パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
「小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京」出品FILE09 ル・ルソール
9月28日、青山・国連大学前広場で開かれる「とかち小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京」に参加の名店を連続で紹介しています。

国産小麦でバゲットやハード系を作る。
シャープな感覚でおいしい小麦とそうでないものを見分け、北海道、九州とあらゆる国産小麦を試作して特徴を手のうちに入れ、自分のイメージにもっとも合う配合と製法を見いだす。
皮の食感、中身の食感、口溶け、立ち上がりの香り、後味…。
あらゆるファクターを計算してブレンドを決める清水宣光シェフが、こう言ったときには驚きを抑えきれなかった。

「この週末から2週間、店に出すすべてのパンが小麦ヌーヴォーの粉になります。
ライ麦とスペルト小麦以外」

ヌーヴォー小麦と格闘し、あらゆるパンの配合を決め直す。
清水さんはそこまで腹を決めた。
今年のヌーヴォー小麦の評価はこういうものだ。

「悪くないです。
キタノカオリは気に入ってます。
いちばんはじめ、出始めに出会ったときいい印象をもってなかった。
内麦(国産小麦)は毎年特徴が変わります。
同じ品種でもちがうものになっていることがある。
タンパクが多い時期に出会うのか、ダレやすい時期に出会うのか。
出会ったタイミングだと思うんですよね。
生産者さんに出会って、この人の小麦をずっと使いつづけたいと思えば、ぶれてもずっと使いつづけることはあると思いますし」

パン職人にとってもっとも大事な小麦。
その出会いは一期一会である。
出会ったならば徹底的に付き合い、突き詰める。

「いちばんはじめに出会った小麦は春よ恋でした。
内麦のよさ、そういうところを見て、おいしいんだな。
キタノカオリはそのあとからでてきた小麦です。

清水シェフがブレンドの「土台」と呼ぶもの。
まず味・香りのベースとなる小麦を決める。
食感や口溶けのニュアンスはそこに他の小麦をプラスすることで、調整していく。
ル・ルソールの土台は長い間、春よ恋だった。
小麦ヌーヴォーの期間中(この週末から2週間)は、その土台をキタノカオリにする。

「例えばチャバタは、キタノカオリ3、ゆめきらり7(ゆめちから、はるきらり)。
僕はブレンドします。
キタノカオリで土台を作って、ゆめきらりでのばす。
北海道の粉は大きくわけて2つの方向があると思います。
キタノカオリ、春よ恋、はるゆたかは甘みがあるけれど詰まる傾向がある。
ゆめちから、はるきらりは伸びる(味はあっさり)傾向。
詰まるものに関しては水をたくさん入れてゆるませたり、ミキシングをしてふっくらさせることで口溶けがよくなる。
それと、ゆめきらりのような伸びる粉とブレンドしてあげることで、パンがふくらんで、食べやすくなります」

ミルクのような甘さと穀物感。
国産小麦のフランスパンの先端を快走するル・ルソールのパンがキタノカオリを得てどう変わるのか。
大注目だ。

ル・ルソールの「とかち小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京」出品作
・パンブリエ(生クリームとバターを配合したパン)
・チャバタ
・スムレラ(石臼挽ききたほなみ)とキタノカオリのパン
・ピーカンナッツのパン
・ゆずとしょうがのショコラダマンド


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