パンの研究所「パンラボ」。
painlabo.com
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
「パンの原点の現在」トークショーレポート
2月11日(土)にジュンク堂書店池袋本店で行われた

出演を予定されていたピエール・ブッシュさんが
ご病気のため急遽ご出演できなくなるという事態にもかかわらず
多くの方々にご参加いただきました。
ありがとうございました。


小麦農家の上野長一さん(左)。

上野さんはこの日のために栃木県からお越しいただいた。
かいじゅう屋をはじめとする多くのパン屋さんで使われる小麦粉を作る。
参加された方々への贈り物として、シュロの葉で編んだバッタを持ってきてくださった。


かいじゅう屋の橋本さん(中)と池田さん(右)。

目白にあるお店が終わった後に池袋へ駆けつけてくれた橋本さんは
焼きたてのカンパーニュを持ってきてくださった。
カンパーニュに使われた小麦粉は上野さんがお作りになったもの。
大きなカンパーニュをその場でカットし、全員で味わう。


熱心にメモを取りながら、配られたカンパーニュをじっと見つめながら、
真剣な眼差しで話に聴き入る。

90分という時間では足りず、質疑応答の時間も延長。
トークショー終了後もそれぞれの出演者とお話を続けられる方々の姿があった。


上野さんの作られた"ポンせん"と"お米"も販売。

上野さんのお作りになる色々米について、
先日ラジオ番組でお世話になった深澤里奈さんもブログで詳しく紹介してくださいました。


今回のトークショーにご参加いただけなかった方々も
以下のサブテキストをご覧いただくと理解が深まります。



最後になりましたが
ジュンク堂書店池袋本店の中益さんをはじめとした皆様、ありがとうございました。



パンラボ comments(0) trackbacks(0)
ひとりパンラボのつづき(渡邉政子)
パンラボ本が出版になって、久々に書いた私の原稿/解説文も読んでもらえているかなぁ。
実はあれにはつづきがあったので、こっちで発表。

そうパンラボをたのしんでいるうちに月日が経ち、ようやくパンラボのみんなと一緒にパンを食べるチャンスがめぐって来たのは2011年の夏/パンとワインのとき。長い長い道のりだった。。。
かいじゅう屋の橋本さんにもはじめて会えた。彼は元パンの会の会員さんだったらしく、パンとワインのマリアージュよりも、パンの会のことが気になったらしく、パンの会のことをあれこれ尋ねられた(笑)
あの日はみんな酔っぱらいだったので、口も滑らかだったのかもしれない。
そして冬が訪れブリオッシュのパンラボにも参加させてもらった。
させてもらったというか、パンラボ本の写真を撮るのに呼ばれていたらしい。
池田さんは写真のことは知らせてくれていなかったので、写真はイヤイヤと言ったが、もう時間がないということで渋々。。。大人だから(苦笑)
撮影後はじまったパンラボ。
これは通常のパンラボで、かいじゅう屋さんの店内で行われた。
パンが目の前に来ると食べる前からわ〜ひゃ〜嬉々としゃべり、食べながらでもしゃべる私と違って、橋本さんはじっくりパンを噛みしめ、飲み込み、その余韻までもたのしみ、さらに自分の持っているパンの知識と融合させているようで、パンの感想を語るのにちょっと時間がかかる。
当初池田さんが懸念した通りで、これぢゃ橋本さんがしゃべれない。途中で反省し、黙っていようと思うものの、みんなでチ〜ンと静かになるのも好きではないのでまたしゃべってしまって。。。
やっぱり私はパンラボの現場にいないほうがいいんだと素直に思った。
イヤミではなくそのほうがパンラボはいい。
同じパンを食べて、どんな風に感じたのか聞くのは大好きなので、池田さんと橋本さんの感想満載の原稿を読むのもぐっとたのしみになるし。
五感の表現方法はひとそれぞれなので、池田さん流の表現を読むと「ほぉ〜」と感心する。パンを作る(職人さん)のは男性が多いのに、パンのことを書くのは女性のほうが多いので、女性が書いたパンの感想は今までたくさん読んで来たが、男性のものはパンの会の会員さんたちのものくらいだった。そういう意味でも池田さんは特殊(笑)
パンラボをはじめて3年が経ち、今では池田さんのほうがパンに詳しそうで、そろそろ私のお役目は不要なのではないかと思うこともある(涙)
それはそれとして、日々の糧としてパンをたのしむ生活は変わらないし、これからもずっと愛パン家♡
パンラボ万歳!
◎ ○ ◎ おしまい ◎ ○ ◎

そしてこれがひとりパンラボ(小麦粉編)をしているとき。




にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(応援ありがとうございます)
渡邉政子さん comments(1) trackbacks(0)
京都からのお土産パン
志津屋のカルネ。


取材で京都を訪れていた方から編集部へのOMIYAGEEEEEE!!
京都人のソウルフードと言われることもあるほどに、
京都では昔から広く愛されているそうな。(そうなの?)

この方、各地の取材から帰ってくるたびにパンをお土産に買ってきてくれるので
パンが好きなのか訊いてみた。
すると…


「いや…自分米が好きなんです…でもパンとか…麺とか…炭水化物全般が…好きなんです…」


てっきりパンラボを意識しているかと思いました(てへぺろん)
でもこれ実はかしわでさんの好物。
かしわでさんは何かにつけ「あー志津屋のカルネ食べてえなーカルネー…」とか言うので
自分は食べたことがないながら知識だけは蓄積されていた。


要するにドシンプルっていう。

食べてみたら、かしわでさんの言ってた通りでした。
マーガリンの香りがする柔らかめのフランスパンにハムと玉葱が挟まれているだけ。
玉葱が苦手な人はアレかもしれませんけど、
アレじゃない人へのお土産には本当にすてきだよ! こんなのサラッと貰ったらうれしいよ!




-------------------------------------------------
…でカルネとは関係ないんですが、最近パンラボする人びと間でひそかに話題なのが
「そういや最近コメント来なくね?」問題。
ブログを見てる人はいるはずなのにコメントが来ないというのはどういうわけか。
理由1: コメントするほどの内容ではない
理由2: コメントする習慣がない
理由3: コメントしても返事が遅い/返事が無い/返事がつまらないからしない
理由4: コメントしたいが何らかの理由によりできない
理由5: コメントしたいがツウィッターで済ませている
理由6: コメントしているが何者かによって阻まれている

なぜ問題かというと、
コメント来ない→つまらないって思われてるのかな…(主にかしわでさんと自分の心の声)→池田さんみたいな日記じゃないからかな…(主にかしわでさんと自分の心の声)→ふざけたり遊んだりコンビニとかスーパーとかばかり行ってるからかな…(主にかしわでさんと自分の心の声)→日記書くのつらい…うう…居場所ない…うう…発酵とかよくわかんない…ううう…パンの美味しさの表現が「うまい!」か「最高!」しかない…恥ずかしいよお…うううう…(主にかしわでさんと自分の心の声)→日記の更新が鈍くなる→読者の皆さん「あら、更新遅いわね…イラッ」となるため。

つまり問題視しているのは主にかしわでさんと自分。
そして理由4の線が強いのでは? という仮定をしています。
なぜ理由4と仮定するかというと、理由4であってほしいからです!(フュージョン!!)

日記で心配事を書くことで
「そんなことありませんよ! かしわでさんたら面白いことばかり言ってますよ!」
「自信を持ってください! Dさんの日記楽しみにしていますよ!」
なんていうコメントが来て
「えへへ、そうかな…いやハハハそんなことないですよ…こりゃ照れるな…」
と不安を払拭したいだけなんだ。

そうですよね? ね? かしわでさん? 

(しーん)


池田さんに話したら平然と「そんなことよりイベントのレポート早く更新したら?」とか
言われちゃいそうだね!!
ぐだぐだ言わずに2月に行われたイベントのレポート更新します!!
しばらくお待ちくださいね!! 【D】



パンラボ comments(26) trackbacks(0)
ミスドの魂百まで
ミスタードーナツ

"今だけ100円"をやってる時だけ行きたくなるドーナツ専門店(でも飲茶とかも売る)。
通常時は行きたくなっても「今だけ100円のやつ始まるまで待っとくか」と結構あっさり諦めがち。
でもこの包装袋のように、頭の中がドーナツ極まりない状態の場合は例外として行く。


オールドファッションを食べるために。

ミスドは"米粉なんとか"や"もみじまんじゅうなんとか"などアイデア満載の商品を次々と出すので
たまに心が揺らぐ。
しかしそれらには無くオールドファッションにのみ有るものを知っているかい?


ミスドのオールドファッションだけは昔から変わらずに"外壁一周剥がし食い"を許す!!

(ナニソレイミワカンナイ)


外壁をぐるぐると剥がしながら食べて自分でひとまわり小さいドーナツを作ることができルンだよ。
カリカリカリカリッ。
カリカリカリッ。
そうして出来上がった小さいドーナツはドーナツの中心部に近いせいか若干しっとりしていて、
食感の違いが楽しい。

「そういう食べ方は下品であるし卑しい子のすることだからよしなさい」
なんて御母堂に言われた経験のある人でも
たまにはいいじゃないですか。
たまには卑しくありたいじゃないですか。
だってドーナツですよ。
穴があいたパンというだけで既に卑猥です。
ミスドさんはそこにホワイトチョコをコーティングした商品まで出しちゃうんですから
"外壁一周剥がし食い"なんて可愛らしいものです。

今日はちょっと卑しくありたいな…なんて思った日は思いきってミスドへ行きましょう。
"今だけ100円"をやっていたら貴方は幸運です。【D】


パンラボ発売してます
パンラボ comments(4) trackbacks(0)
パンの漫画34 『ハニートースト』







 


パンの漫画1 『パンと金持ち』
パンの漫画2 『クロワッサン』
パンの漫画3 『朝にパン』
パンの漫画4 『こがす』
パンの漫画5 『ガレット』
パンの漫画6 『罪悪感』
パンの漫画7 『ながら食べ』
パンの漫画8 『買いすぎる』
パンの漫画9 『先祖とフォカッチャ』
パンの漫画10 『VIRONで朝食1』
パンの漫画11 『VIRONで朝食2』
パンの漫画12 『こんがり』
パンの漫画13 『緊張』
パンの漫画14 『花巻』
パンの漫画15 『禁止令』
パンの漫画16 『シベリア』
パンの漫画17 『風紀』
パンの漫画18 『張り込み』
パンの漫画19 『タイミング』
パンの漫画20 『パン』
パンの漫画21 『張り込み2』
パンの漫画22 『太田原くん』
パンの漫画23 『映画館』
パンの漫画24 『見栄』
パンの漫画25 『公開パンラボ』
パンの漫画26 『話し』
パンの漫画27 『護送』
パンの漫画28 『漫画家フード』
パンの漫画29 『発売します』
パンの漫画30 『無題』
パンの漫画31 『張り込み』
パンの漫画 comments(1) trackbacks(0)
モンディアル・デュ・パン イベントレポート
2月21日、東京ビッグサイトで行われているHOTERES JAPAN(国際ホテルレストランショー)のイベントステージでパンのエキシビジョンが開催された。
間近に迫ったモンディアル・デュ・パン(パンのワールドカップ)の壮行会も兼ね、歴代代表選手がデモンストレーションを行ったのだ。

第1回代表 割田健一(銀座レカン)
第2回代表 西川功晃(サ・マーシュ)
第3回代表 安倍竜三(ブーランジュリー パリゴ)

第1回代表の割田健一さん(銀座レカン)が作ったのはフランス産BIOの粉タイプ65・タイプ80を使ったバゲット。
そこには、フランス小麦への完全な理解があった。
国産小麦やフランスパン専用粉で作るバゲットとはちがう味わいの世界。
甘すぎないし、軽やかすぎない。

生々しく、色でいうならややクリームがかった白い味わいが抑え気味にどんどん伸びて、意識を奪っていく。

「ゲランドの塩を使っていることで、うまさをはっきり出している。
ちゃんとおいしいものを、ちゃんとした材料を使って作る。
スーパーテクを使っているわけでもなんでもなくて。
粉をふるって空気を入れたりはしていますが。
粉の味がするように。
とはいっても出しすぎてもいけない。
ほんのりの酸味。
レストランでパンを作っていることもあって。
パンで完結するのではなく、料理もある。
スープをぬぐって食べて、それでおいしくなるように」

ゲランドの塩のミネラル感のもたらす舌の上での味わいの変化と、味をぎりぎりに出しすぎない余裕が、料理を、パンのもう一口を食べたくさせる。

第2回代表・西川功晃さん(サ・マーシュ)は、フロマージュブランを混ぜ込んだブリオッシュを作った。
フロマージュブランとは、ヨーグルトのようでありながら、ヨーグルトほどに酸味が強くなくさっぱりした味わいの液体状のチーズ。
日本で珍しい食材をさらりと使う、引き出しの豊富さは西川シェフならでは。
甘さのやわらかさ、独特さは、目を見張るもの。
食感はさっくりして、やわらかくて、しっとりして、でも軽くて。
まったく引きがなく、ほどける感じ。
アプリコットの酸味と、トッピングのパールシュガーの甘さとの、愉楽に満ちた絡み合いは、抜群のバランスによってもたらされる。

西川さんの次のような言葉は印象的だった。
「生地と会話をしていたい。
必ず生地を触って『どう?』って。
指先の感触。
あるとき、急に指に感覚が出てきて、感じるようになりました」

また、西川シェフはハートブレッドプロジェクトと呼ぶ新しい被災地支援を行っている。
残った半端な生地でハート形のプチパンを作って、代金を義援金にあてる。
「1日数百円に過ぎないですが、日本にあるたくさんのパン屋さんが加わってくれれば、大きな力になる」

午後からは関東・関西を代表するオールスターチームによる、東西対決が行われた。

(東日本チーム。右から、山崎、井上、伊原の各シェフ)

東日本
伊原靖友(ツオップ)

井上克哉(オーヴェルニュ)

山泳(アンバサドール)

(西日本チーム。右から、谷口、大下、米山、坂田、大熊の各シェフ)

西日本
坂田隆俊(フルニエ)

大熊秀信(フラワー)

米山雅彦(パンデュース)

大下尚志(モンシュシュ)

谷口佳典(フリアンド)

山崎豊シェフの作った米粉のバゲット。
衝撃を受けた。
米粉パンを、こんなにおいしく作れるとは。
外見は、伝統的なバゲット。
齧ると、甘さが小麦粉ではありえない輝かしさ。
せんべいにも似た超かりかりの皮と、中身のくにゅくにゅしたやわらかさにも、劇的な差がある。
小麦粉を我慢して、米粉を使うのではない。
小麦粉だけでは決して見ることができない新しい味の世界を見させてくれる。

「米粉が30%、小麦粉が70%。
米粉と小麦粉のおいしいところが合わさって。
いまの米粉100%のパンというのは、グルテンを添加しています。
グルテンをできるだけ添加したくない。
グルテンは小麦粉を潰して作られます。
それはもったいない。
日本中、エコ、エコといっている時代に、それはおかしい。
米粉100%が広まったら、小麦が犠牲になる。
グルテンはそれ自体、食べてもおいしいものじゃないですし。
この、米粉のバゲットのようなレシピが流行れば、小麦を潰さなくてもよくなる。
このパンは、普通のパンのようにも食べられるし、和惣菜とも合う」

卓越した職人の技術やアイデアは、環境を救い、未来さえ変える。

大下尚志さん(モンシュシュ)のパン・オ・レ。
パン・オ・レは日本では一般的ではないが、フランスでは長い伝統を持つポピュラーなもの。
このパンをシンプルに作ってストレートに勝負する。

薄い皮のさくさくと香ばしさ。
ゆるゆるぷりぷりと揺れる、中身の肉感的なやわらかさ。
甘さはなく、押し出してくるのは、ミルクの味わい。
プレーンなものもいいし、あられ糖のトッピングや、チョコレートを混ぜ込んだものも至福。
それらの甘さが降りかかったところだけ、味わいが燃え上がる。

「リッチな生地ですが、パン自体が甘くない。
神戸北野ホテルのイグレックプリュスにいるとき、料理に合わせて考えたものなんで、パンは逆にシンプルに。
食べてほっとする感じ。
何回も試作して、この配合にいきつきました。
配合によっては、食感が締まりすぎたり、ふわふわしすぎたりする。
しっかり食べた感じと、食べやすさが両方あるような。
料理を邪魔しない。
印象はきっちりとあって脇役じゃない、でも主役でもないような。
6月に独立して神戸の御影で店をはじめます。
そのときはパンオレを看板商品にしようと思っています」

ステージ上でつづけられる、一流シェフたちの仕事。
ツオップの伊原靖友店長は、プロがどこを見ているのか、着眼点を教えてくれた。
「たとえば、丸め方ひとつにしても、右回りか左回りかがある。
回転方向によって、できあがりがちがってくる。
その日の生地の状態によってどっちに回すかを決める」

伊原さんは今回のエキシビションに従業員を連れて参加、名物のカレーパンを朝から夕方まで1000個も作って、観客に振る舞った。
「いまはフライヤーを使っていますが、普段はガス台に天ぷら鍋を置いてやっています。
小さい鍋を使うことで、一度にたくさん揚げさせない。
そうしないと、丁寧じゃなくなってくるから。
10個を40回、50回と分けて」

1日数百個を売り上げる大人気商品を作る人の心づかい。
がりがりとした食感、強い味わいのパンをかむとちゅるっと出てくる、やけどをするほどに熱く、濃厚きわまりないカレーフィリング。
この感動は、この心意気がなければ、決して生まれないものなのだ。

今念の代表である児玉圭介さん(ボンヴィボン)。
イーストのフランスパン、自家製酵母のカンパーニュ、食パン、デニッシュ…あらゆるパンが極めて高いレベルにあるのが、ボンヴィボンという店だ。
児玉さんは、日の丸を背負うにふさわしい人だと思う。
それでも、世界大会は、また別のむずかしさがあると、彼は言う。

「お店のパンとはちがう。
こういう大会では、プレゼンテーションが問われる。
たとえば、『まぐろ』というより、『大間のとれたてのまぐろです」といったほうが、おいしく聞こえるでしょ。
ここで、いろんな人のやり方を見ててもすごく発見があります。
自分のパンがいちばんとは、なかなか思えない。
緊張してくる。
もっと上に行くために、この大会に参加しました」

「もっと上に行く」。
それは、世界のトップレベルを見たい、学びたい、という向上心なのか、世界で勝つことで自分の名を上げたいという野心なのか。
パンという世界にも、職人の腕一本で登っていける、栄光に満ちた高い頂がある。
それが日々パンを作りつづけることのモチベーションになっていることを、児玉さんの言葉は教えてくれた。

司会を行った木村周一郎(ブーランジェリーエリックカイザージャポン)さん。
「国際大会の審査基準にはきれいさの項目もある。
だから作業台の上がすごくきれいですよね」

ひとつのパンが作り終わると、若い職人がひたむきに台を拭く。
眩しいステージの脇で、下積み仕事を続けながら、彼はなにを思うのか。

「お店の若い子にとっては、普段は知ることのできない別の店のやり方、一流のシェフたちの技術を学ぶための、本当にすばらしい機会」
と、モンディアル・デュ・パンを草創期から取材してきたライター・本行恵子さんは言う。
各店から補助のためにやってきた若い職人たちは、一流の技術を盗もうと、手先に熱い視線を送り、写真を取っていた。
彼らの中から、将来、このステージに立つ者、世界のトップと戦う職人が出てくるのだろう。


(池田浩明)




にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(応援ありがとうございます)
パンの取材 comments(0) trackbacks(0)
!!!(ワオ)
かしわで


パンラボ本の重さはあるパンの重さとだいたい同じです。



それはさておき、


ワオ! (←クリック)



へへへ。



池田浩明がパンラボの山岡士郎ならば、さしずめコイデェーはパンラボにおける栗田よう子か(美味しんぼね)。

そんなコイデェーの味覚を日々リスペクトしてきましたが、よもやあのようなBIGなサイトで連載を始めているとは!?


ワオ! 嫉妬しちゃうぞ!


D 「いえいえいえいえいえ。そんなんじゃないんですよ。エア彼氏ですし」


なんだかキャリー・ブラッドショーみたいじゃん(アンド・ザ・シティーね)!


D 「いえいえいえいえ。そんなめっそーもありません。エア彼氏ですし。ひとりで食べに行ってるんですから」


強調するなぁ〜。エア彼氏を。聞いてもいないのに。ひゅーひゅー。

読まれると困るひとでもいるのかな?
いいんだよ、誰と行っても。嫉妬させちゃえ! 




ただコイデェーは本当にピュアな舌を持ってると自分は感じてます。
漫画「鉄鍋のジャン!」の大谷日堂が神の舌を持つ男ならば、
コイデェーはさしずめ天使の舌を持つ女(褒めすぎか!? いや十分だろう。いややっぱ褒めすぎか。いや…)。

それは小麦の香り、小麦の甘みのとらえっぷりから充分伝わってきます(パンラボ中にさんざん見せ付けられてますから!自分はパンラボの落ちこぼれだからぜんぜんわかんない。雰囲気で、そうそうつってるけど)。

そんなコイデェーを使うライブドアの方のセンスはナイスすぎます(まじめに思います)。


「グルメエディターおすすめのデートがうまくいくレストラン」だけれども、
同時に筆者の成長物語をも描いちゃおうという隠しコマンドもあるはず!(決め付け)

なんだか楽しそうなことやってんな!(エアでさ。むふふ)
パン・トリップ comments(2) trackbacks(0)
濃い味ギッフェリ朝日新聞
 食品業界で濃い味が流行っているらしい。※日本経済新聞の記事はこちら

コンビニパンにも濃厚を謳うパンは結構前からあるけれど、
いずれもパンの中のフィリングや表面にかかっている何かが濃くなるにとどまっている。
"小麦の味が濃いパン"とかがコンビニで売られていたら「お!」と思うかもしれない。
パンなら他に何が濃くなるだろうと考えています。


で濃い味とは関係ないですが、ナチュラルローソンのあんこギッフェリっておいしい。
あんこギッフェリ以外もナチュラルローソンのベーカリー部門は侮れませんね。
◆トブラローネ…えトブラローネって何? え何その包装袋かわいい
◆ライ麦ロール…シンプルでいいね
◆チョコレートギッフェリ…チョコクロワッサンね
◆バターギッフェリ…クロワッサンね
◆チョコチップロール…似てる! ペピットに似てる! (ペピットはこちらを参照


で濃い味とは関係ないですが、昨日の朝日新聞の朝刊に『パンラボ』が掲載されました。
読書欄左端にご注目。


最後にこう書いてある。
"こんなに多様なパンが買える国は日本以外あるんだろうか。"


世界のことを知らないが、
ナチュラルローソンとかいうコンビニエンスストアでさえ
3種類のギッフェリが買えるというのだから確かにすごい。【D】






コンビニ・ラボ comments(0) trackbacks(0)
知識のトビラを開く
かしわで


日曜日 朝5時


知識のトビラを開いてます(サンデーライブラリー)。


ラジオ(J−WAVE)からパンラボ主宰の声を聴くなんて、


ヌフ。


本来ならばコーシーでもいれて、昨日買っておいたクロワッサンでもつまみながら、
聴くのが正しいのでしょうけど、
自分はきょうのフェブラリーSの馬柱を見ながら聴いています。
なんか閃かないかな? と思って。うひ。



メインタイトルは「パンと人とハンドメイド」。



まずは「3つのC」

出た、3つのC!
抜いた!抜いちゃったね!いきなりCを。

パンを食べるときの極意。3つのC。


チャンネルのC
チューニングのC
チョーホー・カシワデのC

間違えた
カンバセーションのC


その宝刀を抜かせてきた深澤里奈、ただならぬね。抜き差しならぬね。


なんつってたら、
パンの歴史やら、パンとハンドメイドやら、ぬかドコの話やらへと進み、あっという間に終了。

なんだか勉強になるなぁ〜なんて感心してたら、もうおしまい。


つづきは来週だそうです。
パン・トリップ comments(2) trackbacks(0)
Boulangerie A(半蔵門)
135軒目(東京の200軒を巡る冒険)

桜で名高い千鳥が淵に近い。
瀟洒なオフィス街・高級住宅地にスマートな店舗。
カフェがパン屋と化している。
カウンターのまわりにパンを並べて、カフェスペースで朝食やランチを取ることもできる。
あるいは、コーヒーとパンをテイクアウトして、オフィスや、付近のうつくしい公園で食べてもいい。

作り手もおしゃれな人だった。
「オーブンからパンが出てきた瞬間、おいしそうもあるけど、かっこいいな、と思っちゃいますね」
と中込直(ただし)シェフはいう。

かっこいい。
それはこの店のパンを表すのにぴったりした形容詞だ。
形がかっこいい。
ハード系を中心とした品揃えもかっこいい。
でも、なにがなんでも伝統のまま、というわけではない。
崩し方、フィリングとの合わせ方にセンスがある。
パンのコンセプトが見える。
形でコンセプトの片鱗を感じさせ、一口食べた瞬間に狙いを完全に理解し、噛めば噛むほど、考えが正しくパンに結実することを納得する。

ノア&カレンズ(180円)
極細カンパーニュ。
パンの皮愛好家に贈るカンパーニュのかりんとう。
齧りついた一撃でがりっと砕け、散っていくさまは、かってないほどの木っ端みじんぶり。
くるみのかりかりまでが歯ごたえの祭典に参加する。
皮面積の多いパンならではの味わいの濃さ。
カレンズの酸味がコントラストによってそれをより活かし、生地のかすかな酸味とも響きあって、皮体験を充実させる。

キャラメルノア(150円)
糸を引きそうなほどねっちりなのは、パンオレ生地の中にキャラメルが練り込まれるからだ。
パン生地のミルクはキャラメルと呼び合って、ミルクキャラメル状態になる。
それは、ねっちり食感と相まってやさしい甘さを表現する。
底面には焦げたキャラメルが敷かれて、この甘さはより華やかで、パン生地のミルクと淡いコントラストを描く。
クルミの甘さにも追撃されながら、やがて生地はねっとりからねとねとへと変わって、よりおだやかに舌に滲みこむ。

この店のコンセプトを、
「パンを中心としたライフスタイルの提案」とシェフは説明する。

「このスープにはこういったパンが合うとか、お酒にはこういうパンが合うとか。
たとえば、セロリとカマンベールのようなしょっぱい系のリュスティックにはビールが合います」

スパイシーカレーパン(230円)
辛さを予期しながら齧りつくと、ブリオッシュの甘さが広がる不意打ちがあって、一瞬のちに黒カレーがぐいぐい押してくる。
舌先の熱さにはじまってじわじわと延焼する辛さはくしゃみがでそうなほど鼻腔を刺激し、喉から食道をひりひりと通り抜け、胃に収まっては体中の血管をどきどきと脈打たせる。
予想を超えた強烈さで後頭部にまで押し寄せて、さわやかな辛さによって、脳天をホワイトアウトさせるので、リセットボタンを押したみたいに、食後は爽快な気分になる。
繰り返すが、辛いのではなく、頭の中を、喉を、風邪が吹き抜けるように、涼しく、爽快なのである。
これがカレーの効能だったか。
こんな気分をインド料理店ではなく、パンで味わうのは希有。

カレーパンでさえも。
町場のレトロなパンではなく、パン・オ・キュリーに変貌している。

「見た目がすごく重要。
見た目でおいしそうじゃないと買っていただけない。
それから、おいしく作ろうと思うこと大事。
いつも、おいしくしようと思いながら作っていたい」

内と外、外見と中身、表層と本質。
かっこいいパンに、かっこいい味は宿る。


東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅/東京メトロ有楽町線・JR中央線・都営地下鉄新宿線 市ヶ谷駅/東京メトロ 半蔵門線・東西線・都営地下鉄新宿線 九段下駅
03-3230-8484
8:00〜18:30
日祝休み

#135

パンラボ単行本発売しました。


にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(応援ありがとうございます)

#135
200(東京メトロ半蔵門線) comments(0) trackbacks(0)
| 1/3 | >>