パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
「365日」杉窪章匡シェフの初講習会!
声にならないどよめきが会場から何度も巻き起こった。
10月29日に株式会社愛工舎製作所 CAPルームで行われた、杉窪章匡シェフの講習会。
昨年12月の「365日」オープン以来、パンの世界を席巻しつつある、杉窪シェフが講習会の流れまで変えようとしている。
なにしろ配布されたレシピに一切「時間」が書かれていないのだから。

講習会のメニュー
・コンベクションオーブンで焼くバゲット
 小麦粉のチョイス、ブレンドの仕方

・パイルームがない厨房で作るクロワッサン
 クロワッサンのおいしい定義について

・ゆめちから100%で作る食パン
 タイマーを使わないミキシングの考え方

・理論に基づいたカスタードクリームの炊き方

・自家製餡子と熱量を考える

・フィリングを考える(南瓜ペースト)

・正しいパウンドケーキの考え方と作り方

もっとも衝撃が走ったのは、食パンのミキシングのときだった。

正しい材料の知識に基づいたカスタードの炊き方。
カスタードといえば、青筋たてて必死にかきまわすものなのに、なぜ杉窪シェフは笑顔で炊いているのか?

Facebookで話題を呼んでいる、ブラフベーカリー栄徳剛シェフとのクロワッサンのやりとり。
2人はアメリカへいっしょに行き、そこで食べた日本にない衝撃的なクロワッサンの食感を再現しようとしている。
その解答を披露した。

左からカスタード(仕上げで練ってテリを出したもの)、カスタード(仕上げなしのもの)、かぼちゃペースト、あんこ。
正しい認識と心配りと味へ向き合う感性によって、フィリングもこんなにおいしくなるという実例がそこにあった。

実験によって生まれた2種類のバゲット。
使用する小麦粉はまったく同じなのに、あることを逆にしただけで、一方は甘さがたち、一方は食パンのような食感になった。

昼食。
サンプルサンにチーズ、自家製ハム、自家製マヨネーズ。
サンプルサンは吸水100%(フランス語でサンプルサン)のパン。
それは麦の風味の真空パックである。
水が小麦の香りを見事に活かし、甘さとともに、やさしい穀物感が波のように押し寄せる。
その波動は、上質な食材の持つ風味、自家製ならではのやさしさと見事に響きあうのだった。
キッシュはパート・プリゼ(台となる生地)のさくさく感が特徴。
杉窪シェフがフランス修行時代に知った材料の使い分けが食感のキーとなっている。

明日から使えるほど実践的で、かつ理論的。
受講後、知的な刺激を受けた参加者たちは興奮ぎみに帰っていった。
詳細をいつかみなさんにお届けできたらと思っている。

それから…
ippinというキュレータマガジンでコラムを受け持つことになった。
第1回は365日のバゲットについて。
「パンを食べることはイメージを受け渡されることである。」

(池田浩明)


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Comment








「カスタードは卵焼きにしてはいけない」
ということばが印象に残ってます。

カスカードを苦手にしていたけれど、それは卵臭が原因だったのか!?
と今回わかり、ひとり興奮してしまいました。

キッシュも今まで食べたことのない美味しさでした。
フランスで学んだとありましたが自分はフランスで食べたものより数段美味しかったと思います。
from. かしわで | 2014/11/06 21:05 |
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