パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
「パンの漫画×ドン・コロネオーネ」予約開始!
パンラボシリーズ最新刊堀道広さんの「パンの漫画」。
5月22日の発売を前に、ようやく完成が近づいて参りました。


今回もデザインを「パンラボ」や「サッカロマイセスセレビシエ」を
デザインして頂いた「山口デザイン事務所」にお願いしました。

タイトル部分はスミ箔加工、とても大きな帯に新キャラクター
ドン・コロネオーネが君臨しています。
クラフト紙の味とキャラクターが見事な風合いを醸しています。

さらに全ページの断ち切り部分に特色のブラウンを使うので、
本の背以外の3方がまるでパンの耳のように見える予定です。


パンの漫画、その中身は、
まさに千本ノック状態で堀さんが描きに描きたり、100本の4コマ漫画。
日常に発酵するパンにまつわるものごと(ごく一部、パンにまつわるか微妙なものを含む)を
焼き上げるように描いた、ふんわりとした作品集です。
4色ページが32ページで残りの96ページは1色刷です。


さらにこの本のために池田さんと「不思議なパン屋を巡る小旅行」に
出かけた模様を中編漫画として描き下ろし。
埼玉県幸手のcimaiや西那須野のなまけもののパン屋など、
とてもオモシロオイシイ小旅行をしてきました。


パン屋さんだけではなく牧場にも行きました(那須の千本松牧場にて)。

さらにさらに、すべての漫画に池田さんの一言エッセイを
即興セッション的に付けてもらいました。


そして、紆余曲折のすえに生まれたこの本のイメージキャラクター、
「ドン・コロネオーネ」。

せっかくなのでこのキャラクターも
パンの中の男やクロックムッシュ氏のように、
パンラボ第三のキャラクターとしてキーホルダーにしようじゃないか…
ということで、ただいま絶賛制作&監修中です。


第一弾の型はちょっと失敗してしまったので、現在、作り直しています。


色はオレンジが強すぎるので、クロックムッシュ氏的な色調に変更。
さらに顔の部分の型やパン部分の模様をなくすなど、大幅に型も変わります。
今後の模様はブログやTwitterなどで逐一、公開する予定です。

というわけで、
ここからは思いっきり宣伝!

今回、この2つ「パンの漫画」と「ドン・コロネオーネキーホルダー」を
セットで手に入れられる先行予約サイトをオープンしました。


なんかこう、ジャパネットた●た風になっちゃいますが、
発売日に確実にこの2つのアイテムを手に入れるチャンスでございます!
こちらのサイトから予約できます。
  ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓




何卒、宜しくお願い致します。

【ナカムラ】


JUGEMテーマ:美味しいパン
パンの漫画 comments(0) trackbacks(0)
パンの漫画の男闘呼たち。
堀さんの最新書籍「パンの漫画」の描き下ろしの取材に同行した。
自分の出番は特にないけれど、パンの漫画の「耳」の角くらいにしがみつきたくて、
強引に参加させてもらった。

驚きのパン屋というテーマで、
ムッシュ池田と堀道広さんが埼玉は幸手の驚きのパン屋「cimai」と栃木は大田原の驚きのパン屋「なまけもののパン屋」を回る
ちょっとした小旅行。
(何が驚きなのかはここでは書きません。堀さんが漫画で表現してくれることでしょう)


なまけもののパン屋さんの近くにある公園で、なまけもののパン屋さんで購入したパンを食べている猴”。
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シルエット・左・堀さん
シルエット・右・ムッシュ
シルエット・中央・ナカムラ

誰もいない公園で、「今日食べていい」というパンを「サバ缶・水煮」や「ソーセージ」や「バター」や「チーズ」などを
塗って、挟んで食べている構図(サバ缶はなまけもののパン屋オススメの逸品)。

公園によくあるセメントでできたような小高い山の上にて。
(なまけもののパン屋のパンみたいだとムッシュが叫んで、みんなで駆けあがった)


なまけもののパン屋のパンはライ麦系のパンが中心に置かれており、
今日焼けたパンは今日ではなく、明日以後に食べて欲しいそうだ。
だから今日食べていいパンもゆずってもらって、すぐさま食べたわけだ。

サバ缶・水煮をライ麦のパンに乗せて食べた感動は、
さっそくその日の夜にムッシュがJ−WAVEハローワールドで再現していたほど(ラジオではサバ缶・味噌煮だった)。
サバの旨みが口の中でわかりやすくパンと絡み合って、とても美味しかった。

ライ麦パンって、噛みごたえがあって、味がある。
その噛みごたえと味のスキマに、わかりやすくサバが浸透していって、わかりやすくまじりあって、わかりやすく別次元に昇華する。
あ〜これがマリアね。アージュね。マリアージュってやつね、
とやっとわかった気がした(何年、知ってるつもりを演じていたんだって話ですけど。うは)。



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本がぎっしり。ランダムに並べられているようで、しっかりテーマがあるようで、ないようで、計算されてるようで、されてないようで…、でもしっかりとされているはずで…。そんなラインナップ&陳列。
旅の本あり、レシピの本あり、冒険の本あり。
世界ではじめて音速を超えた男の本「イエーガー」が自分にはまぶしく映った(なまけもののパン屋さんはライトスタッフも好きかな?)。


こちらはcimaiさん。
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左・背中・ムッシュ
右・堀さん

こちらでも驚きに次ぐ驚きで、すべてのパンを平らげたくなる衝動に襲われた。
その場で作ってくれる名物のあんバターだけでなく、
小さいけれど存在感のある、でも見たことのないクロワッサンだけでなく、
バゲット、キッシュ、クリームチーズと黒こしょう………

パンを乗せるお皿までも、いちいち素敵だ……

おっと、もうやめておこう。



今回の小旅行の模様は前述したように「パンの漫画」(5月22日発売・ガイドワークス)で描かれます。

あ〜漫画を読むのが楽しみだ。

(かしわで)

 
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パンができるまで
『パンができるまで』(岩崎書店)という本を紹介したい。
パンは好きでよく食べるけど、どうやって作るかは意外と知らない。
そんな人にうってつけの本。
子供向けなので、わかりやすい。
絵本とあなどるなかれ、記述は正確で詳細。
小麦のことから、「生イースト」「2次発酵」「ホイロ」のような専門用語まで。
なんといっても、写真がうつくしいのがいいところだ。

そして、表紙には書かれていないけれど、取材はZopfで行われた。
最初から最後まで実はZopfのパンのこと(Z酵母など)が書いてあるし、写真に出てくるのもぜんぶZopfの風景。
つまり、絵本であり、Zopf大全集。
家宝にしたくなるような本である。

もうひとつのZopfの本は本屋に売られていない。
Zopfでかって販売されていたけれど、残念ながら、いまはもう売られていない。
著者は伊原店長夫人りえさん。
書いたばかりでなく、イラスト、編集、デザイン、造本すべてを手がける。
狭い店にあふれるばかりパンがならぶZopfの売り場のように、彼女自身の丸文字がA4用紙に隙間なくぎっしりと手書きされ、その情熱だけにさえ圧倒される。
総ページ数50ページ。
300種類のパンと、カフェメニューの案内、パンの食べ方や簡単なレシピ。
のみならず、おいしいパンの見極め方、パンにまつわる豆知識。
そしてひとつひとつのパンの説明として、素材や製法のこだわり、誕生秘話までが詳細に書かれている。
たとえば「ミルフィーユ」にはこんな説明が付される。

「2004年、有楽町(銀座)阪急デパートでの初催事を記念して、Z店長が作りだしたパンです。
『ミルフィーユ』=千枚の葉を意味しますから、すなわち☆「千葉」ということだからそうで、上京祝作品なんですって!!(笑)」

ところどころに挿入される、楽しいイラストと、笑い話も相まって、Zopfがひとつひとつのパンにどれだけ愛情を込めているか説得されてしまう。
そして、りえさんがどれだけZopfを愛しているかも。
パン屋のパンフレットの域を超え、Zopfという小宇宙の旅行ガイドなのである。(池田浩明)


サッカロマイセスセレビシエ』(「東京の200軒を巡る冒険」の単行本)
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甲田幹夫の人生相談 - まぁパンでも食べて -
日本で最初の自家製酵母パン専門店ルヴァンのカリスマ的なオーナー甲田幹夫さん。
ルヴァン出身のパン職人たちは、甲田さんのことを「先生のような人」と表現する。
甲田さんはパン屋になる前、学校の先生をしていた。
甲田さんにとって自家製酵母パンは、はじめて出会う「矛盾のない仕事」だったという。
甲田幹夫さんは先生を辞め、ルヴァンという「学校」の先生になった。
この「学校」ではスタッフがとても楽しそうに仕事をしている。
みんなで朝食のテーブルを囲む。
お客さんと笑顔で会話をする。
売れ残ったパンも決して捨てられることはない。
作物を作ってくれた農家や大地への感謝を忘れないために。
甲田さんに取材をすると、いつも多くのことを学ぶ。
パンのことというより、生き方について。

彦坂木版工房がルヴァンのパンを木版画で描いた「ルヴァン展」が、代々木上原のCASE galleryで開かれている。
それを記念し、4月5日にトークショー「甲田幹夫の人生相談 - まぁパンでも食べて -」が開かれる。
甲田さんのことなので、誰でも話のできる、肩肘の張らない楽しい会になることだろう。

イベントの詳細は以下。

「甲田幹夫の人生相談 - まぁパンでも食べて -」

出演
甲田幹夫(ルヴァン)
池田浩明(パンラボ)
彦坂木版工房

新作の展示会「ルヴァン展」では、4月5日にトークイベントを開催致します。
その名も「甲田幹夫の人生相談 - まぁパンでも食べて -」でございます。
天然酵母のパン屋の草分け的存在であるルヴァンのオーナー甲田先生が、悩みやご質問にお答え致します。
先着30名様です。ふるってご参加下さいませ。
※相談人数には限りがございますのでご了承ください。

また、イベント当日の15時半から16時までルヴァンさんのパンの販売と、
池田浩明さんの書籍やグッズの販売を行います。

まだルヴァンのパンを食べた事のない方、
そして池田さんの楽しいトークショーをまだ聞いた事のない方は、
この貴重な機会をお見逃しなく!

日時 / 2014年4月5日(土) 14時〜15時半
場所 / CASE gallery
料金 / 2,000円(パン、ドリンクつき)
定員 / 先着30名様
持ち物 / 愛用のマグカップ(そのカップにドリンクをお注ぎいたします。)

受付方法 / mail@casedepon.com までメールでご連絡ください。件名に「ルヴァン」とし、メールの内容に「お名前」と「お電話番号」をご記入ください。こちらより追ってお振込先をお送り致します。お振込頂いて予約を完了とさせて頂きます。
定員に達しました。どうもありがとうございました。
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『小麦で旅する日本』イベントレポート
池田浩明の新刊『パン欲 日本全国パンの聖地を巡る旅』発売記念イベント「小麦で旅する日本」。
2月25日、東京駅丸の内のKITTE内にある書店マルノウチリーディングスタイルで開かれた。
お迎えしたのは、国産小麦の使い手である3人のパン職人、米山雅彦さん(パンデュース)、蔭山充洋さん(充麦)、割田健一さん(銀座レカン)。
米山さんは九州産、蔭山さんは自ら作った神奈川県三浦産、割田さんは北海道産の小麦を使ってパンを作る。
規定演技としてバゲット、そしてもうひとつ、自由演技としてその小麦を活かしたオリジナルのパンを作っていただいた。

銀座レカンの割田健一シェフ。
レストランのブーランジェ・シェフという立場を、ユニークな活動の起点に据えている。
割田さんは自分のパン屋を持たない。
いや、強いていうなら、彼の「パン屋」は人と人のあいだにある。
割田さんは「誰かのためにパンを作りたい」と言う。
カフェやレストランやイベントのために、その場所や料理にあったパンをオーダーメイドする。
ときには自分の友人のために、その日限りのパンを作ることもある。
TPO=Time(時間)、Place(場所)、Opportunity(場合)。
そして、素材。
ありとあらゆることを考え尽くす中から、クリエイションが生まれてくる。

『パン欲』冒頭に出てくる一面の小麦畑。
北海道・十勝にある前田農産のもの。
割田さんには前田農産の小麦を使ってパンを作っていただいた。
この日限りのバゲットにもまったく手を抜かず、何度も試作と思索を繰り返して辿り着いた。

「前田農産さんのキタノカオリをベースに、前田農産のキタホナミと、もうひとつ北海道産小麦粉を加えたバゲットです。
最初に3種類の小麦をそれぞれ1本ずつで作ってみて特徴をつかみ、どう落とし込んだほうがいいか決めました」

割田さんはずっと悩んでいた。
キタノカオリという小麦を知ってもらうために、キタノカオリ1本でバゲットを作るのがベターなのか、バゲットとしての魅力を優先して、他の小麦ともブレンドするのか。
結果、ブレンドすることに舵を切った。

「キタノカオリ1本でもおいしさは出るが、普段いろんなバゲットを食べてる人にはものたりなくなっちゃう。
広がりや深みが足りない気がして。
それが逆に1本で作ることのいいところなんですけど。
香りがもっとほしかったんで、北海道産の中でも、面白い特徴が出るキタホナミを入れました。
キタホナミはもともとうどん粉なので、3口、4口噛んだあとで、最後にねちっとする。
そういう感じがあったほうが、北海道産を食べていることをより実感できると思って」

割田さんのパンにおいてはいつもそうなのだが、伝統に裏打ちされた「バゲット」というレギュレーションは頑なに守られる。
にもかかわらず、過去に食べたことのない新しさを感じさせるのだ。
北海道産小麦のもつ、なつかしさ、野の感じ、ある意味での野暮ったさ。
それを、パン・トラディショネルという器の中へ盛ったという印象を持った。

単行本『パン欲』の中で、前田農産の畑を訪ねた一文は「パンの香りがする畑」と題されている。
私が訪ねた日。
折しも、雨粒こそ降らないまでも、たっぷりと湿気を含んでいると感じられる重い空気に覆われていたあの日の畑のことを、このように書いた。

「さっきから私の周囲に立ちこめていた匂い。
それは、キタノカオリで作られたパンが発するのと同じものだった。
中身だけ口に放りこんで、溶けるにまかせたとき、やわやわと崩れる身から立ちのぼる穀物的な香り。
米を研ぐときの匂いにも似ていて、おそらくはデンプン質が水に溶けて蒸発することによるのではないかと思った。
雨どころか湿った空気でさえ溶けだすほど繊細だからこそ、キタノカオリは口の中であんなに甘く溶けるのだ」

あの日の香りと似たものを、口に放りこんだバゲットが消え入るとき喉から鼻へと抜けていく香りの中に見事に嗅ぐことができた。

(パンはその場でカットされライブ感を演出)

そして印象的な塩。
銀座レカンというフレンチの超一流店に入って、シェフたちがいかに塩加減を大事にしているか知ったという割田さん。
塩の種類や分量を操って、パンに奥行きを与える。

「イベントは夕方だったので、味は繊細に持っていくより、力強いほうがいいと思いました。
朝だったらキタホナミ1本で軽くいくところですけど、味は強めにしました。
バゲットだから、軽いんだけど、しっかり。
塩のニュアンスもいつもよりきかせましたね。
しっかり食べたという感じがあるように。
たとえるなら、具なしの塩おにぎりを食べる感覚。
いつものバゲットより太くしました。
中身を多くしたかったんですよ。
あの会場で、皮だけ食べても、味がわかんないと思ったから。
国産小麦は皮よりも中身がおいしいはずなんで。
国産小麦のいいところは塩がのるところですね。
麦自体の味が若干薄めに感じられるので、逆に塩はいい感じにやさしくのる。
やさしいけどちゃんとくる部分があるというように」

中身が溶けはじめてのち、ミネラリーな変化が訪れ、塩の印象が強まる。
北海道産小麦に合わせた北海道産の塩。
印象深いのに、きつくはなく、むしろやさしさとして感じられる。
北海道産小麦と同じように、日本の塩もまた、日本人の体質や心性とあっているからなのだろう。

もうひとつのパンは「池田マフィン」。
私がいつもかぶっている帽子を象ったという、その形。
割田さんはプレゼンテーションにもこだわり、わざわざ型をもってきて、そこからマフィンを取りだして、供した。
キャラメルとバナナを混ぜ込んだ甘いマフィン。
全国的にも珍しい、前田農産が栽培するポップコーン用のとうもろこしからポップコーンを作り、さらにそれを砕いたコーングリッツを上にまぶしている。
キタノカオリの黄色い甘さ。
コーンやバナナの持つ、黄色をイメージさせる明るい甘さは、それととてもよく合っていた。

「国産小麦のもうひとつのよさって、フランス産、北米産に比べ、香りも味も薄いというか、より繊細なところ。
だから、なにかを練りこんだときに、素材の味が活かされる。
口溶けもいいですし。
キャラメルバナナって、けっこう味が繊細なんで、パンに練りこんで素材のよさを引き出すのむずかしい。
国産小麦だと、ちゃんと活きる」

私は壇上でこのマフィンを食べながら、本当はコーヒーを飲みたくてしかたなかった。
このイベントはワンドリンク付きで、世田谷・奥沢にあるオニバスコーヒーによるスペシャルティコーヒーもいっしょに楽しめる。
割田シェフの計算はそこまで行き届いていたのだ。

(上から、パンデュース米山さんによるバゲット、充麦・蔭山さん、銀座レカン割田さん)

パンデュースの米山さんは、九州産ミナミノカオリで作ったパンを自ら抱えて大阪から新幹線で駆けつけてくれた。
米山さんらしいバゲットだと思った。
伝統的な形とは似つかない、クープ(切り込み)のないつるつるのバゲット。
硬さよりしなやかさ。
中身はしっとりぷるぷる。
九州産らしい雄々しい甘さが湧きあがってくる。
小麦の作り手は熊本県菊池市の有機栽培農家・東博己さん。
ふさふさの土。
阿蘇山の麓にある、東さんの畑の土のことを、米山さんはそう表現した。
地域においていちはやくオーガニックを手がけた先駆者。
すべてのパンを国産小麦で作る米山さんが絶大な信頼を置く農家である。

「この粉はミナミノカオリの全粒粉ではないですが、灰分(ミネラル)の高い粉です(小麦の粒の外側のほうの風味の濃い部分まで使用している)。
ロール挽きの昔ながらの製粉機で東さんが自家製粉した粉。
ちょっとふるって皮の部分を取り除いたものです。
粉の2割を湯種(お湯で小麦粉を捏ねてでんぷんをα化させる製法)にして仕込んでいます。
国産小麦の甘さにパンチを出したいと思って。
いちばん最初はディレクト法(標準的な製法)で作ってみました。
冷蔵長時間発酵にして国産小麦の甘み出すのがいいかなと思った。
でも、それだけではちょっと物足りないかなと。
それで、湯種にしてみたらもちっとした食感もあるし、甘みも増しました。
最初に日に、湯種を仕込んで、2日目に本捏ね、ひと晩冷蔵発酵させて、3日目に焼く」

パン・トラディショネルの枠の中に踏みとどまった割田さんのバゲットとは、対照的な斬新さ。
バゲットがフランス産小麦をおいしく食べるために長年の試行錯誤によって作られた発明だとするなら、このバゲットは伝統の枠にこだわらず、国産小麦を日本人の嗜好にあった形で食べるため方法を探り当てたものだ。

「割田君がぱりっとしたバゲットもってくるやろなと思って、それとは別のものを。
クープも入れないので、水分が蒸発しないで、しっとりとコッペパンのようになる。
クープあるタイプ、ないタイプをテストしましたが、ないほうに行き着いた。
もちっとごはんのような食感が際立って表現されたんじゃないかな。
ミナミノカオリという小麦自体の風味も湯種で上がってきました。
スタッフみんな『いいね』って言ってた。
結果論として、あの粉を、僕が思う国産小麦の食事パンとして食べてもらう。
フランスのフランスパンのようにやろうと思うと、ぜんぜんちがう製法になる。
僕はこういうほうが自分の好きな国産小麦の食べ方です」

(大阪駅にあるデ トゥット パンデュース)

もうひとつは、パンデュースでも日々供している、ミナミノカオリ全粒粉100%のパン「ミナミちゃん」。
全粒粉100%のイメージとは裏腹に、みずみずしく食べやすい。
喉につかえるような嫌みもなく、すがすがしい甘さだけを味わえるパンだ。

「オーガニックの小麦なんで、風味がやさしいんですね。
全粒粉だけど、えぐみがあるかというと、そうでもない。
それでもふすまの香りを消すために、洗双糖を少しだけ入れて、苦み・えぐみを少なくしている。
ちょっとはあったほうがいいと思ってるんで。
苦み・えぐみもうまみ。
ぜんぶ消す必要はないが、少し残るようなバランスで、2%洗双糖を入れました。
小麦自体も甘い。
香りの強い粉。
東さんの育てた小麦の力ですね」

(右から、米山さん、蔭山さん、割田さん)

マグロの名産地として知られる三浦半島の三崎。
充麦は自ら小麦を作り、パンを作る、全国でも珍しいパン屋である。
蔭山さんがこのイベントのために作ってくれた2種類。

「三浦産小麦を使ったバゲットとコンプレ。
全粒粉を20%入れています。
三浦産小麦、ニシノカオリという品種1本。
ニシノカオリは食べるときのインパクトが弱いが、噛んでいくと甘さがある」

これが三浦の小麦だという強烈な主張。
口の中で野の香りが渦巻くのだった。

「うちの畑では、たい肥に馬糞を使っています。
知り合いの乗馬クラブから大量に譲ってもらっている。
たい肥で作った土には甘さがあります。
野菜も小麦も甘くなる。
農薬も使ってないので、草が生えてくる。
それを散歩にきた馬が食べてくれる。
サイクルができあがっているんですよね」

小麦とは北海道のようなどこか遠くで作られるイメージがある。
だが、かっては全国どこでも作られていた作物だった。
もちろん充麦のある、三浦半島でも。
「小麦が三浦で作れるのも知らなかったし、身近でそういうの見てませんでした。
でも、昔の人は三浦で小麦を作っていた時代を知っている。
小麦を作りはじめてみると、70歳前後のおばあちゃんがうちの畑見て、麦踏みはこうやってやるんだよ、と教えてくれた」

小麦を自ら作る体験は、蔭山さんに、現代農業の矛盾を気づかせることになった。
「消費者にとっては、スーパーに行けば、野菜はぜんぶ同じ。
どこの誰が作ったものかわからない。
農家の側から見ても、収穫したものはJAが取りにくるものだと決まっている。
だから、せっかく農作物を作っても『おいしかった』とかフィードバックは一切ない。
たまにくるとしたら苦情ぐらい。
それではモチベーションが下がると思います。
顔の見える野菜は、買うほうも、作ってるほうもうれしい。
生産者にとっても、消費者にとっても、モチベーションに変わる。
直売所、ファーマーズマーケットがいま流行っていますよね。
お客さんと直に接して、声を聞けるのはすごくプラスになる。
1度買っておいしければ、その農家さんを目指してまたきてくれたり、お客さんも選んでくれる。
すごくいいなと思います。
農家さんと仲よくなって、『雪でたいへんだったんだよ』とか話を聞くと、野菜を食べることがありがたみに変わる。
僕が本当に伝えたいのは、パン以上に、そういう感覚なんです」

充麦はオープンキッチンである。
売り場の向こうで蔭山さんがパンを作っていて、お客さんと話をする。
パンのこと、麦のこと。
パンを買うことは単なる消費ではなく、コミュニケーションの機会になっている。
そこでは蔭山さんの人柄もしっかりと伝わっている。
顔と、思いと、パンの味が一致する。

「いつも野菜をくれる友人がいるんですが、それが食卓に上ると、そいつの話になる。
野菜を食べるとき、そいつの味を味わっているんですね。
作った人のことを思って食べるのって、大事なことかなと思います。
充麦はその感覚を売っているイメージです。
たとえば、農家って、物々交換が成り立っている。
漁師さんがサバくれたから、お返しにキャベツあげたり。
嫁の実家が農家なんで、そういうのを身をもって体験している。
作物を作った人を思って食べる経験をするの、すごくいいことかなと思いました。
それを実際に小麦でやろうと思って、店を立ち上げました」

充麦の目の前は畑。
数百メートルいけば、砂浜。
東京の近くにこんなに自然があったのだとはじめて気づく。
充麦に行くことは自然への扉を開くことである。

「最初は横須賀の町の中で物件を探していたんですが、なんかちがうなと。
『売れなきゃいけない』が最初にきていて、まず人口の多い場所でやろうとばかり思っていました。
そのうち、なんで畑の近くに出さないんだろうって、気づいた。
やりたいことをやるためにお店をはじめるはずなのに、お金を稼ぐことが最初にきてた。
お店をはじめる不安で、頭の中でごっちゃになっちゃうんですよね」

蔭山さんはこれからやってみたいことを話してくれた。
カフェの計画。
三崎付近の農家の食材を使い、充麦のパンが出るカフェを作りたいと。
それから、パン教室。
種を蒔くところからはじめ、麦を収穫して、粉にし、それでパンを作る。
こんなパン教室は充麦しかできないし、もし実現したら日本で唯一のものになるだろう。

三者三様のパン、三者三様の麦。
パン職人の生の声を聞きながら比較テイスティングすると、パンの感じ方はまったく変わってくる。
麦の作り手の思いまで、パンを通じて体感していただくことができたのではないだろうか。
ご来場いただいた方、3人のパン職人、イベントにご協力いただいた関係者のみなさま、そして小麦を作ってくれた人、蔭山さんに加え、前田農産の前田茂雄さん、東博己さんに感謝を捧げたい。


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「パンの漫画」イメージキャラ決定!
パンラボシリーズの最新刊
堀道広さんの「パンの漫画」に向けて、
シンボルとなる新キャラを堀さんと共に模索してきましたが、ついに完成致しました。

その名も「ドン・コロネオーネ」!


コロネを身にまといしダンディー。
堀さんが描いてくださったいろいろなキャラの中から選び抜かれた伊達男です。


背景に原色を敷くと、なにやらアンディ・ウォーホルっぽい雰囲気も漂います。

「パンの漫画」のカバーや発売イベントなどに使うイメージキャラとして考えていたんですが、
あまりにもカッコイイので……!!!


「パンの中の男」、「クロックムッシュ氏」に続く、
パンラボシリーズ第三のキーホルダー「ドン・コロネオーネ」のキーホルダーも
作っちゃいます!

今回のキーホルダーはせっかくなので、
「パンの漫画」と合わせてご予約頂けるようにしたいな〜と考えています。


さて、肝心の「パンの漫画」の中身ですが、現在絶賛制作中。


全部で100篇を超える堀さんのパンの漫画全てに、
池田さんがエッセイで即興セッションする…という、
実にパンラボ的なこころみ。


堀さん夫妻やパン好きの刑事、恋に悩む女の子、謎の将軍、
女子高生、謎のやくざなど、実に様々な登場人物がやりたい放題好き放題しているけれど、
全篇を通してパンが出てくる、
だいたいソフトでときどきハードなパンのような漫画たちが楽しめます。

パンラボブログにアップしている原稿を超える50篇以上を描き下ろし。
さらにスペシャルな中編読み切りも入ります。


じゃん!
これはいわゆる「束見本」という本の見本(中身は真っ白です)。
どんな判型でどんな紙でどんな厚みになるのか、
実際の仕上がりを把握するためのもの。
デザインするときに雰囲気を掴むという意味もあります。

以前もご紹介しましたが、ご覧のとおり縦に長い判型。
実はこれ、わざわざこの本のために考えられた極めて特殊な判型です。
縦はミシュランガイドよりも長い。
こんな判型の本、多分他にはほとんどないような…。
一体どんなデザイン、どんなカバーになるのか、もうドキドキです。

というわけで、パンラボシリーズ最新刊の「パンの漫画」は5月22日発売。

さらにこの本の発売日の翌日5月23日から3日間の予定で、
昨年「サッカロマイセスセレビシエ」発売時に行ったあのイベント
パンコレ」も開催しますよ〜!
パンの漫画やドン・コロネオーネキーホルダーの進捗状況とあわせて、
こちらも追ってご報告したいなと思います。

【ナカムラ】
JUGEMテーマ:美味しいパン



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一升餅ならぬ一升パン
目白の住宅街にひっそりとたたずむ「かいじゅう屋」さん。


ご存知、パンラボで大変お世話になっているパン屋さんなのですが、
かいじゅう屋の橋本さんにお願いして、
大きいカンパーニュを焼いて頂きました。

デデーン!


グレート!
なんともド迫力かつ格好いいカンパーニュ。
独特の匂いがまた食欲をそそるそそる。
帰りに道になんど齧りつきそうになったか……。

「焼きたてパンはすぐ食べる」がモットー(まあ、食いしん坊なだけなんですけども…)
なんですが、今回ばかりは翌日の昼までグッとガマンしました。

というのも、このカンパーニュはある儀式のために
焼いて頂いたパンなのです。


テーブルの上のカンパーニュに興味津々、ちょっとつついてみてる小さな手。
この後、大泣きするような惨劇が訪れるとも知らず…(笑)。

一歳の誕生日に「一升餅」といって
1.8キロの丸いお餅を子供に背負わす習慣があるそうなんですが、
うちでは「お餅だとなんか格好悪いので、丸いパンにしようじゃないか」という
ことになりまして(一升餅ってググると、なんか色々出てきます…)。

さすがにパンで1.8キロは巨大すぎるので、
重さにはそんなにこだわらず1キロぐらいの丸いカンパーニュを
背負わせる…それが我が家の一升パン!(けっこう適当)


というわけでおよそ1キロのかいじゅう屋さんのカンパーニュ。
リュックがなかったので、
百均で買ってきた風呂敷に包み、この日、一歳になった娘に背負わしてみました。


うちの娘はすでに歩きまくっているので、1キロのカンパーニュを背負っても
ご覧の通り。

でも、やっぱり…


コケた…!
泣いた…!

一升餅はこうやって子供が転んだりするのを微笑ましく見守る
儀式でもあるそうなんですが、
子供にしてみればたまったもんじゃない(笑)。
このパンは1キロですけど、1.8キロだと立てるかどうか微妙ですね。

ひとしきり一升パンを堪能した後は、
美味しく頂きます(やっと食べられる!)。


前日の夕方からずっとガマンしていたので、切りながらつまみ食い。
本当に良い匂い。
もっちりした生地は実に爽やかな酸味があり、唾液があふれてきます。


かいじゅう屋さんの保存袋のマーク、とってもカワイイ…。


他の食べ物との相性も抜群。
チーズやハム、ソーセージなどの肉料理がすすみそうです。
余熱したトースターで水分を極力飛ばさないように軽く焼くと、
皮のクリスビー感も復活してこれまた旨いです。

ちなみに右下にちらっと移っているのは一歳でも
食べられる「パンで作ったケーキ」です。
食パンとヨーグルト(砂糖を微量)、果物だけで出来ています。

というわけで、私事で恐縮ですが、我が家の一升餅ならぬ一升パンでした。
最近は意外に一升パンをやられているお家もあるようですね〜。

それでは。

【ナカムラ】

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パンの漫画、発売決定!
世の中、いろいろな漫画があるけれど、パンの漫画ってあんまりない。
ググってみても引っかかってくるのは「焼きたて!!ジャパン」ぐらい(太陽の手……実に強敵だ)。

世の中にパンの漫画があんまりないならば、パンラボがやらずにどこがやる!
というわけで、この春のパンラボの新刊は題して「パンの漫画」(そのものズバリ!)に
決定しました(ワー、パチパチ)。

著者はもちろん、
パンの中の男、


クロックムッシュ氏を描いた


漫画家、堀道広さん。
パンにまつわる(一部まつわっているのか解釈が分かれるシュールな作品含む)
100本の4コマ漫画や短編を一冊に集めようという、壮大な試みです。

発売日は5月22日。

現在、堀さんや色々な人と打ち合わせを重ねています。


それぞれの漫画に池田さんの文章や写真も添えて(バゲットが出てくるページには
バゲットのことについて、パン切りナイフが出てくるページではナイフについて)、
時におもしろくて、時に狐につままれたようにシュール、時に大変実用的な本になりそうです。


カラーページにはカラー漫画。
パンラボブログに掲載されている分も収録しますが(今も見られますよ!)、
それに加えて大量の描き下ろしを現在執筆中。
なんといっても100本ですから。


さらに、パンの漫画の刊行に合わせて新たなキャラクター、
第三の男も構想中。


1体のキャラクターを構想するために、実に様々なキャラクターの可能性が
試行されるわけですが、どれもこれもオモシロカワイイ。
正直、ただいま迷走しておりますが、なんとなく出口は見えております。


さらにさらに、本の判型についても色々考えまして、
本屋さんではなかなかお目にかからない、とても変則的な縦長の判型にすることに。
ミシュランに近いですが、それよりも縦長です。
4コマ漫画に合わせてわざわざ考えた判型です。

デザインは「パンぽい感じ」になる予定です。
パンラボやサッカロマイセスセレビシエを手がけて頂いた
デザイン事務所「山口デザイン事務所」ですから、
最高の装丁が出来上がります。

最後にもう一つ。
5月22日のパンの漫画の発売に合わせて、昨年もほぼ同時期に行った、
クロックムッシュ氏誕生のきっかけになった「アレ」、今年もやろうと頑張っております。
さらに昨日、打ち合わせさせて頂いた「代官山蔦屋書店」さんでも
5月末にイベントを行う予定でございます。

さあて、忙しくなるな〜!

【ナカムラ】

サッカロマイセスセレビシエ』(東京の200軒を巡る冒険の単行本』
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ちゃばちゃばチャバタパン作り教室 @パンラボ講座
きっかけはあのシニフィアン・シニフィエの厨房を取材したときのこと。
大好きなキタノカオリのチャバタを作る場面を見て驚きました。
ボウルに水と粉とイーストと水を入れ、ちゃばちゃばちゃばと手でかきまぜたと思ったら、もうそれでミキシング終了。
あとは、発酵のあいだにパンチ(生地を折り畳むこと)を数度繰り返し、成形も切って生地を張らせるだけ。
まさかこれなら私のような不器用者でもできるのでは?
志賀勝栄シェフに訊いてみたら、「簡単ですよ」と嘘のような返事。

北海道産の名品種であるキタノカオリ。
そのおいしさを広めたチャバタが、自分で簡単に作れる。
そんな虫のいいパン教室を開催することにしました。
講師として四ツ谷「フェルマンタシオン」主宰の茂木恵実子さんを迎えます。
茂木さんはシニフィアン・シニフィエで研修を行った経験もあり、キタノカオリのチャバタをライフワークとして作りつづけています。
イベントなどで彼女の作るパンを何度か食べたことがありますが、もしパン屋を開いたら真っ先に飛んでいきたい、そう思うほどの腕を持っている人です。

池袋コミュニティ・カレッジでの試作を見学しました。
成形の作業を、まったくパンの作れない私にまかせてくれました。
それでいて、実際食べてみると、止まらなくなりました。
その味わいはというと、キタノカオリという北海道の大地が育んだおいしい小麦をそのまままっすぐに味わう、「パンのおにぎり」です。
チーズやハムをはさんで食事にしてもいいし、クリームチーズとジャムを塗っておやつにしてもいい。

はじめてパンを作る人、大歓迎です。
カフェで自家製パンを出したいという方にもうってつけです。
日本の小麦を食べるためのもっとも簡単でおいしいこの方法が日本にもっと広まればいいと思っています。

昼食つき。
発酵を待つあいだは、茂木さんにご用意いただいたキタノカオリのチャバタをサンドでいただき、パンの話をします。(池田浩明)

日時 3月30日(日) 11:00〜15:30
場所 池袋コミュニティ・カレッジ(西武百貨店内)
http://cul.7cn.co.jp/programs/program_653285.html
定員に達しました。どうもありがとうございました。
現在、キャンセル待ちのみ受け付けております。

サッカロマイセスセレビシエ』(東京の200軒を巡る冒険の単行本』
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空想サンドウィッチュリー、初のロケ!
「引退したら小さなサンドイッチスタンドを作りたい」

西山逸成シェフの夢を一足先に現実にしてみよう…ということで始まった
「空想サンドウィッチュリー」の初のロケが終わった。

サンドウィッチの屋台を日本の、否、世界のいろいろな場所に持っていき、
空想のサンドウィッチュリーをオープンする。

もちろん空想である。
屋台は段ボールだし(風が吹いたら大慌て、雨が降ったらもう大変!)、
実際に屋台での販売や調理はしないし(日本ではとてもじゃないけれど許可がおりない)、
それはあくまで「ごっこ」である。

けれど、この馬鹿げたごっこ企画に、大の大人たちが本気になった。
馬鹿げたことこそ真剣に。
遊びは全力でやるからこそ、おもしろい。


段ボールの屋台は、なんと「ランドスケーププロダクツ」のきたはた裕未さんの手によるもの。
ぶっちゃけて言うと、ランドスケーププロダクツはとてもとても人気のある
設計、デザイン事務所だ。
そんなところに「段ボールの屋台を作って下さい」と頼む方も頼む方だが、
受ける方も受ける方である。


段ボールの屋台を作るのに、一線で活躍するプロが図面を引き、模型を作り、素材を吟味して、
しまいには段ボールをギコギコして屋台作りまでして頂いた。


お弁当箱は、「折形デザイン研究所」の山口信博さんの手によるもの。
切れ目すらない一枚の紙から弁当箱が立ち現れる。
初めてその箱を見たとき、まるで手品を見るような気分になった。
プロ中のプロの手による仕事。


連載ページのデザインやこのロゴも山口デザイン事務所にお願いした。


この企画はこうして、どんどん周囲の人たちを巻き込み、
どんどん大がかりになっていくし、
関わるひとたちがみんな、
想像よりも、空想よりも、遥かに上を飛んでいく。
驚愕の連続である。

そして、初のロケで、この企画の主人公である西山逸成シェフが
それは、それは見事にかっ飛んでみせた。




このお弁当に関する詳しい話は、
連載「空想サンドウィッチュリー」第2回、
池田さんの筆に譲るが、
Twitterにアップされたこのお弁当の写真は、
わずか1日で5000回以上リツイートされた。
一言添えるとするならば、
「アイデアも見た目もすごいが、食べたらもっとすごいよっ!」
ということ(めちゃウマ!)。

「空想サンドウィッチュリー」は月刊連載企画。
毎月、どこかにこつ然と屋台が現れ、颯爽と去っていく。

その時、その場所にいる人たちに食べてもらいたい。
そんなお弁当を毎月、西山逸成シェフが考え抜いて作る。



……ぷはぁ……いつも鼻歌歌いながらブログを書くのに、
今日のは本当に緊張した……。


今回撮影にご協力頂いたのは千代田区紀尾井町にある
COOK COOP BOOK」さん。


料理や食べ物に関する本がこれでもかと並べられてる本屋さんです。


西山シェフの今回のお弁当のインスピレーションはここからも
生まれたのではないでしょうか。


パンラボもありますよ。

カフェスペースもあり、ゲットしたお気に入りの本を
コーヒーを飲みながら楽しむこともできます。


さらに超充実したキッチンスタジオがあり、
実に様々なイベントが行われています。


というわけで、
「空想サンドウィッチュリー」の第2回は
3月17日発売のパニック7ゴールドという本に掲載されます。

それでは。

【ナカムラ】

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