パンの研究所「パンラボ」。
誌面では紹介しきれなかったパンのあれこれをご紹介します。
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
ボワブローニュ(田原町)
74軒目(東京の200軒を巡る冒険)

田原町の駅から合羽橋商店街へいく途中、レトロなたたずまいがどうしても気になる。
創業55年を迎えた下町のパン屋。
三角サンドとコッペパン、あんぱんに、クリームパン。
イメージ通りの昭和パンと、さまざまな昭和の意匠に迎えられる。

この店の名物といえばぶどうパン。
ギネスブックに申請できるぐらいレーズンが入っている。
「昔のぶどうパンといえば、レーズンが数えるぐらいしか入ってなかった。
みんなで分けたとき、どっちが多いかでケンカになったり。
そういう記憶があるんで、自分でパンを作るんだったら、いっぱい入れたのにしようと。
市販のレーズンにさらにワインを足して使っています」

天然酵母ぶどうパン(大 730円)
ぶどうパンには普通の食パンバージョンと、火曜と金曜しか焼かれない天然酵母バージョンがある。
自家製レーズン酵母の生地は、ハード系ではなく、食パンに近いやわらかな食感。
味わい深く、香りも濃く、あたたかさがあるためにぶどうと生地の間に違和感がない。
それにしても、このつぶつぶ感。
噛めば激しくジューシー。
レーズンだけ食べているのとあまりちがわないともいえるし、トゥーマッチであることの贅沢を噛みしめているともいえる。
喉にアルコールがぐっとくる。
甘酸っぱさはワインの芳香にくるまれ、よりさっぱり、より鮮烈にぶどうの味を舌に滲み入らせる。
生よりも、焼いてバターをつけたときが至福。
そして、おすすめの食べ方。
「ピーナッツバター塗るのが好きなんです。
パンが熱いととろけるんです」

天然酵母ぶどうパンをそのままラスクにしたものもある(3枚 210円)。
煮詰めたようにますます濃厚になっている。
ほろ苦さとミルククリームのクラシックな甘さがはまったり、はまらなかったりと、マリアージュの境界線状でゆらぐ。(写真、割れていてすいません)


長男が社長、シェフは次男、長女と末の次女が接客係と、兄弟でパン屋を営む。
だからスタッフのコミュニケーションや商品理解は完璧。
以心伝心、食べ慣れた家族の味である。
「次男は小さい頃から料理が得意だったんですよ。
母がチャーハンを作っても、『ん?』といって、ちゃっちゃと作り直す。
それがおいしいんですよ。
次男がパン屋をやりたがっていたので、それならと、道具屋をやっていた長男が社長になり、店をだしました」

クルミとりんごとクリームチーズ(189円)。
おすすめを訊くと「はまってます」とこれを推薦してくれた。
中心にクリームチーズの入ったふにゃふにゃのリングを手でちぎりちぎり食べていく。
厚さのないてろっとした生地のぐにゃぐにゃ感が心地いい。
焼りんごのきらびやかな甘さが口に入るチーズの量によってまろやかになったりそうでなかったりして、その変化を待ちわびて、たしかに食べやめられなくなる。
ときどきのクルミが香ばしく、これが口に入ったときは、さらに甘さの表情が一変する。

メロンパン 白あん入り(147円)。
関西ではサンライズといわれる白あん入りのメロンパンに、その流れと関係なく、独力でたどりつく。
クッキー生地と白あんはミスマッチに見えて、赤い糸で結ばれているのか。
「あんぱんのあんこのように真ん中に入れないで、パン生地の上にかぶせて置いています。
だからどこを食べても白あんの味を楽しめる」
パン生地が薄く、あんことクッキー生地に重心があるために、ひよこ的おみやげ和菓子感覚を生んでいる。
甘いクッキーに、甘いあんこという、甘さのオーバードライブを、全体が薄いためにしつこくなくライトに楽しめる。(池田浩明)

ボワブローニュ
東京メトロ銀座線 田原町駅
03-3844-1045
9:00〜23:00
日祝、第1・3土曜休

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