まるき製パン所
2009.10.31 Saturday 00:00
ニーハオ、京の都どす。
京都といえば、パン好きはんにとってはまるき製パン所どす。
http://www.40net.co.jp/~kyoto-pan/kumiai/ku-008/
木造の建物に格子窓、店は本当に京都らしい(↑リンクに外観写真)。
といっても狙ってそうしてる感じではなく、京都の下町にあって地元の人が通うパン屋。
2間ぐらいの小さな店で、道路に面した木のショーケースにパンが並ぶ。
お店の人にいってパンを買う対面販売も、ちいさな店であることも、かわいらしい感じがする。
閉店前に行った私はその日最後の客となり、残ったすべてのパンを買った。
真ん中を切ったコッペパンの中にざっくり切られたキャベツの千切りとオムレツを無雑作にはさんだ、たいへん家庭的なサンドイッチ。
こんなに適当でいいんでしょうか? と思ったら、これがすばらしいものだった。
コッペパンが食べたこともないような、やわらかい、本当にやわらかい、でもそのやわらかさが既製品のやわらかさではなく、揺れのある天然物の味なのである。
だからキャベツだけのところを食べてもそれでもおいしいし、手づくりっぽいオムレツの部分を食べたときなど、天国に昇る気分である。
真ん中に切れ込みを入れて半分に折るタイプのサンドイッチ。
こんなに分厚くてしかも耳付きでいいんでしょうか? と思ったらこれがまたやわらかく口溶けのいい食パン。
食パンにクリームはさんでクリームパン。
色は白。
牛乳たっぷり、甘さ控え目、やさしく、ふんわり。
ぷ夫人宣わく、人生最高のクリームパンとのこと。
チョコレートクリームとホイップクリームのミックスは、ミルクとチョコが口の中で混じり合いとろけあい、やわらかいパンもあいまって、時が止まってしまったような快楽が訪れる。
この丸いパンはなんだろうと思ったら中に黒豆が入っている。
この黒豆が大粒でほっくりした食感で香りがあってとてもおいしい。
パンのほんのりした甘さと豆の甘さがやさしい二重奏。
食べたことのないような和の味がした。
黒豆というと正月の食べ物という感じがするけど、関西では東京よりもよく食べるみたいだ。
八百屋の店先で枝豆のように枝についたままの黒豆を売っているのをはじめて見た。
食卓にあったおいしい黒豆をパンといっしょに食べておいしかったので商品化…ということなのかもしれない。
パンはすべてに薄味というか、インパクトを与えてお客の気を惹く方法ではなく、地元の人たちに末永く食べてもらえるようなパンを作っている印象を持った。
政治は生活である、と民主党のスローガンが書いてあるけれど、それにならうなら、パンは生活である、ということを阪急電車の中で思った。(ぷ)