 

 

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「吉永麻衣子さんに教わるドデカパンとスティックパン」 cuoca × 新麦コレクション スペシャルレッスン

6人の超人気パン講師を迎えて送る、cuoca × 新麦コレクション スペシャルレッスン

 

10月20日に待ちにまった北海道新麦が解禁!
11月3日はついに、北海道アンバサダーの吉永麻衣子さんによる、新麦レッスンが行われます!
詳細・申し込み

http://www.cuoca.com/articles/shinmugi-2016/​(いちばん下です)

 

吉永麻衣子さんとは?
『夜5分→朝10分で焼きたて!簡単もちもちスティックパン』(新潮社)が大ヒットした人気講師。
オーブントースターでもできて、簡単で、おいしくてかわいい、子供も大好きなスティックパンはブームを起こしました。
この3月には待望の3作目『ただ材料をまぜるだけ、発酵は冷蔵庫におまかせ!簡単もちふわドデカパン』が発売、好調な売れ行きを誇っています。

 

人気の秘密は…

1オーブントースターでもできて、

2超短時間

 

今回は超簡単で大人気「ドデカパン」と「スティックパン」の両方を「新麦」で作ります!

 

 

使う小麦は十勝の製粉会社ヤマチュウの「月の魔法」(ゆめちから)。

 

ゆめちからとは?
グルテンを多く含んだ超強力小麦。
ふくらみやすい性質を持っているので、簡単にふわふわのパンを作ることができます。

 

つまり、誰でも簡単レシピの吉永さんと、ゆめちからの組み合わせは鬼に金棒ということです!

 

ゆめちからのふるさと十勝では、今年は長雨と低温、そして台風の被害に見舞われ、農作物が大きな被害を受けました。
ゆめちからも例外ではありません。
ぜひ、十勝への応援の意味も込めて、このレッスンに参加して「月の魔法」を使ってみてください!

 

パン作りってむずかしい?

パン作りってめんどくさい?

 

そんなふうに思っているあなたにこそ受けていただきたいレッスンです!

 

詳細・申し込み

http://www.cuoca.com/articles/shinmugi-2016/​(いちばん下です)

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横須賀soilの森オーナーとパンの食材探しツアー

横須賀のパン屋soilを訪ねたとき。

 

最初に目に釘付けになったのが、岩澤安史の丸ごとトマトクロワッサン。
デニッシュ生地の上にどかんと丸ごと1個トマトがのっているではないか。
食べてみるととても甘くて、もはやフルーツ。

soilは横須賀のいろんな農家から素材を仕入れ、それを元にパンを作る。


小森俊幸シェフは毎日届く新鮮な野菜を見て、レシピを決める。
蒸す、ゆでる、オーブンで焼く。
ポワロはわざわざブイヨンで煮たり。
4種類のかぼちゃを使ってかぼちゃのパンを作ったり。
旬の食材との出会いがあるこの店に行くのは、どきどきする体験である。

 

「海に突き出した三浦半島にはミネラル分を含んだ海風が吹き抜けているので、土壌にもミネラルが多くて、おいしい野菜ができるんですよ」

と農家をまわって、食材を仕入れている森柾人オーナーは言う。

尋常じゃない、あのトマトのおいしさは、東京より南に位置する温暖さと、畑の土の持つテロワールから生まれてくるのだろう。

 

森さんがsoilの食材を仕入れている現場を巡る旅に同行した。

 

車が走り出すと、みるみる風景は農村地帯のそれに変わった。
横須賀には軍港や工業地帯のイメージしかなかったが、半島の中央部は里山なのだ。

 

ショクヤボ農園でランチを楽しんだ。
山を切り開いて畑を開墾し、手づくりの建物でカフェを営業している。
秋晴れの日に自然の中で過ごすひとときは都会で味わえない感動を与えてくれた。

 

横須賀でとれたアラメという海藻のごはん。

 

すぐそばの畑でとれたオクラのみそ汁に感動。
肉厚で香りが分厚く、力強い。
これがいつも食べているのと同じオクラかと思うほどだった。

 

安田養鶏場はこだわりの卵と、鶏糞を発酵させた肥料で作る野菜を直売する農家。

 

青い卵が売られていたのは驚いた。
朝とれの新鮮な卵はsoilで使用されている。
クロックマダムにのった目玉焼きも冷めてもおいしいものだった。

 

見たこともない野菜があった。
真っ黒な黒大根、あやめ雪カブ。

直接ここまで買い付けにくるプロの料理人たちのリクエストに応えて、どんどん種類を増やし、かぼちゃだけで12種類があるという。
西洋野菜もいろいろあってポワロももうすぐ出てくるとのこと。
そんな野菜を使えるパン屋なんてそうそうない。

 

横須賀には牧場さえある。
まるで清里にでもきたみたいに、関口牧場には牛舎の横にソフトクリームの売店。
普通のソフトクリームの2倍はあろうかというでか盛り。
むせかえるように濃厚だった。

 

道の駅「すかなごっそ」。
近くに、小麦を自ら育てるパン屋「充麦」があるので、私も来たことがあった。
地元の農家が持ち込む新鮮な野菜にあふれて、観光バスがやってくるほどのにぎわいを見せる。
森さんの営むもう一軒のパン屋カフェドクルーのパンも販売。
ここでは、大きな食事用のパンがたくさん売れるのだという。
おいしい野菜を買うと、パンと合わせたい欲が増進するのだ。

 

横須賀野菜の実力を堪能したのは、地元産の野菜や魚を食べられる居酒屋カギロイで。

 

「横須賀野菜のオリーブオイル焼」では、ソースもなにもなく、裸の野菜のおいしさと向かいあった。


「シイラのカルパッチョ」は、横須賀の漁港・佐島であがったばかりの魚のおいしさもさることながら、トッピングされたさまざまな野菜が、それぞれの香りで彩って薬味になっていた。
雪化粧カボチャのコロッケでは、カボチャの甘さ、そしてニンジンのようなさわやかさを帯びていることに驚いた。

 

森さんの夢。
地元・横須賀を盛り上げたい。
横須賀のおいしい食材をもっと知ってもらい、それを食べにたくさんの人が横須賀にくるようになってくれたらと。

 

「フードツーリズム」というアイデアについて森オーナーと話し合った。
新鮮な魚介や野菜を、それが作られている現地に行って仕入れる。
地元でとれた食材を使ったおいしい飲食店で昼食、おいしいパン屋さんを巡ってパンを買い、夕飯にはさっき買った食材を使ってちょっとこだわりの料理を作る。
そんな遊びをみんながするようになったら、食を中心に地域がもっと活性化することだろう。(池田浩明)

 

横須賀パン屋とフードツーリズムMAP

https://www.google.com/maps/d/edit?hl=ja&hl=ja&authuser=0&authuser=0&mid=1BO3pjzip-60-1-9EgYFx12sqyNo


10月22日、京都カフェパランで『パンラボ&comics2』発売記念トークイベント
PAINLOT山田さんとパンラボ池田が考えたローカルパンマップを配布。
おもしろいフードツーリズムのコースについて話し合う企画もあり。
山田さんが選んだ京都のパン3つ、池田が選んだ東京のパン3つの試食も。

主催者ページ http://painlot.com/event/panlabo-and-comics2-ikeda-hiroaki-cafe-phalam/


•日時:10月22日(土)18:30〜20:00(18:10より受付)

•場所:カフェパラン(京都二条駅すぐ)

•料金:2300円(ドリンク別)

•※池田浩明さんが選んだ東京のパン、PAINLOTが選んだ京都のパン数種類の試食付き!

•ゲスト:パンラボ池田浩明、グラサン師匠(漫画家)

•司会:山田 慎(PAINLOT主宰)

•スペシャル企画:『パンラボ&comics2』のお持ち込み、または会場購入でゲストがサイン致します。

•販売:パンラボ関連の本、パンラボキーホルダー、カフェパランの珈琲豆etc.

•ご予約方法:お問い合わせフォーム、PAINLOTフェイスブックページのメッセージ、メール(info@painlot.com)などにて本題に「10/22パンラボ」、本文にお名前、フリガナ、予約人数、連絡先をご明記の上、送信してください。こちらからの返信で予約完了です。

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北海道新麦、本日解禁!

10月20日、北海道の新麦が解禁します。

台風や長雨…いろんなことがありましたが、今年も自然の恵みをいただけることをみんなでお祝いしましょう!

 

みんながinstagramに「#新麦」で投稿したパン一部です。

https://www.instagram.com/explore/tags/新麦/?hl=ja

 

■新麦を使ったパンレッスン

「minna」吉永麻衣子さんに教わるドデカパンとスティックパン

https://studio-cuoca.resv.jp/reserve/res_timetbl_detail.php?keyid=15551&res_btn=2&token_timetbl_dtl=sNhxZIqA4xeTg1JHKaJLKxAjmfzRpCvH&x=1476923367&pc=1

 

ブラフベーカリー栄徳シェフ×人気パン講師 高橋雅子さん

「新麦!エアパン教室」

http://www.happycooking.jp/course/10000

 

新麦コレクションHP

(全国の会員ベーカリー一覧など)

 

新麦コレクションFB

(最新情報)

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10/22 京都イベントで食べる東京のパン発表!!

10月22日、京都カフェパランで行われる『パンラボ&comics2』発売記念トークイベント。

「京都と東京」をテーマに、PAINLOTの山田慎さんが選んだ京都のパン3つ、パンラボ池田が選んだ東京のパン3つを試食いたします!

 

イベント詳細

http://painlot.com/event/panlabo-and-comics2-ikeda-hiroaki-cafe-phalam/

 

PAINLOTさんがいったいどんなパンでくるのか、twitterで明かしていた。

https://twitter.com/painlot/status/787856778209865728

 

 

黒いひまわりに、黒はんなりに、畳パン!?

想像もつかないような不思議なパンばかりではないか!

 

PAINLOTさんが、字面だけはわかったものの、実物はなんだかわからないパンできたので、私は写真だけのせる。

 

そして、変化球ではなく直球勝負で、いま私が東京で注目しているパンをもっていく。

 

まず、前菜は食パン。

じーっと目を凝らして見てほしい。

白い部分の、まるで干したての羽毛布団みたいにやわらかそうな感じ、舌の上で溶けるとじゅわーっと滲み出てくるミルキーさがまじまじと舌の上に想像できるようではないか。

えっ? 想像できないって。

写真だけで食べているように錯覚できるって、パンオタクだけの異常感覚かもしれない。

 

メインのしょっぱい系パンです。

この焼き色、手のひらで包めそうな丸い形のいとおしさ。

ぼこぼこ出てる突起物はなんぞや?

底を見て驚いて、噛んで気づいてと、さまざまなギミックが仕組まれています。

 

コッペパンです。

コッパパンなんか関西にもあるわい!

とお思いかもしれませんが、東京ではコッペパンも独自発達を遂げています。

なんかちょっと潰れてない? という声が聞こえてきます。

鋭いご意見だと思います。

持ち運びの不注意で潰れたわけではなく、やわらかすぎるためにはじめから陥没しているのです。

 

薄暗いお好み焼き屋で食パンを焼くこの写真はいったい何?

東京のおもしろパン紹介コーナーでこの謎はご説明いたします。

 

主催者ページ
http://painlot.com/event/panlabo-and-comics2-ikeda-hiroaki-cafe-phalam/

 

•日時:10月22日(土)18:30〜20:00(18:10より受付)
•場所:カフェパラン(京都二条駅すぐ)
•料金:2300円(ドリンク別)
•※池田浩明さんが選んだ東京のパン、PAINLOTが選んだ京都のパン数種類の試食付き!
•ゲスト:パンラボ池田浩明、グラサン師匠(漫画家)
•司会:山田 慎(PAINLOT主宰)
•スペシャル企画:『パンラボ&comics2』のお持ち込み、または会場購入でゲストがサイン致します。
•販売:パンラボ関連の本、パンラボキーホルダー、カフェパランの珈琲豆etc.
•ご予約方法:お問い合わせフォームPAINLOTフェイスブックページのメッセージ、メール(info@painlot.com)などにて本題に「10/22パンラボ」、本文にお名前、フリガナ、予約人数、連絡先をご明記の上、送信してください。こちらからの返信で予約完了です。

 

 

パンがつなぐ新しい世界、ただ新しいだけじゃない世界

『パンラボ&comics2』好評発売中。

Amazon

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波乱爆笑の池田浩明プロ

「誰だって波乱爆笑」でパンラボ池田浩明プロがスタジオに持ち込んだパンは3種類。

 

1 キャメルバックのすし屋の玉子サンド

2 グリオットのガラスのシナモンロール

3 SONKAの焼きそばフランス

 

池田プロのおいしそうな食べ方が伝染したのか、著名人の方々の食べた瞬間の顔芸が面白かった。

 

 

 

 

 

 

せっかくなので、池田プロの存在をテレビで初めて知った方のために池田プロの著作物も紹介しておく。

 

 

パンラボ 

パン文界に衝撃を与えた

もはや伝説の一冊。パンラボ・池田浩明、最初のパンの本。

堀道広さんの描くパンに住む男はここで生まれた。

 

 

 

サッカロマイセスセレビシエ

名だたる名店から、地域密着店まで、東京近郊のパン屋を

巡りに巡った情熱的パン屋本。

 

 

パンの雑誌

「おいしいパンってなんだろう?」をテーマに

池田浩明が企画総指揮・80%執筆した雑誌という名のムック本。

全国国産小麦MAPはここで生まれた。

 

 

 

食パンをもっとおいしくする99の魔法

切り方や焼き方、塗り方やのせ方、ちょっとした工夫で

いつもの食パンがもっとおいしくなる。

そんなおいしい魔法をおいしそうな写真付きで99個集めた本

 

 

パンラボ&comics 漫画で巡るパンとテロワールな世界

その土地のパンをその土地に赴き、もしくはその土地に住む漫画家に

描いてもらった世界初のパンづくしの漫画。

池田浩明原作、堀道広画伯描き下ろしの

「さすらいのクロックムッシュ氏」を3本掲載。

京都で農家パン屋を目指す青年の話の前編・掲載。

 

 

 

 

最新刊

パンラボ&comics2 京都・国立・フランスの農家パン、漫画で紡ぐパンと作り手と小麦の世界

パンが繋ぐ新しい世界。ただ新しいだけじゃない世界。

池田浩明原作、堀道広画伯描き下ろしの

「さすらいのクロックムッシュ氏」を2本掲載。

京都で農家パンを目指す青年のフランス修行編は必読。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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最悪の年 小麦農家・前田茂雄さんに訊いた十勝の被害

8月、4つの台風が北海道を襲い、そのうちの3つが十勝を直撃した。
特に、台風10号では十勝川、芽室川などが決壊、犠牲者が出る一方、幹線道路やJRが陥落するなど交通も寸断。
流れ込んだ水は畑を水没させた。
被害総額は573億円に上る。

 

対岸の火事ではない。
十勝は大穀倉地帯。
国産小麦の1/4が十勝で生産され、私たちの食を支えている。


「稀にみる最悪の年」だと、十勝・本別町の小麦農家・前田茂雄さんは表現する。
台風だけではない。
夏の長雨や低温なども重なり、かってなかったほどの農業被害に見舞われているという。


十勝に何が起こっているのか?

農家によって事情はさまざまで、被害の真相はつかまえにくい。


「地域によって被害の大小がものすごくあります。
来年は農業ができないんじゃないかというほど被害が大きかった人もいれば、作物以外の損害のなかった人もいる。
生産者によっては、水害で農地を一挙に失う人もいました。
自然の猛威はどうしようもないものですが、考えられないですよ。
たった10日か2週間ですべてを失ってしまうのですから」

 

(記事中の写真はすべて前田農産で写したもの。昨年以前の写真で本文とは直接関係がありません)

 

小麦に関していえば、不作の原因は台風ではない。
収穫はその前に終わっていたからだ。

 

「6月からの低温と日照不足が小麦の収量に大きく影響している。
6月入ってから曇天と断続的な雨がずっと続きました(日本気象協会の記録によると、6月13〜27日まで晴れの日は1日もなく、雨は12日を数える。最高気温も2日を除いてすべて20℃を超えていない)。
この受粉時期に日照時間が少ないと、穂に実が入らず、収量が伸びない。
小麦の受粉時期の雨は赤カビ(カビ毒であるDONの濃度が1.1ppmを超えると出荷できない)の原因にもなります。
予防のための防除(農薬の散布)もできないんですよ。
防除のタイミングでも雨が降ってたので、ぬかるんでトラクターが畑に入れなかったりしたでしょう」

 

熟期を迎えた収穫期の雨は穂発芽を引き起こし、小麦の出来に決定的な悪影響を及ぼす。酵素活性が高まって、小麦の中のでんぷんが糖に変わって粘性がなくなり、パンなどを作るのに適さなくなるのだ。

 

「収穫期も雨が続き、穂発芽でダメになりました。
7月末に収穫した秋まき小麦は全滅に近いんじゃないかな。
(前田農産のある)本別町は雨の降り方のちがいで、まだ救われいるほうだと思う。
キタノカオリ、ゆめちからは特にひどかったと聞いてます」

 

雨に弱いキタノカオリはもとより、収穫の安定が売りだったはずのゆめちからまで不作になった。


「うちで言うと、ゆめちからは平年より4割減、春よ恋も5割減。
7月、30℃以上の日が4日しかなかった。

生育日数が十分でなかったのと、8月初旬の急激な乾燥も足を引っ張った感じがしてます。
穂ができて、収穫へ向けてだんだん乾燥しつつある状態とはいえ、まだ成長段階にある。そこでも、でんぷんがふくらまずに実だけが仕上がっていった」

 

日本気象協会の帯広の記録では、7月に最高気温が30℃以上の日は1日もない。
また、収穫期を迎えた、7月10日から8月2日の24日間で、晴れの日は3日しかなかった一方、雨は18日を数える。
小麦にとって最悪といえる気象条件だ。

小麦だけでなく、豆類・芋類、ビート、野菜、牧草全般に被害は及ぶ。
それが、来年の小麦の作付けにも影響を与えている。

 

「十勝では『輪作』といって、連作障害を防ぐため、今年じゃがいもをまいたら来年は小麦というように順繰りに作物を作る。
畑がぬかるんでトラクターが入れないので、金時、スイートコーン、じゃがいもなんかがまだ収穫が進んでない。
ということは、10月にまくはずの秋まき小麦が、例年より種まきが遅れたり、最悪、種まきができなくなる。
小麦の作付け面積が減るんじゃないか、というのがいちばんの問題」

 

もっとも大きな被害は、大雨の影響で畑に水が溜まって、抜けなくなったことだ。

 

「他の作物も、金時なんかはほぼ全滅。
畑に水が溜まると土壌が腐ります。
小豆も、大豆も、腐ったり、ビートも滞水して腐る。
そうなると、収穫のときに、腐った部分だけ取り除くのはむずかしい。
今年だけの問題じゃなく向こう3年は影響が出るんじゃないですか。
一度腐ってしまうと、土壌菌として土の中に残ってしまうから。
それが、根腐れなどの被害につながって、何年にも渡って被害を及ぼす」

 

畑が水でおし流された場所は、10年スパンの被害を与えることもある。

 

「地面から30〜40センチぐらいまでの表土=耕作土。
先祖代々土作りを何十年も行ってきたのが一気になくなったわけですから。
ゼロからはじめなきゃいけない。
いい土がなくなって、肥料代もかかるし、有機質を蓄積するにも何年もかかりますよ」

 

農家にとって深刻なのは、被害があらゆる作物に及んでいることだ。
一農家が複数の作物を手がけるのは、リスクに対する保険の意味があるが、ぜんぶの作物が不作である今回のようなケースでは、保険にならない。

 

「いま現在、無収入の人がかなりいます。
小麦で売り上げがない、豆がダメ。
共済は芋が5〜7割、ビートでよくて7割、豆は経費ぐらい出たら御の字(農業共済の払い戻しは加入条件によって異なるので、一概には言えない)。
でも、いまの段階ではまだそれも下りない。
私はポップコーンを栽培していますが、そういう特殊な作物に関してはなんの保証もないですから。
もともとリスクを背負ってやってますが、心配ですね」

 

「お金の計算をしてったら、誰もが勘定が合わない。
そうすると、離農の話になりますよね。
専業農家が多い十勝では特にそうですけど、農業がダメなら飲み屋がダメになる。
運送業、トラクターメーカー。
いろんなところに影響してくる。
結局、地域の経済を考えると、この冬、かなり深刻な話が出てくる可能性があります。
若い人が農業を辞めなきゃいいな」

 

農業にも小麦栽培にもリスクがある。
そうした悪印象を農家が持てば、小麦を作る人は減るだろう。

 

「小麦の供給は2年後に影響があるんじゃないか。
作付けの減少があれば、平年作でも需要に対する物量を確保するのがむずかしい。
それでは需要に応えられない」

 

問題は小麦だけに限らない。
農家が減り、耕作面積が減れば、自然環境を保全できない。
自給率など食の安全保障にも影響が出るだろう。
この不作は、単に農家にとっての災厄ではなく、まわりまわって私たち消費者に打撃を与えるかもしれない。
私たちは食糧を通じてみんなつながりあっている。

 

「自然災害はいつか必ずあるし、これからもありえます。
それを我々農家は肝に銘じるべき。
いままで普通にとれてたものが、まったくとれない年があるなんて。
いままでの天候は、なんてありがたかったんだろう。
うちも勉強になっている。
今年は記録にも記憶にも残る、最悪の年に近いと思う。
あの年が乗り越えられたんだから、また乗り越えられるだろう。
あとでそう思えるように、前を向いて、いま種まきやってますよ。
一年越しの楽しみをまってくれてるパン屋さんたちもいますから!」

 

「幸い、新麦コレクションの前田農産『はるきりらり』は種まきがはやかったことと受粉時期や収穫日の晴れ間もあり、比較的被害は軽微でした」

 

最悪の年。
熊本では地震があり、収穫期に雨でたたられて穂発芽の被害に遭った小麦農家は全国に数知れないだろう。
農家の損害をすべて救うことはできないとしても、私たちの食はこうしたリスクを農家が背負うことで成り立っていることは、忘れないようにしたい。

 

前田茂雄

前田農産専務。NPO法人新麦コレクション理事。

農家が品種別に小麦粉を販売するパイオニアのひとり。

さまざまなイベントなどを仕掛け十勝の農業を元気にしている。

 

前田農産WEBショップ
http://www.co-mugi.jp/
家庭用小麦粉の販売。
ベーカリー用新麦の問い合わせメールアドレスの記載は、ページ右上にあり。

 

NPO法人新麦コレクション

今年度の新麦の申込書が付いているパンフレットをベーカリー様向けに送付しております。

詳細・申し込み

http://mugikore.net/news/#281

 

新麦コレクションFacebook

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