パンの研究所「パンラボ」。
painlabo.com
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
戦国武将ゆかりめぐり旅 政宗公と幸村公
4これはこれは…
プロジェ・ド・ランディ氏の最新刊「戦国武将ゆかりめぐり旅 政宗公と幸村公(双葉社)」
ではありませんか〜!

名前からして歴史の本っぽいですけど、他社ですけど、こんな宣伝みたいなことしていいのかな!!
4/6発売ですんで、なぜこのタイミングかとか言われるとアレなんですが…
プロジェ・ド・ランディ氏の守備範囲の広さをご確認いただけると思います。

先日紹介したフリーペーパー「飄々 第3号」も戦国のエッセンスがさりげなく漂っていますので
そちらもぜひどうぞ。【D】
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Lキチを挟んで食べる用のバンズ
3 ローソンの「Lチキはさんでまんぷくバーガーを喰らうバンズ」50円也。

つまり…
ローソンのレジ横のケースに温められている"Lチキ"という名の四角いチキンを
挟んで食べるためのバンズっ!!

この話を友人から聞いた時「なんて大胆なんだろう!!」と驚いてみせた。
そして実際店頭で目の当たりにしたら、やはり「なんて大胆なんだろう!!」と驚いた。


一般的な感覚として、
レタスやキャベツなどの野菜やマヨネーズやマスタードなどのソースが無いと味気なさそうと
思ってしまうがそれは家や会社でプラスすれば良いということなのかもしれない。
あるいはLキチという商品に自信があるためにそれだけを挟んで食べてみても問題ないという
意図なのかもしれない。いやそうだ、そうに違いない。

ふざけた鳥のイラストがまたご機嫌な様子を醸していて、なんともいい。
ありそうで無かったような、
あってもおかしくなかったような、
パンの陳列棚に置かれることのないパン。

ちなみに編集Wに食べてもらったところ「給食のパンっぽい」とのこと。
…Lチキをひきたてるためのパンなのだからそれでええ、それでええんやー!!
(Lチキを挟んだまんぷくバーガー状態のものを喰らった方の感想求む…)【D】
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コート・ド・ルージュ カフェ×ドミニク・サブロン オープニング
4月30日、成城学園前にコート・ド・ルージュ カフェ×ドミニク・サブロンが開店する。

マキシム・ド・パリが赤坂サカスで営むコート・ド・ルージュ カフェ。
ドミニク・サブロンのパンとマキシム・ド・パリの料理がマリアージュしたメニューに舌鼓を打つ人々の姿を目にして、ドミニク氏は「日本では人々が食事のためにパン屋に行くことを知りました。私はこのモデルをフランスに持っていきたい」とのたまったそうである。
そこでフランスにさきがけ、両者の本格的コラボ店が成城学園駅前にオープンしたというわけだ。

↑サンドイッチ

↑キッシュもゴージャス

↑サカスに行列ができたクロワッサン

↑クープが彫刻のようなバゲット

↑生菓子も

料理とパン、コラボの一例が「ドミニク・サブロンのアフタヌーン・ティーセット」(2520円)。
三段のトレイにお菓子やサンドイッチ、手のひらにのるようなクロワッサン、スコーン、テリーヌなどがのっている。
どれから食べようかと思いっきり目移り迷い箸しながらいただけば、まことにゴージャスなアフタヌーンになることまちがいなし。

これが、コート・ド・ルージュ カフェの名物、ドンペリかき氷。
エルダーフラワーのエキスを入れた氷に、刻んだマンゴーをトッピング、それから食べる寸前にドン・ペリニョン様(手前の瓶)をかけ回す。
アルコールの強さはそれほどなく、甘さもほのかで、口の中が実にさっぱりとする。
夏の夜にお腹いっぱい食べたり飲んだりしたあとに、シメでこれを食べたら実にさわやかだろう。

ガレットを焼いている厨房にお邪魔したところ。
サブロン先生が自ら開発した北海道産の小麦に、フランス産BIOの粉、福井県産の石臼引きのそば粉をブレンド。
中に卵とグリュイエルチーズとベーコンを入れ、さらに上からグリーンサラダ、ミモザチーズ、カニをかける。
粉を味わってもらいたいがゆえにあえて厚めに焼き(ヘラトンボさばきがあまりに見事なのでとてもそんなふうには見えなかったが…)、焼き色もあまりつけずに仕上げているとシェフ。
食べてみると、もさもさ感はぜんぜんなくて、粉の味わいがじゅうぶん表現されている一方、具材の風味も見事に活かされ、かつふんわりと、もう一段上の風味へと引き上げられていた。

でも、私にとって、本日最高の感動ポイントは実はドンペリかき氷でもガレットでもなかった。
試食用に置かれていたミニクロワッサンとモエ・エ・シャンドンのシャンドン・ブリュット。
これをマリアージュさせる誘惑に抗しきれなかった。
さくさくで軽いミニクロワッサンを噛むと滲みだしてくる、なんともつやのある甘さは、いままで食べたこともないようなもの。
そこへ、シャンドン・ブリュットをごくり。
癖や棘のようなものはまるでないすばらしい香りの渦が巻き起こり、口から鼻へと抜ける。
そのピークがすぎたあと、クロワッサンの甘さがまた戻ってきて、シャンパーニュ(ではなくスパークリング・ワイン)のはかない甘さと入り混じり、両者の境界線が曖昧に揺らぐ。
その心地よさは我を忘れさせてくれるものだった。
もしいまわの際、この組み合わせを口にできたら幸福に死んでいけるかも…と思ったが、ひょっとしたらもっとおいしいものがあるかもしれないので、とりあえずペンディングしてもうちょっと生きてみたい。(ぷ)

なお、4月30日から5月10日までの期間中は、
↓をクリックしてプリントアウトしてもっていくと、
プティパンやプティマカロンなどのプレゼントがもらえるとのこと。

<<コート・ド・ルージュ カフェ × ドミニク・サブロン>> 

東京都世田谷区成城6-9-1 

小田急電鉄 ”成城学園前駅” 北口より徒歩1分 

コート・ド・ルージュ カフェ 11:00〜22:00 TEL:03-5490-8222 

ドミニク・サブロン 10:00〜22:00  TEL:03-5490-8228

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下北沢mixtureのコロネ
1下北沢にあるmixtureというお店で。チョココロネ。
 
mixture http://www.cafe-mixture.com/


2 コロネというと円錐形を想像するが、
ハーモニカのような形であることとデニッシュ生地っぽかったこととが気になり食べてみた。

かしわで氏がいつか書いていた記事にあったようなコロネにはどこかノスタルジーを感じさせた。
ノスタルジー…家へ帰りたい気持ち・望郷・郷愁・過去を懐かしむ気持ち。

このコロネにはむしろそれとは真逆の気分を感じさせられるものがあって、
それに適する言葉が見当たらないのが残念だけど、
イメージとしては目を閉じるのではなく目を見開いている感じ。

こういうコロネもあったのか。【D】
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かいじゅう屋の食パン
かいじゅう屋の食パンを一枚切り出して、手に持ったときしなる感じ、手がかすかにふるえるとともにパンも揺れる、その様が好きである。
中身に触れたときの、ひんやりとした感じや、指に伝わる繊細な触感、少し強く持っただけで潰れてしまいそうなかよわさもいい。
パンらしい発酵の香りがほのかに感じられるのも好きだし、生のまま食べたとき、歯形ができて、その断面に向かって、パンの厚さがつぼまっている、その形も好ましい。
私はなるべく丁寧にガスコンロで焼いてみる。
失敗しないように、できるだけ火を小さくして、時間をかけて。
なにかがはぜているのか、ぱちぱちと音が聞こえる。
真っ白な表面に少しだけ焼き焦げがついて、ほのかにぬくもりを持ち、表面はかりっとして、内部はやさしくやわらかなしめった感じを保っているように、うまく焼けたときはうれしい。
あと一枚、あと一枚と、うまく焼けるように何度も試みるが、それはただ自分が食べるのをやめられないからでもある。
食べ終わったあと、口の中に満ちている甘い味を、コーヒーの苦みで洗い流すのも好きだ。(ぷ)
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飄々第3号

3季刊フリーペーパー『飄々第3号』できました。今回は日本の歴史にまつわる場所(おおまかすぎますが…)でピクニッケしています。パンラボもしています。


下記の場所で入手できますのでぜひご覧ください!!



飄々とは… http://panlabo.jugem.jp/?day=20090827



文と編集はプロジェ・ド・ランディ氏(夫)
HP http://piqueniquer.petit.cc/


写真とイラストはプロジェ・ド・ランディ氏(妻)
HP http://d.hatena.ne.jp/projetdelundi/
 

デザインは川添藍さん
HP http://hwm5.gyao.ne.jp/sora-umi/ai_kawazoe_design.html





 

【池袋】

●Pause Cafe(カフェ)

豊島区南池袋2-14-12

03-5950-6117

http://www.geocities.jp/cafe_pause_ikebukuro/


【高田馬場】

●ヴィレッジバンガード高田馬場店(書店)

http://www.village-v.co.jp/direct/list.php?pref=%93%8C%8B%9E%93s

新宿区高田馬場1-28-2 コーア諏訪ビルB1F

03-5292-4051

●Ben's cafe(カフェ)

新宿区高田馬場1-29-21

03-3202-2445

http://benscafe.com/

●南方郵便機 早稲田通り店(喫茶店)

新宿区西早稲田3-15-5

03-3205-8124

http://r.tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13006160/


【西早稲田】

●one plus one(カフェ)

新宿区西早稲田3-15-2

http://www.worldwidecafe.net/cafe_j/oneplusone/index.html

 


【早稲田】

●CafeGOTO(カフェ)

新宿区馬場下町7-3林ビル2F

03-3207-9868

http://www.ne.jp/asahi/cafe/goto/


【新宿】

●ブックファースト新宿店(書店)

新宿区西新宿1-7-3モード学園コクーンタワー

03-5339-7611

http://www.book1st.net/


【渋谷】

●リブロ渋谷店(書店)

渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO part1 B1F

03-3477-8736

http://www.libro.jp/shop_list/tokyo/index.php


【外苑前】

●リブロ青山店(書店)

港区北青山2-12-16 青山吉川ビル B1F

03-3408-0701

http://www.libro.jp/shop_list/tokyo/index.php


【青山一丁目】

●CAFE 246(カフェ)

港区南青山1-2-6 Lattice青山1F

03-5771-6886

http://www.cafe246.com/

●BOOKS 246(書店)

港区南青山1-2-6 Lattice青山1F

03-5771-6899

http://www.book246.com/


【神保町】

●ラドリオ(喫茶店)

千代田区神田神保町1-3

03-3295-4788

http://www.kanda-guide.com/shop/026/index.html

●穂高(喫茶店)

千代田区神田駿河台4-5-3

03-3292-9654

http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13006537/

●書泉グランデ

千代田区神田神保町1-3-2

03-3295-0011

http://www.shosen.co.jp/


【浜町・水天宮】

●ヒナタノオト(雑貨)

中央区日本橋浜町2-22-3日本橋イーストDC2階

03-5649-8048

http://www.hinata-note.com/


【馬喰町・馬喰横山】

●MARKTE(雑貨)

千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル305

03-5926-5511

http://www.riddledesign.cc/f_top.html

●馬喰町ART+EAT(カフェ)

東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル202

03-6413-8049

http://www.art-eat.com/

●CEDOK TOKYO STORE(雑貨)

千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル404

http://www.cedok.org/

●フクモリ(カフェ)

東京都千代田区東神田1 - 2 - 10 泰岳ビル1F

03-5829-9987

http://fuku-mori.jp/


【D】

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タンネ
難しい問題だが、自分好みのパンを作られれば作られるだけ、困る。

私の記憶の中にあって、私がすっかりその味に馴染んでいるパンを目の前に出してくれる人がいれば、もちろんうれしいとは思う。

うれしいのであるが、それでは私の中の新しいパンに出会いたいという好奇心は満足されない。

だから、パン屋というのはあまり客に馴れ合わないほうがいいのかもしれない。

合わせるのではなく、ある種の高慢さ、自分だけの矜持が必要なのではないだろうか。


東京のパリはVIRONだと思っている。

VIRONは、フランスにある通りのレシピで作り、日本人の口に合わないかもしれないものをあえて出す勇気を持ち合わせているからだ。

東京のドイツといえば、私はそれほどドイツの事情に詳しくはないが、おそらくいちばんに挙げられる名前は、人形町のタンネだろう。


この店にパンが並んでいる風景は、まるで絵本の一場面のようである。

花のような形や、渦巻き型、細長いもの、種を鎧かたびらのように付着させているもの、クープの入れ方もストライプのみならず放射状があったり。

こうした記憶というのを、私は自分の日常の中で得たことがない。

だから見ているだけで、どこか遠くに旅したような錯覚を憶える。

タンネは南ドイツのパンの専門店である。

ドイツからシェフを招聘して本物のドイツパンを作っている。

↑詰め合わせを買った。安かった。

南ドイツはドイツの中では温暖な地で、ライ麦のみならず小麦ができる。

ドイツパンというと黒いパンを想像しがちであるが、タンネにあるパンはむしろ白いパンのほうが多い。

上の写真の奥、ひまわりの種が付いているのは、セーレン(魂)という名のついたパンで、パンラボの連載でも取りあげた。

塩味が強く、ひまわりの種はとても香ばしい。

そして、噛みごたえはまったく独特なもので、芯のような噛み切れない部分が口の中に残ったかと思うと、それがやや時間をかけて溶けていく。

そんなふうにどのパンも、どのパンも、私の記憶とはまったく別様に独立して存在し、それを見ている間、食べている間には、自分の生活とはまったく別の時間の中に浸ることができるので、私にとってとても楽しい。


左側の四角いもの(名前はわからない)もはじめて食べるものだった。

にもかかわらず、いままで書いてきたこととまったく矛盾するが、記憶の中に濃厚にある味だった。

けれども、その記憶はもう十年も二十年も思い出したことのないものだったので、不意にそれに出くわしたことに驚いた。

私は小学校のとき淡路島に転校したことがある。

小学校の給食パンといえば、紡錘形のコッペパンに決まっているが、そこではこうした四角っぽい形のがでて、奇妙なパンを食べるものだと、子供心に思った。

むちっとした感触や、焼き切らない白っぽい味や、しっとりしてちょっとだけねっちりするような感じも、同じだった。

どうしてああいうパンが給食に出ていたのか、考えてみたことさえなかったが、ひょっとしてドイツに由来しているのかもしれない。

その可能性は十分にある。

淡路島は兵庫県にあって、神戸との結びつきが強い。

神戸といえばフロインドリーブがあり、日本でいちはやくドイツパンが焼かれた町なのである。

(兵庫県の他の場所で給食のパンがどうであったか、あるいは関西の給食パンがどうなのか、ご存知の方がいたらコメントをお願いします。)

この薔薇のような形のパンはロゼッテという。

上に砂糖がふりかかっていて、その甘さで食べる。

みっちりと目の詰まった生地で、外国へ行った人がおみやげにくれる缶入りのクッキーに似た香りがする。

薔薇の花びらを一枚一枚ちぎって食べた。(ぷ)
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麦ふうせん
いくら忘れっぽいとはいえ、なぜか定休日の火曜に限って、大好きな藤乃木に行ってしまうのは、どうした運命のいたずらなのだろうか。

無情にも固く降ろされた藤乃木のシャッター前で、自転車のハンドルは心の動揺に影響されいささか左右に揺れないでもなかったが、ただ悲劇に翻弄されるままの私ではない。

私は再び力強くペダルを漕ぎだし、商店街を東へ向かう。

藤乃木がだめなら麦ふうせんがあるからだ。


むしろご近所の口コミ情報によると、ミニかりんとうが有名だったりとか、こちらのほうがメジャー度ではまさっている。

なにしろ新しいし、富士見台駅からだと藤乃木にたどりつく前にあるし、商品の数も多い。

明るいし、お茶がただで飲めるし、絵本とか置いてあるし、あんぱんまんのとか子供が好きそうなパンとか置いてあるし…。

麦ふうせんの特典を書き並べていると、藤乃木がどんどんリードされていくみたいで、ファンクラブ会員としてなんか寂しいが、藤乃木の魅力は時代の流れに迎合しない超然たる態度にこそあるのだから、ライバル店の動向に一喜一憂する必要はないと、自分に言い聞かせてみる。

それはそうと、だめ押しで麦ふうせん最高最大のスペシャル特典を申し述べるならば、それは「コッペパン調理コーナー」の存在である。

↑全子供のアイドルトトロまで鎮座するアットホームぶり。

ここでは注文してからコッペパンにピーナツクリームとか、ジャムとか、つぶあんとか、こしあんとか、好きなものを塗ってくれる。

量もシングルとダブルを選べる。

最初から作ってあるのとどこがどうちがうのかわからないが、リクエスト制というのは、たとえばバイキングにおける、寿司をその場で握ってくれる板前さんのように、意味もなく人のテンションをアップさせる。

最初に行ったとき、このコーナーに出会った興奮にまかせて、「バターとこしあんと両方塗ってください」と注文したら、そういうのは想定外だったみたいで、いたずらに店員さんの混乱を招き、なんか時間がかかったが、最終的にはやり遂げてくれた。

↑つぶあんをリクエスト。

コッペパンはとても食べやすく、歯切れもいいし、やわらかいし、ぐちょぐちょ感もぱさぱさ感もないし、秀逸。

↑シングルでもこんなにたくさんあんこ。

自家製っぽい感じで、粒ひとつぶひとつぶに味を感じる。


これはしゃぶしゃぶコッペパン(正確な名前忘れ)で、こんなにボリュームたっぷりのコッペサンドはあまりないと思う。

大食いの私でも1個で満腹感があった。

地元密着の店だけに、食パンも数種類あって、どれもおいしいということも、付け加えておく。(ぷ)
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セブンイレブンのカフェオレメロンパン
メロンパンはメロン味だからメロンパンなのではない。

その勘違いについてはパンラボの雑誌記事で以前書いたことがある。

メロンパンとは、味のことではなく、やわらかいパンの上にクッキー生地がのっている「形式」のことを指す。

ときどきメロンパン原理主義者がいて、イチゴ味だったり、ホイップクリームが中に入っているものを邪道として切り捨てる人がいるが、私は方針や意見がすぐぐらついてしまう優柔不断人間なので、そこのところに別段のこだわりはない。

なかんずく、「メロンパン+アルファ」のアルファが、自分の好きな物であればもう手放しで大歓迎してしまう。


いま家の近くのセブンイレブンで、いちばん目立つ最上段の棚に四列ぐらい陳列され大プッシュされている期待の新製品が、カフェオレメロンパンである。

パッケージ上でコーヒークリームが予告されている時点で、もう食べた瞬間「おいしい」と思ってやろうという用意は私の中でほぼ固まっているといっていい。

そう思いつつ一方で、メロンパンの場合、いざ歯を立てなんとするとき、気持ちは上の前歯に集中し、さあ、もうすぐかりっとするにちがいない、さあかりっとするぞ、とやや緊張ぎみに待ち受ける自分も同時存在しているが、思いはものの見事にはぐらかされる。

このメロンパンは、かりっとせず、ふにゃっとする。

表面はもちろんなにか甘々になっていて、その勢いで中身を食べるという基本構造はそのままであるが、この部分が歯にやさしい展開になっている。

という肩すかしを食ってなお、上の前歯はどんどん下方に向け切断面を掘り下げていくわけであるが、どこにもかりっとしたものにぶちあたる気配はない。

ますますふわふわになっていく。

中身の生地も普通のメロンパン以上にやわらかくて手応えはない。

そして、ほぼ中央部分で、さらにふわふわで甘くせつない、コーヒークリームにぶち当たって、かって体験したことがないほどのメロンパンふわふわ体験は完結する。


早い話が、これはメロンパンを擬装したケーキなのである。

パン生地はほとんどスポンジのようで、コーヒークリームの層をサンドし、表面にはアイシングというかコーヒー味のコーティングというかやわらかいクッキー様のものをかけている。

つまりは、「腹が減ったからパンでも買うか」という気楽な構えでコンビニを訪れる者を、あたかもパンのようなふりをして待ち受け、「自分はパンを買っている」という確信をいささかも揺るがせず、よもやケーキを買っているなどと疑いを少しも差し挟ませずに、スイーツを買うことにまつわる罪悪感をまったく抱かせないで、警戒心を完全解除させたゆるゆる状態でレジにいざなうという、セブンイレブン・ジャパン様の周到なる陰謀ということができるだろうか。

無論、そういう陰謀にはむしろ自分から進んで引っかかる私ではある。(ぷ)
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女たちよ!

1伊丹十三の『女たちよ!』(新潮文庫)

以前パンラボのブログ内でもかしわで氏がさりげなく紹介していた記憶がありますが、
先日もプロジェ・ド・ランディ氏から薦められたので今読んでいます。

文庫本で320ページ程度の厚さの中に104もの章。
つまり1つの章が2-3ページ。移動時間やお風呂のお供に丁度いいのです。
解説で池澤夏樹(文庫本は解説がつくから嬉しい)が記しているように
なんとなく読んだ話がふとした瞬間に、とても鮮明に、自分の経験だったかと思うくらい鮮明に
思い出されるという。


それとは逆のパターンですが…
つい先日ローストビーフを食べた時、ローストビーフの横に白いこんもりとしたものがあったので
私はマッシュポテトだと思い(それにしてはあまりに少ない量だったので少々不思議だったが)
ローストビーフを食べる前にその白いこんもりとしたマッシュポテト風のものを口に放り込んだのです。

しかしそれはマッシュポテトではなくわさびのような辛い大根のような味わいの白い何かだったのです。何なのかは分からぬまま、とりあえずローストビーフに付けながら食べるべき何ものかだった、ということだけ覚えて家に帰ったのでした。

あの時の白いこんもりとしたものの正体が、実はこの『女たちよ!』の或る章で分かったのです!!
読んでいて「あぁあれはこの食材だったのだな、ローストビーフには必ず付くようなものなんだな」と合点がいきました。

これは私の単なる知識不足・常識不足でもありますが、そういう伝統的な料理の本格的な作り方や作法などが学べるのも良いですね。
もちろんパンにまつわる章もあるので、おすすめです。


1ところでマクドナルドのてりたまバーガーは食べましたか?
バンズすごかった…。
皆さんの感想も知りたい今日この頃です。【D】

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