パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
「小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京」出品FILE05 カタネベーカリー
カタネベーカリーが小麦畑とのつながりをどんどん深めている。
店で使っている小麦をあれよあれよという間に国産に変えてしまった。
北海道にも行くようになった。
畑から帰ってきたあとの片根大輔さんは元気そうな声で、自然栽培による小麦農家である中川さんの言葉を教えてくれた。

「中川さんが言うのは、
『小麦は私が作るのではなく、自然が作る』。
パン屋もいっしょだな。
環境を整えてあげて、最低限のものを使って、育ててあげる。
パン屋は(酵母という)生き物相手の仕事ですから。
パンは育てるもの。
農家さんと似てるんですよ。
僕も菜園とかやるけど、その日その日でこういうのがいいのかなって考えながらやるところが似ている」

毎日、食べつづけられるパン。
片根さんは、町に根づいたパン屋として、そのことを重視している。
常に自分が作ったパンを食べて、違和感がないかどうか確認し、配合をいつも変え、少しでもおいしいものにすることを怠らない。
あるとき、気づいたという。
そうした方向性と、国産小麦を使って畑のイメージを抱きながらパンを作ることは、ひとつのものだということに。

「北海道に畑を見に行ってから、パンの考え方が変わりました。
どんどんシンプルになる。
使う材料がどんどん少なくなってる。
パンって、なんとなく入れてるものがあるんですよ。
必要以上のものは取っ払っていく。
ある意味、ガストロノミーから遠ざかっている。
パンだからそれでいいかな。
パン屋の価値観としても、仕事としてもいいな。
原点に帰る。
どんどん点に向かってる。
体にやさしい世界に行けますよね。
町のパン屋だし、そのことってすごくいいですよ。
意外とお客さんもそれを求めている」

パンを磨きこむ。
不必要なものを取り除き、ぎりぎりまで絞り込むことで、素材の本質が現れる。
そのとき、もっと小麦の本領が問われることになる。

「とかち小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京」にカタネベーカリーは14種ものパン(とお菓子)を並べる。
特に、パン オ ルヴァン、そしてキャロットケーキ、バナナケーキは、粒で仕入れたオーガニックのキタノカオリを自家製粉して使用している。
「2週間前から麦も自分で挽くようになりました。
まるごとの麦を挽いてパンを作ってるっていいですよね。
すごくリアルです」

「リアル」という言葉には、人類が数千年に渡ってつづけてきた食文化本来のありようを、まるごと体験するという意味が込められているにちがいない。
パン屋に届けられた粉袋にスコップを入れる、その瞬間の意識もちがってくる。

「このイベントによって、いつから粉が新年度の麦に切り替わるかはっきりわかりますよね。
1年間農家さんがやったことがリアルに感じられる。
このイベントはずっとつづけなきゃいけない」

・パンアングレ
(さくさく食べられて味わい深い山形食パン)
・フォカッチャ
・パン オ ルヴァン
(自家培養発酵種のパン)
・ノワ エ フィグ
・ノワゼット エ カレンズ
・ノワゼット エ レザン
(以上3点パン オ ルヴァン生地使用)
・バナナケーキ
・キャロットケーキ
・全粒粉食パン
・スコーン
(プレーンとチョコの2種類)
・パン オ ザルグ
(海草パンのヌーヴォーバージョン。バゲット生地)
・十勝あんぱん
(「素朴なあんぱんです」。十勝の良質な小豆をお店で炊いたもの)
・秋風カンパーニュ
(スムレラ(石臼挽ききたほなみ)使用。「軽い感じで、さわやかでうまいです」)
・カニストレリ
(カタネ家毎年恒例となっている約1ヶ月のフランスバカンスで見つけてきたもの。
「コルシカのお菓子。
マルシェに置いてあったり、コルシカのパン屋で売ってます。
ビスコッティの一種。
バターも卵も入りません。
まさに粉のお菓子という感じですね)

小麦ヌーヴォー comments(0) trackbacks(0)
Comment








Trackback
この記事のトラックバックURL: http://panlabo.jugem.jp/trackback/1849
<< NEW | TOP | OLD>>