パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
りんごの日レポート
ひとつのりんごを、さまざまな作り手が、さまざまな思いをもって見る。
そのとき、同じりんごが、思いを反射して、さまざまなパンやお菓子になる。
ひとつの素材の、いろいろな表情を見ること、それが「りんごの日」に各店を回ることの楽しみである。

CALVAは、パン職人の兄と、パティシエの弟が、タッグを組んだ店。
だから、ハイレベルでパンとお菓子が拮抗する。
CALVAとは、りんごのお酒カルヴァドスから名前をとった。
それは、2人が修行をしたフランス・ノルマンディ(りんごが名物)を象徴するものだ。
それだけに、りんごへの思いはひとしおである。
兄と弟が、りんごのパンとお菓子で競演した。

CALVA(大船)のタルト ポンム フランボワ。
パイがさくっと溶け、とろっとしたアーモンドがじゅわっと滲みる。
その甘さとうつくしいマリアージュを描きながら、りんごとフランボワーズの酸味が争うように走り抜けていった。

パネテリア ピグロは、りんごのメープルシュガーを作ってくれた。
シェフの足立さんは、神奈川県で無農薬の小麦を生産するプロジェクト「ぼくらの小麦」に関わってきた。
種をまき、原料を自ら作るところからはじめ、その小麦でパンを作る。
いわば、農家と連携した試みの先駆者である。
生産地の思いを汲み取りながらパンを作ることのメリット、よろこび、そしてむずかしさをも、足立さんは私に教えてくれた。

オービンヴュータンのタルト ポム リクゼン。
河田シェフは「希望のりんご」を使ったタルトをそう名づけた。
それは、うつくしい焼き菓子たちに混じって、何食わぬ顔でひっそりと陳列台に置かれているのだった。
とろとろになるまで煮詰められたりんごが、円柱状に塗り固められている。
エレガントさの中に、情熱を隠し持つように。

恐るべき濃厚な甘さと、ヒステリックな酸味がぶつかり合い、溶け合い、そして混ざり合わないままに不思議な調和に至る。
そして舌に、はげしい甘さと酸味、2つながらの刻印を押す。
食べている間は我を忘れる他ないが、すべてが溶けきってやっと自分を取り戻したあと、記憶の中で、あああれはすばらしく恍惚に満ちた体験だったと、ようやく思いだすのだ。

Zopfのタルトタタン風ブリオッシュ。
カステラに近いようなふわふわのブリオッシュ。
その上のキャラメリゼされたりんごには、甘さとともに清らかな酸味も残されている。
りんごは洋酒の香りも吸い込み、生地の中のカスタードのような甘さと三位一体を形作る。
まぎれもなく、伊原店長の世界。
それは、レーダーチャートの項目がすべて最高点を満たすような、ある種の完全性、「六角形」の味なのである。

そして、以下の店は、こんがりパンダパンクラブの、ひのようこさんがレポートしてくれた。

ラ ブランジュリ カロン、シュトーレン・オ・ポンム。
煮たりんごとピスタチオ、マカダミアナッツ、アーモンドなどのナッツ類がゴロゴロはいったシュトーレン。
ジンジャー、シナモン、ナツメグ、ピンクペッパーがアクセント。
外側はサックリ。
リンゴの甘さのあとに来るスパイスの香りが絶妙。

カロンでは、フリュイ・オ・ポンムとともに、りんごの日用にコーナーを設けて販売してくれていました。
ラッピングもおしゃれでした。

ケポベーグルズ、りんごの日特別ベーグル。
食感マニアのシェフがりんごの食感にこだわって作ってくれたベーグル。
たっぷりのりんごと一緒に練り込まれていたのはジューシーな大粒レーズン。
上にはシナモンのトッピング。

ケポさんではこのベーグルの他、キャラメルリンゴクリチサンド、りんごとカマンベールチーズのサンド、
りんご・かぼちゃ・さつまいものサラダサンドなども、りんごの日スペシャルとして販売してくれていました。

トラスパレンテ、りんごとクリームチーズのタルト。
ゴロゴロリンゴが入ったタルト。
りんごそのものの甘みとクリームチーズのコクがマッチしています。
イートインで食べたのですが、フルーツやソースでデコレーションされてサーヴされた、お皿の美しさといったら!

その他、トラスパレンテでは、りんごとパイナップルのショーソンと、りんごのデニッシュも作っていただいた。

2回目のりんごの日も、被災地への思いが、たくさんのパンやお菓子に結実した。
足を運んでいただいたお客さま、ご協力いただいたパン屋さん・お菓子屋さん、そして、りんごをお作りいただいた金野秀一さんに心からの感謝を述べたい。

なお、下記店舗は、11月24日(土)、25日(日)に開催。

ブーランジェリー ボヌール
・三軒茶屋店
03-3419-0525
世田谷区太子堂4-28-10
9:00〜21:00

・梅屋敷店
03-6912-1230
大田区蒲田2-1-1
8:00〜21:00

・栄通り店
03-6805-2590
世田谷区三軒茶屋1-36-2
8:00〜21:30

・読売ランド店
044-966-3258
川崎市多摩区西生田3-9-28
7:00〜21:30

レ・サンク・サンス
03-6450-7935
世田谷区若林1-7-1プチピエール三軒茶屋1F
8:00〜21:00
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りんごの日 いよいよ本番
11月17日(土)・18日(日)に開催されるりんごの日。
陸前高田で津波を生き延びたりんごを使った商品を、各パン屋さん・お菓子屋さんが競作するイベント。
りんごのパン・お菓子を買っていただくことが、ささやかな支援になる。
いろいろまわっていただくと、各店のシェフがりんごにどのような思いを込めて作ったか、そのちがいを味わえておもしろい。(売り切れ注意です)

すでに15日(木)から、一部店舗ではじまっている。

ロワンモンターニュでは、りんごを蒸しパンに仕立てていた。
「うちは下町のパン屋だから、こういう素朴なものがよろこばれるんです」
とはいえ、ベテランで食べ道楽の遠山シェフだけに、アイデアが詰まっている。
水を入れるかわりに豆腐を使用。
そのために、生地が上品でまったりした甘さに仕上がっている。
りんごはざくざく切ってそのまま入れているので、素材本来の味わいが活きている。
それが生地にも滲みこんでみずみずしい。
黒糖の甘さとりんごの酸味のコントラストも鮮やか。

もうひとつは、クロワッサンポム。
クロワッサン生地の中に、ダイス型に切ったりんごを、ベルギーの砂糖とシナモンをまぶしてそのまま入れて、焼いたもの。
「シナモンが好きなのでたっぷりと。
りんごもまだ少ないので『もっと入れろ』と店の子にいいました(笑)」

マールツァイトはミルク酵母のさきがけとなった老舗。
自家製酵母界のお母さん的存在、白井幸子さんはいう。
「私は長野出身だからりんご娘と言われてました(笑)。
子供の頃からいつもりんごは焼いて食べてたから、焼いたらすぐわかる。
これはすごくいいりんごです」

去年につづき、シンプルに焼きりんご。
「りんごがおいしいので砂糖もちょっとで大丈夫」
ホイップクリームとりんごの酸味の絡み合いが天にものぼるようなおいしさ。
りんごってこんなにおいしいんだと実感できた。

粉花で、「希望のりんご」はアップルパイに変貌していた。
りんごの酸味へと触れた味覚のてんびんは、次に感じるパイのバターときび糖のおだやかな甘さによって、すばらしいバランスに落ち着く。
後にはじんわりとした味わいとして、りんごの記憶が舌に残っている。
それを洗い流そうか、そのままにしておこうか、紅茶を飲むのを躊躇した。


オーボンヴュータンの河田勝彦シェフにもご協力いただく。
河田さんは、若き日、自転車でパリから南仏まで旅するなどして、フランス各地の伝統菓子を学びとった。
彼の生き方、強い意志を持った菓子は、長いあいだ私の憧れだった。
その河田シェフが、地震発生直後から何度も陸前高田に赴き、食事の支援を行ってきたことを耳にした。
りんごがつないだ縁だったのだろうか。
オーボンヴュータンまで会いにいくと、「りんごの日」への参加を快諾してくれた。

「地震のことを、絶対、風化させちゃいけない。
東北を助けないと日本だってよくならない。
日本の経済もよくならない」

そして、次の言葉には、並外れた情熱と覚悟がこもっていた。
「僕は、あの人たちを助けられるなら、自分の持てるものをすべて捧げてもいいと思っている。
菓子屋は原材料をいじくりまわして、自分のできることはぜんぶやって、全力を出して、それで食べた人においしいと思ってもらうことが仕事だから」


りんごの日
11月17日(土)・18日(日)
以下のお店は異なるのでおまちがいなく!
*は11月15日(木)・16日(金)
**は11月16日(金)・17日(土)
***は11月16日(金)・18日(日)
****は11月24日(土)・25日(日)

参加店舗(五十音順)

オーボンヴュータン
03-3703-8428
世田谷区等々力2-1-14
9:00〜18:30(30分昼休みあり)
水曜休

CALVA
0467-45-6260
神奈川県鎌倉市大船1-12-18エミールビル1F
7:30〜21:00
火曜・第3水曜休

グロワール
0120-517314
大阪市旭区大宮3丁目18番21号
7:00〜20:00
水曜休

ケポベーグルズ
03-6424-4859
世田谷区上北沢3-17-8
9:00〜18:00
火曜・水曜休

粉花**
03-3874-7302
台東区浅草3-25-6-1F
10:30〜18:00(土曜・祝日 ~16:00まで)
売り切れ次第、終了
日曜・月曜・火曜休

Zopf
047-343-3003
松戸市小金原2-14-3
6:30〜18:00
無休(夏期・冬期休業あり)

トラスパレンテ
03-3719-1040
目黒区上目黒2-44-24-1F
9:00〜19:00 

パネテリア ピグロ**
045-413-1412
横浜市神奈川区神大寺4-1-7
7:00〜18:00(土曜は〜17:00まで)
日曜・祝日休

ブーランジェリー ボヌール****
・三軒茶屋店
03-3419-0525
世田谷区太子堂4-28-10
9:00〜21:00

・梅屋敷店
03-6912-1230
大田区蒲田2-1-1
8:00〜21:00

・栄通り店
03-6805-2590
世田谷区三軒茶屋1-36-2
8:00〜21:30

・読売ランド店
044-966-3258
川崎市多摩区西生田3-9-28
7:00〜21:30

本牧館
045-624-0080
横浜市中区本牧間門19-28
6:30〜21:00

マルグレーテ*
044-977-1071
川崎市多摩区長沢2-20-30
8:00〜19:00(第2,4,5土曜は〜18:00まで)
日曜・祝日・第1,3土曜休

マールツァイト**
03-5976-9886
文京区大塚3-15-7
11:00〜19:00
日曜・祝日休

ラ ブランジュリ カロン
042-682-3757
八王子市高倉町64-6(バーゼル内)
10:00〜20:00

レ・サンク・サンス****
03-6450-7935
世田谷区若林1-7-1プチピエール三軒茶屋1F
8:00〜21:00

ロワンモンターニュ**
03-3900-7676
北区王子本町1-15-20高木ビル1F
9:30〜18:30
第2,第4土曜・日曜・祝日休
03-3900-7676

ローゼンボア***
045-491-8856
横浜市神奈川区平川町10-2
6:00〜19:00
土曜定休

主催:池田浩明(パンラボ主宰)、NPO法人こんがりパンだ パンクラブ

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りんごの日 16の名店が「希望のりんご」を使ったパン・お菓子を販売
陸前高田の復興を応援するイベント「りんごの日」。
1月に行われた第1回につづき、第2回目がシーズンまっただ中の11月17日(土)・18日(日)に開催される(一部店舗は異なる)。

また、「希望のりんご」は実った。
陸前高田の丘の上。
津波に平野部すべてが飲み込まれる一方、それより高いところにあったりんごの木は辛くも難を逃れた。
傷跡が痛ましい風景を、りんごの実が点々と赤く彩る様は、まるで希望を告げているようだった。
それから1年。
りんごは、いま3.11以来2度目の実りを迎えている。
港も住宅もいまだ再建は進んでいないが、草が地表を覆い、ようやくグリーンの色合いが戻ってきた。
自然には自ら回復する力が宿っている。
赤く、可憐なりんごの実は希望であるとともに、回復、復興を象徴するようにも見えた。

この「希望のりんご」を使って、パン屋さん・お菓子屋さんが商品を作る。
お客さまにはりんごのパンやお菓子を買っていただく。
仕入れたりんごの代金は陸前高田の農家さんに支払われ、ひいてはささやかながら被災地にお金がまわっていくはずだ。
小さなことではあるが、誰もが復興を助けることができる。

りんごは陸前高田市米崎町の金野秀一さんが作ったもの。
無農薬栽培がほぼ不可能なりんごにあって、金野さんは有機肥料・減農薬による栽培に取り組んでおり、必ず完熟したもののみを収穫する。
実際、現地で食べた「希望のりんご」は、忘れられない印象を残した。
香りは心地よく、甘さはキレがあり、限りなくさわやかだった。

今回は16店舗が参加。
各店がたったひとつの素材を使って、思い思いの商品を競いあう。

10月に陸前高田で行われた「パンDEバーベキュー」(「パンを届ける」第7回)にきていただいたパン屋さん・お菓子屋さんも多く参加。
被災地の現状を見、また金野さんから直接聞きとどけた思いを、パンやお菓子としてどのように表現するのだろう。

また、フランス伝統菓子のパイオニアとして多くのリスペクトを集める、河田勝彦シェフのオーボンヴュータンにもご参加いただく。

りんごの日
11月17日(土)・18日(日)
以下のお店は異なるのでおまちがいなく!
*は11月15日(木)・16日(金)
**は11月16日(金)・17日(土)
***は11月16日(金)・18日(日)
****は11月24日(土)・25日(日)

参加店舗(五十音順)

オーボンヴュータン
03-3703-8428
世田谷区等々力2-1-14
9:00〜18:30(30分昼休みあり)
水曜休

CALVA
0467-45-6260
神奈川県鎌倉市大船1-12-18エミールビル1F
7:30〜21:00
火曜・第3水曜休

グロワール
0120-517314
大阪市旭区大宮3丁目18番21号
7:00〜20:00
水曜休

ケポベーグルズ
03-6424-4859
世田谷区上北沢3-17-8
9:00〜18:00
火曜・水曜休

粉花** ←15日(木)も開催です
03-3874-7302
台東区浅草3-25-6-1F
10:30〜18:00(土曜・祝日 ~16:00まで)
売り切れ次第、終了
日曜・月曜・火曜休

Zopf
047-343-3003
松戸市小金原2-14-3
6:30〜18:00
無休(夏期・冬期休業あり)

トラスパレンテ
03-3719-1040
目黒区上目黒2-44-24-1F
9:00〜19:00 

パネテリア ピグロ**
045-413-1412
横浜市神奈川区神大寺4-1-7
7:00〜18:00(土曜は〜17:00まで)
日曜・祝日休

ブーランジェリー ボヌール****
・三軒茶屋店
03-3419-0525
世田谷区太子堂4-28-10
9:00〜21:00

・梅屋敷店
03-6912-1230
大田区蒲田2-1-1
8:00〜21:00

・栄通り店
03-6805-2590
世田谷区三軒茶屋1-36-2
8:00〜21:30

・読売ランド店
044-966-3258
川崎市多摩区西生田3-9-28
7:00〜21:30

本牧館
045-624-0080
横浜市中区本牧間門19-28
6:30〜21:00

マルグレーテ*
044-977-1071
川崎市多摩区長沢2-20-30
8:00〜19:00(第2,4,5土曜は〜18:00まで)
日曜・祝日・第1,3土曜休

マールツァイト**
03-5976-9886
文京区大塚3-15-7
11:00〜19:00
日曜・祝日休

ラ ブランジュリ カロン
042-682-3757
八王子市高倉町64-6(バーゼル内)
10:00〜20:00

レ・サンク・サンス****
03-6450-7935
世田谷区若林1-7-1プチピエール三軒茶屋1F
8:00〜21:00

ロワンモンターニュ**
03-3900-7676
北区王子本町1-15-20高木ビル1F
9:30〜18:30
第2,第4土曜・日曜・祝日休
03-3900-7676

ローゼンボア***
045-491-8856
横浜市神奈川区平川町10-2
6:00〜19:00
土曜定休

主催:池田浩明(パンラボ)、NPO法人こんがりパンだ パンクラブ



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