パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
大阪りんごの日も盛り上がった!
1月17日、18日の両日、大阪でも「りんごの日」が行われた。
被災地・陸前高田で津波を生き残った「希望のりんご」を使っていただき、復興へつなげていこうというイベント。
大阪府下で各家庭にポスティングされている「大阪日日新聞」が希望のりんごの取り組みに賛同、情熱的なご協力により実現したものだ。

1月17日付の紙面で1ページ丸々を使って「りんごの日」が告知された。
旭区、鶴見区、城東区などを中心に40数店舗にご協力いただき、りんご、ジャム、ジュースを使った思い思いの料理、サービスを提供していただく。
業種もさまざま。
パン屋、洋菓子店のみならず、カフェ、居酒屋、英会話教室、絵画教室と多岐に渡った。

りんごを提供してくれたのは佐々木隆志さん。
陸前高田市米崎町のりんご農家さんで、産地直売所なども営み、地域の農家を束ねるキーとなる存在である。
またジュースやジャムの販売も行った。

金野秀一さんのりんごで作る、希望のりんごジュース「点 TOMORU」。
そして、陸前高田で活動するNPO法人SAVE TAKATAの「米崎りんごジャム」。
SAVE TAKATAはりんごを通じて、若者の就業支援を促進し、高齢化や過疎の解決を試みる。
希望のりんごと志を同じくする団体である。

大阪りんごの日の中心となったのは、大阪の下町「千林商店街」。
大阪で一、二を争うほど活気のある商店街で、ダイエーの1号店があったことでも知られる。

17日午前、千林くらしエール館前で、りんご、ジュース、ジャムの販売が行われた。
用意したりんごがあっというまに売り切れる人気ぶり。
試食に出したところ、みなさんおいしいと言い、中には買い足してくれる方もいらっしゃった。

商店街のイベントスペースでは、イタリアンレストラン「ボッテガブルー」が、米崎りんごジャムをはさんだホットサンドを提供。
ハンドドリップのコーヒーとともに、あたたかいホットサンドは、寒い冬の日に心も体もあたためてくれるものだった。

商店街からほど近い、TKDスポーツクラブ。
少年たちがテコンドーに柔道にと打ち込む姿があった。
ここで、無料体験会&試飲会。
教室に通う少年たちはもちろん、テコンドーをはじめてみたい人にもりんごジュースが振る舞われた。
「子供たちがジャンクフードや化学合成添加物の入ったものばかり食べる現実がある。
体作りがいちばん大事な時期。
体にいいものを摂ってほしいと思って、この企画を行いました」(舘和男師範)

千林大宮は、震災直後から希望のりんごの活動をともに行っている「グロワール」の地元。
この日、店頭のいちばん目立つところに、りんごのパンがたくさん並べられていた。

りんごのブリオッシュはりんごの形にテンションも上がる。
コンポート、カスタード、ホイップクリームをサンド。
チョコで作ったへたもかわいい。

「繋ぐ」は2本の生地を編んで作られている。
1本は、陸前高田八木澤商店のみそとアーモンドの生地。
そして、もう1本がりんご入りの生地。
2本を1本に繋ぐ。
しょっぱいものと甘いものが繋ぎ合わされ、不思議に舌に馴染むおいしさが作りあげられる。
店頭に輪っかが重ねられて置かれている様子は、まるでパンでできた鎖のようで、見えない延長線は陸前高田へと繋がっていくようだ。
いつも陸前高田に駆けつけてくれてくれる一楽千賀さんだからこその、思いのこもったパンだと思った。

りんごのパンを作ってくれたパン屋さん、お菓子屋さんを紹介したい。

エトワール(大阪市城東区今福東)
とてもきれいにできた網網がかわいい。
正統派アップルパイは生地がしっかりして、いかにもパン屋さんらしいもの。
りんごのコンポートがたっぷりごろごろ入っている。
店頭にあんぱんまんの歌が流れる商店街のパン屋だった。

パティスリー ラ・フェーヴ(大阪市鶴見区放出東)
いちごショートにおけるいちごというセンター位置に生のりんごが!
中からクリームがどろりととろけでて、りんごのコンポートも姿を現す。
生とコンポート、りんごの香りがダブルで香り立つ。

こいまり(大阪市城東区蒲生)
かりかりの薄いパイ生地に、たっぷりのダマンドクリーム。
りんごをたっぷり1/3個分のコンポート。
伝統的な組み合わせをストレートに、贅沢に。
やさしい甘さも定番のおいしさを引き立てる。
(写真のものは、形が崩れております。申し訳ありません)

ワッフルカフェ プルミエ(大阪市城東区古市)
さくさくのワッフルを噛めば、りんごの香りが滲みだしてくる。
オーブントースターであたためると、なお香ばしく、かりかりになった。

カフェ チャオッペ(大阪市旭区清水)にうかがった。
住宅街にある一軒家を利用したカフェ。
看板がバス停のようになっていたりと、手づくり感のある内外装が楽しく、ずっといたくなるような気持ちにさせてくれる店だった。

この店で出されていた、りんごのトーストセット。
パンが自家製。
トーストにバターを塗り、「米崎りんごジャム」を塗る。
バターの甘さとりんごの酸味はいつだって幸福を運んでくるようだ。
オーナーの諏訪一平さんはお客さんのリクエストに応えて、おいしいカプチーノにラテアートを描いてくれる。

1杯目には、希望のりんご。

2杯目には、りんごを食べるクマ。
飲むのがもったいないかわいさだった。

11日14時からは、千林大宮のmachi cafeでツキノスミカのアコースティックライブが行われた。
日常は飲食店などに勤めながら音楽活動をつづけ、復興コンサートなどに出演するなど、被災地へも共感を寄せる。

夜は向かい側にある、旬鮮粋処かくれでも、ツキノスミカのLIVE。

ソースにりんごジャムを使ったステーキとともに。

小さな舞台であったけれど、それだけに音楽を介して、その場にいる全員が盛り上がり、気持ちをつなげあい、とても楽しい時間を過ごさせていただいた。
私も挨拶させていただき、平凡ではあるけれど、被災地で知った、人と人が気持ちでつながることの大切さについて述べた。

今回まわってみて感じたのは、どのお店にもあたたかいものが流れていることだった。
それは大阪・下町の人情であり、被災地・陸前高田に寄せられたたくさんの気持ちだったのだろう。
商店街の小さなお店が、それぞれ思い思いに自分の得意技を使って、りんごの商品を作ってくれた。
その商品を買ってくれるお客さんの心の中には、東北を応援したい気持ちが宿っていたにちがいない。
少しずつ集まったあたたかい気持ちを被災地に届けられれば、きっと東北は復興できるはずだ。(池田浩明)


パンを届ける comments(0) trackbacks(0)
Comment








Trackback
この記事のトラックバックURL: http://panlabo.jugem.jp/trackback/1886
<< NEW | TOP | OLD>>