パンの研究所「パンラボ」。
painlabo.com
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
不思議の国のハーゲル
不思議の国の子供たちが、朝起きて見る不機嫌な日常を不思議風景へと転換するのは、穴に落ちることによってではない。
ルイス・キャロルというよりは、花咲かジジイ的に、ふりかけることによってそうする。
キッチンにいつも常備された粉石鹸でも入っているような箱からふりかけるのは、ハーゲルである。

ハーゲル

このつぶつぶさえふりかければ、眠い目をこすりながら見るモノトーンの食卓が、おもちゃ箱みたいに色とりどりで、ソニプラ的にプラスティックな、不思議の国の朝ごはんに変身する。
甘くもなく、なんだかもごもごする、いつもの食パンが、あっというまに駄菓子屋のおやつになる魔法。
まるで食べ物らしくもなく、粉雪のように舌の上にぱらぱらと散り落ちては、ちゅるちゅるっと溶ける。
途端に、こよなくエアリーで、ぺらっぺらな甘さがふわふわ広がる。
こうして子供たちは、その日一日を安心して、不思議の国の住人として暮らしていけるのだ。

不思議の国とはcorandaのことである。
またの名をオランダともいう。
この国でどんなパンが食べられているか、私たちはまったく知らされていないにもかかわらず、日本ともっとも長く付き合いをしているヨーロッパの国だというから奇っ怪である。

カタネベーカリーの地下、カタネカフェでオランダの不思議的側面、corandaを紹介する「小さなオランダ展」が開かれている。


朝はハーゲルをふりかけた不可思議なトースト。
ランチタイムはエルテンスープ(えんどう豆スープ)にスタンポット(マッシュポテト)。
おやつの時間は穴の開いていないドーナツ、オリポーレン(直訳:油玉)。

カタネさんも、食べたこともない不思議の国のパンを、半信半疑で焼いている。
ダッチブレッドといい、プレーンなパンの表面を上新粉でコーティングしてぱりぱり層を作る。
コーティングはひび割れ、虎模様のように見えるので、タイガーブレッドとも呼ばれる。
ぱりぱりが香ばしさで口に入れた瞬間に目くらましをするあいだに、いつものフランスパンよりもっと濃厚なカタネ味がいつのまにか用意されて、思いのほかじゅわっとくるのだ。

この展覧会は6月3日(日)まで。
6月3日のカフェでの食事は「お話の会」になっていて、予約が必要。(池田浩明)




にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(応援ありがとうございます)
- comments(0) trackbacks(0)
ル パン ドゥ ジョエル・ロブション(渋谷)、ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブション(恵比寿)
148軒目(東京の200軒を巡る冒険)

「圧倒的に輝いていました。
なんでこんなにおいしいんだろう。
僕にはわからなかった。
バゲット、カンパーニュ、クロワッサン…。
まったく他の店とは別物で、輝いていた」

15年前、26歳の若いパン職人は眩さに目を細め、タイユヴァン・ロブション(当時)を見た。
(決して誇張ではなく、私の目にもそのように映っていた。)
山口哲也シェフは50倍の難関をくぐり抜け、ロブションの厨房に入った。
そして、それまで自分が働いてきた店との製法のちがいに愕然とした。

「作り方自体がすごかった。
人間ではなく、生地の都合に合わせて、すべての作業が組み立てられていました。
丸め(生地を丸める基本的な作業)ひとつとってもちがっていた。
それまで勤めていた店では、多少雑にやってもどうにか形になるパン(副材料の多い生地)しか作っていなかった。
本格的なハードパンははじめてでした。
ひとつひとつ丁寧にしないと、仕上がりが変わってくる。
ロブションに入って、食パンの丸めがこんなにむずかしかったことに気づいて、びっくりした。
食パンって、ミキシングのときしっかり回して生地を作ってから、そのあとの作業をしやすくするものだと思っていました。
ここでは、ミキシングを短めにして、そのあとの各段階で、じょじょに生地を持ち上げていく。
だから、技術がないと切れちゃって、そうなると生地を長い時間休ませないと回復しない。
それで食パンの甘みが左右される」

ミキシングすれば小麦が本来持っている味わいは失われてしまう。
よくミキシングしなければパンをふくらませることはむずかしい。
矛盾する2つの命題の両方に解答を与えられるのは、卓越した技術によってでしかない。

「フランスパンも同じことで、混ぜすぎると酸化しちゃって、粉の甘みが飛んじゃう。
バゲットの生地も吸水量が多くて、まったく成形できませんでした。
締まらないというか、張りを持たせることができなくて。
他の人がやったものはきちんとしてるのに、僕のやったものはぺたんとしてしまう」

初代シェフである金林達郎氏(前帝国ホテル・ベーカリー課長)から渡されたバトンを、後にスターシェフとなるパン職人たちが引き継いできた。
それがロブションの伝統である。

「仕事を習ったのが、須藤秀男さん(ブーランジェリー スドウ)、竹内哲也さん(アンシャンテ)。
竹内さんは厳しい方だった。
生地を見て仕事をしなさいと教わった。
生地のことを考える方なので、折り込み(デニッシュ生地を作るときの折る作業)も成形もとにかく丁寧です。
手で触っただけで生地の状態がわかるぐらい、感覚で覚えちゃってる」

「なんでこんなにおいしいんだろう」。
山口シェフが追い求めたロブションの秘密とは、実にシンプルなことだった。

「ひとつひとつをいかに丁寧に、いかに正しく作るかに尽きる。
その積み重ね。
材料がどうとかいうことより、ひとつひとつを正確にできているかどうかによって、差ができてしまうんだと思います。
その影響はいちばん大きい。
当たり前のことを当たり前にやってって、特別になっていく。
普通のことを普通にやっていけば、特別に変わっていく。
特別な製法とか、特別な材料とか、粉にこだわりを持つこともときには必要ですが、ベーシックな部分を考えると、正確さの積み重ねが大事。
特別な粉を使ったとしても、ひとつの工程ができていなかったら、仕上がりが平凡になってしまう。
普通のことを積み重ねるしかない」

山口さんは、ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブションの店頭に並べるパンを作る一方、シャトーレストラン ジョエル・ロブションで料理とともに供されるパンも担当する。
つまり、ミシュラン三ツ星評価をブーランジェの立場から支えている。
ジョエル・ロブションのように、感動の中心にパンを置こうとしているレストランはあまりない。
たとえば、ガストロノミー ジョエル・ロブションでは、食事のはじめに、パンを満載した圧巻のワゴンが登場する。
パンオレ、クロワッサン、カンパーニュ…ありとあらゆるパンから好きなものを選び、好きなだけ食べられるという夢のような瞬間が訪れる。

「レストランのパンに関していうと、レストランのシェフと相談して決めるのが大前提。
三ツ星だという意識は、プレッシャーでも、やりがいでも、楽しみでもありますが、そこに気を取られたくない。
こういう料理には、こういうパンが合うな。
こういうパンを作ってみたいんですけど、こう合わせられたらいいね。
提案して、それがサンドイッチになったり。
得られる情報は僕にとってかけがえのないものです」

最高の素材を使い、最高の料理人と渡り合う経験は、他のパン職人が熱望しても決して得られないものだ。
ジョエル・ロブション本人とも、刺激を与えあい、コラボレーションを行う。

「ロブションさんが日本にきたとき、ガラディナー(夕食パーティ)を必ず行うんですが、そのとき出せる最高の料理を出す。
アミューズでなにか出してほしいと、ロブションさんにお題を出される。
クグロフを小さいサイズで作って、バジルオリーブ、トマト、コンテチーズ、タマネギ、いろいろなものを組み合わせたサレ(塩味の発酵菓子)。
トリュフを使ったパン。
そこから派生して、セップ茸を使ったブリオッシュ。
カンパーニュみたいな生地のパンドミ。
サフランを入れてマーブル状に仕上げたパンを作ったり。
ルヴァン(自家製酵母生地)で作ったクルトンを魚にまぶして、パン粉替わりにしてポワレ(フライパンで焼くこと)して。
海藻を入れたフォカッチャ生地でバンズを作ってハンバーガーとか。
レストランの中にちゃんとしたパン部門があるからできること。
僕らの使命でもありますから。
買ってきたパンを出したりすることとはちがいます」

パンから発想して、新しい料理が生まれる。
反対に、食材のインスピレーションから、新たなパンが生まれる。
ひとつの皿の中に、パン職人と料理人が息を合わせた、最高の仕事が共存する。
そんな離れ業を演じることができるのは、フランス本国にもないパン屋ブティックがある東京のロブションだからだ。

「たとえば、アンチョビのプティ クロワッサンにしても、アンチョビペーストとグリュイエルチーズという組み合わせを考えていました。
『バジルも合わせたら』といったのはロブションさんでした。
さわやかさが加わり、締まりも出ました。
そういうのはさすがだなと思います」

プティ クロワッサン(アンチョビ)(105円)
海の塩の力がすべての味わいをぐらぐらと揺らし、強め、とろけさせる。
小麦の白い味わいにはじまって、アンチョビ、チーズ、バジルが溶けだして、どんどん強まる。
クロワッサンのバターがそれらすべてをまとめあげる。
癖の強いアンチョビを存分に味わいながらも、後味がさわやかなのは、バジルが舌に残っているからだ。
チーズ・アンチョビというコクに対して、バジルが刺激の反対色としてバランスを取る。

「アンチョビのプティクロワッサンは、砂糖を少なくして、パイっぽく、白く焼き上げています。
このクロワッサンは特にそうですが、全体にクロワッサンは白っぽく焼くようにいわれています。
フランス人の感覚からいうと、日本のクロワッサンは焼きすぎに思える。
あまり焼かないせいで、バターの風味が飛ばずに残る」
ロブションのクロワッサンは他の店と比べて際立って「香ばしい」と思っていたのだが、秘密の一端がこの言葉で解けた。

ジョエル・ロブション本人は、パンについて、特に日本のパンの状況をどのように考えているのか。

「フランスのブーランジェリーとは異なる、日本のパンに興味を持っている。
世界各地に出店して、各地をまわられて、柔軟な考えを持つようになった。
フランスのブーランジェリーにないパンはだめ、という考えはなくて、『カレーパンやってみれば』といわれて、えっ、やっていいの? と思った(笑)。
レストランのシェフがカレーフィリングを考えてくれました。
濱田家の豆パンを食べておもしろがったり。
アメリカでもラスベガスを視察したときに、ブリオッシュ生地にジャムをマーブル状に混ぜたパンを見て、『こういうのやってみればいいじゃん』と」

「『小豆をやりなさい』
といわれて、試作しました。
最初は黒豆ときなこにカシューナッツを合わせてたら、
『バターピーナッツに変えてみたら?』
格段においしくなった。
そういう素材のコンビネーションというか、感覚的なものはおもしろいと思います。
フランス人はパン生地になにかを練り込むことを想像できない。
食事パンがメインの国なので。
この店には、レストランのシェフも、サービスにもフランス人がいる。
そういう人の考えを吸い取って、僕たちのほうから提案していくことが求められています。
僕が新しいパンを作って持っていくと、提案が返ってきて、掛け合いをして、できていく」

ロブションの厨房では、伝統と革新がせめぎ合い、フランス人のセンスと、日本人の繊細さが切磋琢磨する。
世界に類を見ないほどあらゆるパンを受け入れる日本という土地で、フランスパンの桎梏は解き放たれる。
ロブション本人もそれを楽しみ、パンの実験室だと考えているのだろう。

柔軟な発想を持つ一方で、守るべき一線もある。
「フランスパン、特にカンパーニュ、バゲットにはこだわりをお持ちで、絶対譲らない。
きたときは毎日チェックする」

バゲット ロブション プチ(105円)
「味わいの強さと、広がりが同時にある。
一瞬、他のバゲットが置いていかれるほどに」
と、並みいる名店のバゲットと食べ比べたときのメモに私は書いている。
そのインパクトは、もう15年も前、レストラン ジョエル・ロブションで料理の横に置かれたこのパンを食べたときと変わることがない。
二重の衝撃である。
つまり、バターを塗ったかのようにきらめき、ぬめる味わい、ナッツのように硬い皮といった、パン自体に対する衝撃。
これだけ個性の強いパンを食事に合わせ、また合ってしまうということ。
この皮にワインは滲みこむことなく、休まずあふれだす濃厚な風味は、ボルドーのような重い赤とも拮抗する。

「コンセプトや形はロブションさんのオリジナルですが、作り方は金林さん(初代シェフ)のルセット(レシピ)を基本にアレンジしてきました。
最初に食べたときは僕も衝撃を受けましたね。
ロブションさんにプチバゲットの位置づけを聞いたところ、箸休めだと言っていました」

フランスの有名店の名前を冠したパン屋が次々とやってくる。
ときには、度をすぎた商業主義が私を失望させることもある。
ロブションでそうした思いを味わったことは一度もない。
どんな新商品も期待の地平を必ず超えてきた。

「商売として成り立たないといけないけど、そのために変にぶれたくない。
いちばん大事なのは質なのかな。
そこでぶれなければうちのブランドは守られる。
フランスを必要以上に意識しなくてもいいんだと思います。
ロブションさん自身、『これはやっちゃだめ』というのはなく、おもしろいことをやりたがっています」

そしてこの4月、ロブションはヒカリエに進出し大きな話題をさらった。

ヒカリエ(小630円 大1575円)
個性的な酵母の香りと洋酒の香りが危険にからみあい豊潤に立ち上る。
パンの形によく固まったものだと思えるぎりぎりの加水で、切り分けただけで崩壊寸前となる。
歯にからみ、舌に吸い付くようなねっとり感と、マカロナージュ(マカロンのコーティング)した表面のかりかりの対称。
卵色の夜空に浮かぶクランベリー、オレンジピール、ピスタチオが「ヒカリ」を放ち、ありとあらゆる果実とマリアージュを繰り広げる自家製酵母ブリオッシュの奥深さを祝福する。
甘いパンでさえ、作り手の手腕によって、酵母のインパクトが具材をおいしくするのだ。

加熱した報道が、たくさんの人びとに行列を作らせ、売り場からパンが払底した。
それでも、ロブションはロブションでありつづけた。
信じられない数のパンを作りながら、「圧倒的な輝き」は変わらなかったのだ。
山口シェフは、買い物客に迷惑をかけたことは詫びながら、自身の予想をはるかに上回るパニックを乗り切りったスタッフを讃えた。

「みんなよくがんばった。
チームワークで思っていた以上の力を出してくれました」

ハイクオリティをあらゆる人へ届ける。
大行列という目立つ現象の裏で気づきにくいことだが、そこにも山口シェフとロブションの挑戦があった。

(池田浩明)

JR山手線/東急東横線・田園都市線/東京メトロ銀座線・半蔵門線 渋谷駅
03-6434-1901
10:00〜21:00
不定休(ヒカリエに準じる)

JR山手線/東京メトロ日比谷線 渋谷駅
03-5424-1345
9:30〜20:00

#148





にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(応援ありがとうございます)

#148
200(JR山手線) comments(0) trackbacks(0)
ル・ルソール
149軒目(東京の200軒を巡る冒険)

酵母の香りがフェロモンで、小麦の味わいが野生である。
惹きつけられるもの、心に食い込んでくるものとは、単に口当たりのいいものばかりではない。
おいしいを無上のものにする、+αの余剰。
癖、エグみ、個性。
ル・ルソールのバゲット(240円)にはそれがある。
甘さに加えて、野生。
香ばしさに加えて、そそるなにか。
カビを使ったチーズの匂い、ワインの樽の匂いやミネラルの苦み、あるいは果物や野菜における酸味や苦さ。
甘さや香ばしさといったいわゆる「おいしい」は、それとは背中合わせの感覚とセットで現れるとき、さらなる高みへと上昇していく。
少しでもぶれれば不快さへと転落するような「野生」へ踏み込んでいく勇気。
そこから並外れたものだけを持ち帰ってくるセンスが、このバゲットの作り手にはある。
細身で強い皮、次々と波状的に現れ出る、長時間発酵に特有の陽性の甘さ。
そこに複雑さを与え、裏打ちするのは、中身にある微妙に舌をしびれさせる酸味であり、小麦の野性味であり、酵母の生々しさである。
それをおいしさとして認めさせてしまう強気と実力こそ、ル・ルソールを非凡な1軒にしているものだ。

ル・ルソールは、フランスが濃厚に意識されたブーランジュリーだが、使用するのはフランス産小麦ではなく、選び抜いた国産小麦。
無難な甘さを求めてではない。
唯一無二の個性を求めてである。

「国産は癖がない。
裏返せば、おいしくないということ。
国産のいい材料は本当のおいしさを持ってる。
そこを履き違えてる。
なんでもかんでも国産だからいい、というのはレベルが低いと思います」

清水宣光シェフの口ぶりは自信に満ちている。
「バランスの悪いものはおいしくないです。
おいしいものは食べてきてるし、いいお店でしか働いてこなかったので、それはわかってるつもりです。
種の香りが強いのが好きなんで。
種の管理はすごく重要。
ちがうな、というお店はそういうことができてない。
見て、舐めて、触って、嗅いで。
五感で感じるしかない。
ずっとやってればわかるようになってくる」

自家製酵母・長時間発酵という、小麦の味わいを最大限に引き出す製法を採用する。
「自家製酵母を作っても、おいしくないとまったく意味がない。
手間をかける意味がない。
むしろ自己満足のためだけでいえば、大手から出てる酵母液を使えばおいしくなる。
どうやったらおいしくなるのか、わかんないからやるんですけど、まったく見えてない人がやっても、おいしいのはできない」

製法についての考えのベースとなっているのは、メゾン・カイザーのやり方だ。
清水シェフは、20代そこそこでメゾン・カイザーの立ち上げを体験した。
「メゾン・カイザーのいちばんはじめの社員でした。
1号店開店の1週間前まで、木村さん(木村周一郎メゾン・カイザー社長)と2人だけだった。
パンを作る以外のことが見れました。
出社して1日目が、いっしょに物件を探したり。
僕がひとりで試作してデパートに持ってったり。
クロワッサンのルセット(レシピ)はもらってましたが、バゲットはわからない。
1週間前になってやっとカイザーさんがきて、ばたばたと開店した」

はじめてカイザーのパンを食べたとき、どのような印象を受けたか。
「単純においしいと思いました。
すごく革新的。
衝撃を受けたのは、生地を作る工程がいままで習ったのとぜんぜんちがうこと。
日本にいる間は理解できなかった。
わかってるつもりだったんですけど、わかっていなかった。
フランスに行って、フランスの粉で作って、なんでこの製法になるのか、自分の中で理解が変わっていった。
フランスに行って、その製法が生まれた環境が見えてくる。
すべてなるほどなと思いました。
リスドオル(日清製粉のフランスパン専用粉)から作るパンのやり方とはちがう。
日本のやり方は日本の材料に合わせたやり方」

低温長時間発酵の方法は、それまで清水さんが教わってきたストレート法とはまったく異なっていた。
低温下に置くことによって生地の発酵を止め、熟成により旨味成分を増やす。
それは、小麦の野生をそのまま活かすことを重視する、フランス人が生み出した考えだった。
単にレシピを知っているのではなく、パリのメゾン・カイザー本店で揉まれながら、製法が生み出されてくるファンダメンタルな部分、深層を理解した。
それゆえにか、ル・ルソールのパンは、いま多くの店が低温長時間発酵を採用する中で、個性が抜きん出ている。

「フランスにもいいものも悪いものもたくさんある。
ずっと見てると、判断できるようになってくる。
日本で見て、フランスで見て、削ぎ落とされてくる。
フランス人が全員いいわけではない。
だめなフランス人見て、いいフランス人見ると、すごくはっきりする。
本店のシェフは僕より1個上だったが、10人のメンバーのうち、いちばんよく働く。
時間関係なく働いて、常に率先して仕事を見せてくれる。
すごいなと。
日本では信じられない数をこなした。
バゲットを1日2000本、クリスマスは3000本売ってました。
1回に60キロ(約400本)のバゲットを仕込む」

モンジュ通りにあるメゾン・カイザー本店は伝説になるほど多くのバゲットを売る。
「スポーツ感覚ですね。
400本を20分かかんないぐらいで成形できるようになる。
日本で必要な技術ではないけど、そのスピードを求めるのがフランス。
バゲットモルダー(成形する機械)でできた生地がどんどん流れてくる。
ベルトコンベアにのって流れてきて、ぽとんと落ちる。
その流れを止めないで、機械に負けないように。
正直、それができても日本で役に立たない。
日本では丁寧な仕事が求められる。
それがあるから日本に帰ってきました。
ポジションも上がっていくわけですよ。
成形、仕込み、そしてシェフになっていく。
深いところを知ることができたのかもしれないですけど、バゲットがめちゃめちゃ早くできても日本でその技術はいらない」

ベーカーズ・ハイ。
スポーツに没入する人が、何も考えずとも、勝手に体が動いて、いつのまにか時間が過ぎているように、極限を突破した労働は、普通の状態からは想像のつかない快感をもたらすのだろう。
労働の快楽と、フランスの一流店で仕事が務まっているという事実だけで満足できた時期がすぎると、清水さんは帰国を考えるようになった。
日本で自分の店を出す。
そのとき使うべき小麦はフランス産ではなく、国産小麦だった。

「フランスでは、土地のものを使うのが当たり前です。
アルザスでパン屋をやっている友人にどんな小麦を使っているかと訊いたら、『アルゼピ』だっていう。
アルザス産のバゲットの粉をアルゼピというらしい。
それだったら、日本では、日本の粉でバゲットを作ればいい。
ドミニク・サブロンは北海道の粉でバゲットを作っている。
そういうフランス人の考え方を誰かに教えてもらったわけではないけど、向こうの店で働きながらずっと考えていると、感じられる。
地産地消。
ものづくりはそういうふうに成り立っている。
だから、僕は国産小麦を使おう。
フランスでは、僕と同世代の、24,5歳が有名店のシェフだった。
メゾンカイザー本店のシェフも、グルニエ・ア・パンのシェフも、同じ年。
はじめてる年齢が早いから。
フランスの粉を使っても彼らには勝てない。
いいものはフランスで消費される。
材料で負けてもしょうがない。
日本で手に入る材料で、自分なりに感じとったやり方で、表現してやらないと、意味がない。
フランスが好きで、フランス産の材料も嫌いではないが、いいものも悪いものもある。
そういう過程があったので、国産、国産というのは好きではない」

清水シェフにとってのフランスとは、見上げるべき憧れではなく、対峙するライバルだった。
だから、物まねではなく、国産小麦を使った自分だけのパンを作ろうとする。

「北海道産と九州産をブレンドする。
北海道産は甘さが強く出る品種が多く、ボリューム出る品種もある。
国産はボリュームが出ないとか、水が入らないという意見がありますが、昔の考えだと思う。
水を入れれば伸びる(ふくらむ)。
焼き方や、発酵の仕方が悪いと、伸びない。
粉の特徴に合わせた製法をやれば、おいしいものはできる。
製粉会社が出している外国産小麦はパンが作りやすいようにブレンドされている。
だから、パンがうまくできないのを、国産小麦のせいにするのはちがう。
そうではなく、作りたいパンと合っていないだけ。
ふかふかするパンを作りたいのに、ふかふかしないけど味はいい、という国産小麦を使って作ろうとしている。
そういうときは、ふかふかする粉も混ぜて、味は国産小麦から引き出せばいい。
それがブレンド。
国産がパンに向かないというのは、それはちがう」

冒頭に述べた、+αの余剰。
それは北海道産と九州産小麦をブレンドすることからも生まれている。
ふわりとふくらみ、甘さのある北海道産小麦と、「地粉」のイメージがある九州産小麦のハイブリッド。
暴れる野生は紙一重によって「まずい」に転落する。
それを切り捨てるのか、エネルギーへと転化すべく、さらなる試行錯誤を続けるのか。

「はじめはなにも国産小麦のことがわからなかった。
1年目、2年目、手に入るものは使い倒して、3年目までひどかったと思う。
わかんないのに使ってた。
小麦の中でも、いいもの悪いものはあったけど、一概にはいえない。
いい悪いというより、向いてる向いてないだと思う。
自分の経験の中で、この粉はこういうふうに使えたらいいな、というのがあって、その中でのいいもの悪いものであって。
まだ、たどりついてない。
自分の作るパンをおいしいと思わない。
いまある商品、違和感しかない。
決してこれと思う商品はない。
おすすめはありません。
作りたいパンのイメージはあるが製法や材料が追いつかない。
なんとなく頭にあるものができてない」

頭の中のイメージに現実のパンが追いつけない。
私には不思議だった。
食べたことがないほどおいしいパンとは、どのようにイメージするのか。

「ところどころの断片を集めてる。
このパンのこの味はいいなとか、このパンのこの食感はいいなとか。
この味は出したいけど、この食感はいらないとか。
食感ができてても、味はできてなかったり。
同じ工程でもいつもちがうやり方でやる。
同じバゲットでも、今日はどうやって仕込もうか。
ほんの少しの水を、きょうはもうちょっと増やそうか減らそうか、毎日どうしようか、すべてのものに対して考えてやってます。
ルセットはよく変わる。
酵母の状態によっても、粉も変え、水も変えるし、まったく満足しない。
自分が求めてるものだって、毎日変わっていくし。
たとえば、年を取って、やわらかいものが好きになったら、バゲットはもういいとなる。
それはそれでいいと思います」

「お客さんの『おいしかったよ』にも影響されます。
いいお客さんがいれば、自然とお店はおいしくなっていく。
自分がいいものを作れていて、いいお客さんがいれば、自然といい方向にいく。
同じものを作っても、お客さんの声を聞けなくて、いい循環が壊れてしまう店ってあると思います。
お店は変わり続けないといけない。
停滞は許されない。
自己満足を突き詰めてもいいけど、お客さんも自分も満足できたほうが、うれしい」

つまり、ル・ルソールは幸福を目指す。
そんな甘い言葉を、清水シェフが決して使うはずもないけれど。
幸福を望まない人間はいないが、イノベーションを起こすような革新的な職人にとって、それは漠然とした祈りや善意によって到達するものではない。
想像力と、論理と、自分の腕でたぐり寄せるものだ。

生ハム/ルッコラ
軽やかに持ち上げられ、空気を含んだチャバタ。
一転して、味わいは濃厚。
強烈な酵母が日本のやさしい小麦の甘さと出会っている。
塩が、甘さが、オリーブオイルの流れにのって溶けだし、舌に滲みいる。
濃厚なパンは具材を邪魔するのだろうか。
そうではなかった。
ルッコラ、生ハム、パルメザン、バジルオイル。
定番の組み合わせを1回きりの非凡なものに変えているのは、酵母の風味である。
過剰さというミスマッチをマッチさせ、悶えるようなマリアージュの快楽に変えている。
それは、具材とパンに並外れたバランスがあるからだ。(池田浩明)


ル・ルソール 
京王井の頭線 駒場東大前駅
03-3467-1172
目黒区駒場3-11-14明和ビル1F
8:00〜19:00
月曜火曜休み



◆パンラボ単行本発売中
◆6/22(金)大阪スタンダードブックストアにてイベントあり 詳細はこちら

 
(応援ありがとうございます)

#149
- comments(0) trackbacks(0)
Rのフレンチトーストのボディ感
Rは西麻布にあるお店。
こちら(こちらのこと→)でキャベツトーストを紹介したあとも、
ほかのメニューが気になって行ってみた。

フレンチトーストの周りの黄色はレモンの皮で、
食べるとパンからもレモンの果汁がじゅーっと出てくる。
あ、これね。これがフレンチトーストのボディ感てやつね。


お皿をぺろぺろ舐めたくなるほどに、名残惜しい味。
濃い珈琲がよく合った。


最近はこちら(こちらのこと→)を置いてもらうお店を探しに、行商中。
6月頃から恵文社さんのほかに、
百年さんユトレヒトさんRさんでも置いていただけることになりました。
交渉中のお店もあり。

日本国内に限らず、全世界で置いていただけるお店を探しています。
"世界に通用する男"をお探しの方はこちらまでご連絡ください。
(こちらのこと→ panlabo@gmail.com)



パンラボ comments(2) trackbacks(0)
トツゼン ベーカーズ キッチン(大倉山)
147軒目(東京の200軒を巡る冒険)

横浜のベイシェラトンホテルで、パン職人をしていた内山芳雄店長と、PR・マーケティングをしていた岸本拓也社長が出会って、トツゼン ベーカーズ キッチンは生まれた。

「ホテルの経験が長かったので、ホテルのクオリティを持ったパン屋を開きたいと思いました。
ニューヨークのデザイナーズ・ホテルを手本に、内装、接客、商品を考えました。
一方、僕はヨーロッパのパンが好きで、それを目標にずっとパン職人をやってきた。
ニューヨークとヨーロッパをうまく融合させました。
大倉山は高収入世帯が多い土地柄。
オープン当初は、高級感を出すことで成功しました」

あんずデニッシュ(230円)
あんずのコンポートを丸のままごろごろと使用。
噛むとざくりとした歯ごたえとともに、みずみずしい甘みと酸味がほとばしる。
自家製カスタードクリームにアーモンドクリームを重ねることで、濃厚さと、自然な甘さが両方実現されている。
クリームはまたヨーグルトに似た酸味も含んでいて、それゆえに、他の素材によりかからず食べられる完全さがあるし、あんずのコンポートの中の酸味とも呼び合う。
上出来なクリームがよく焼けたデニッシュ生地の上皮の香ばしさと出会う感じは、たしかにホテルのペストリーを思い起こさせる。

内山さんは、一時大倉山を離れ、横浜市青葉台に出した系列店で自分のスタイルを追い求めていた。
その間、トツゼンでは、経営者である岸本さんが、高級路線から離れ、地元密着のパン屋を試行錯誤していた。
内山さんが再び大倉山に戻ってきたところから、新しいトツゼン ベーカーズ キッチンがスタートを切る。

「別の店で離れていたけど、お互いまたパワーアップして、いっしょにやっていこう」

新しい方向性は、高級路線と地元密着路線のハイブリッドだった。
「やり尽くした中で、いまのスタイルができあがった。
本格的なパンを手軽に、気軽に、子供でも、お年寄りでも、みなさんが楽しめるような商品構成。
パン好きの方も、惣菜パンを好むようなご近所の方にもきていただけるような、市場みたいなにぎやかさ」

内山さんは、大手パンメーカーを振り出しに、リテールベーカリーのチェーン、そしてホテルとさまざまな職場を経験した。
引き出しの豊富さはパン作りに活かされる。

「天然酵母はライ麦から起こして、全粒粉で継いでいます。
ライ麦独自の香りのよさ、全粒粉の雑穀のような味わい。
ライ麦の酵母のいいところ、全粒粉の酵母のいいところ両方出したい。
味が一直線じゃなくて、いろいろ広がる。
ライ麦の香りだけでなく、そこに全粒粉がうまく入り込むことで、やわらかいすっぱさになったり、噛みしめているうちにいろいろな味がでてくるようになります」

ノアレザン(1/2 480円)
自家製酵母生地の味わいにあたたかさがあり、豊かでありながら、飛び跳ねていない。
節度ある濃厚さゆえに、レーズンとクルミを受け止め、バランスを保つ。
レーズンの酸味がパンの皮にある甘みとの間でマリアージュが生まれ、甘美である。
一方、中身の甘さは時間ごとに膨らんで、波状的に押し寄せる感じがあって、次々と破砕し飛散するレーズンとくるみの味わいと混ざりあいながら、味わいを刻々と変化させていく。

(岸本拓也社長)

「小麦にもこだわっていて、ぜんぶで17種類使っています。
バゲットにはそのうちフランス産小麦を4種類。
味が増すような石臼挽きの小麦だったり、奥行きがある粉だったり。
産地まではわかりませんが、いろんなメーカーさんから出てるフランス産小麦を取り寄せて、試行錯誤する。
粉もいつも同じ状態ではないので、イメージ通りの味を出すために、季節によって、銘柄を変えたり、配合の割合を変えたりします」

ひとつの粉、ひとつの酵母を突き詰めて、純粋さを追い求めるパンがある一方で、あるものとあるものを融合させるやり方のパンもある。
トツゼンのあり方は後者。
それは材料や製法に限らない。
パン職人と経営者である2人の融合でもあり、アメリカとヨーロッパ、高級と庶民的、ホテルスタイルと街場のパン屋さんの融合でもある。

「いままで勤めてきた職場によってぜんぶ環境がちがっていた。
それによって、つらいこともあるが、逆境に強くなりました。
ただ作るのがうまいとか、それだけでパン職人はできない。
芯が強くないと。
『逃げ』ができる強さ。
ホテルだけの見方だと、街場のパン屋さんのようなパンを作りたくないという頑固なイメージに凝り固まってしまう。
そうでなく、本物指向のパンでありながら、技術的にむずかしくないやり方も取り入れる逃げも持つ。
ぜんぶ本物志向だと行き詰まる」

かつては、入るのに躊躇するようなスタイリッシュさを持った店だったトツゼンだが、逃げや隙を持つことで、誰にも買いやすく、愛されるパン屋へと生まれ変わった。

クリームチーズレーズン(180円)
生地にある、やわらかくて、ほんのちょっとぷりんとした食感。
ヨーグルトに似た甘ずっぱい発酵の香りを少し残して、レーズンの酸味とも合っている。
突如、中から出現する白い壁。
あんこのように包み込まれた大量のクリームチーズが、パンの味わいをすべて白く塗りこめ、かき消すようでありながら、溶けていくにつて、ふたたび戻ってくる生地の中のヨーグルト風味とすばらしい相性を見せる。
その一瞬がこよなく心地いい。

(池田浩明)

東急東横線 大倉山駅
045-548-0568
7:30〜19:00
月曜休み




にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(応援ありがとうございます)

#147
200(東急東横線) comments(2) trackbacks(0)
ル・アーヴルの靴みがきと

アキ・カウリスマキのル・アーヴルの靴みがきを観た。

北フランスのル・アーヴルという港町を舞台にしたアキ・カウリスマキらしいスリリングさいっぱいの(なんせ脱出劇ですから。独特なリズムの脱出劇)、アキ・カウリスマキらしい浸透力あふれる映画だった。

浸透力とか書くと誤解されるかもしれないけど、
何年かに1回、映画館に行って、沁みこませたくなるのですよ。
じんわりとカウリスマキという液体に。
身体の、どこかを。

漬かるというより、沁み込ませる感じ。

で、行ってみて、今回も十分沁み込まれてきた。

うむ。これで4年くらいは大丈夫だ。

(映画のスジだとか感想だとかは公式サイトや感想系のサイトでお願いします)


気になったのはバーのママが主人公の初老の男性に言う
「あんたにはもったいない女房だよ」というセリフ。

自分はフランス語がわからないので字幕に頼るしかないんだけど、
ほんとうにそんなことを言ってるのだろうか?とても気になった。

直訳ではなくて意訳だろうけど、意訳にしたって、もったいないなんて…

だって、「もったいない女房」ってすごく落語的じゃありませんか?
落語じゃなくても言うんだろうけど、自分には古今亭志ん生が酔っぱらって、
「おれにはもったいねぇ女房だよ」って喋るイメージがあって(替わり目とか)、どうしても日本的ニュアンスで感じてしまうのですよ。
フランス人もそういう「もったいない女房」なニュアンスをお持ちなんだろうか?
(監督はフィンランド人だけど、舞台はフランス。登場人物も基本はフランス人設定)


で、パンの話です(だから書いてるわけですが)

映画の中で主人公がなじみのパン屋からバゲットを一本ちょろまかすシーン(一方的なツケ)があるんだけど、
そのバゲットの長いこと(焼き色もイメージより浅かった)。

ひょろひょろひょろって。
まっすぐな日本刀くらい長い(サーベルって言ったほうが的確か?)

これもパンラボの影響かな?
今までなら素通りしてたはずのシーン(バゲットの長さ)が気になってしまったのでした。

しかも随所にバゲットが出てくる。

ちょろまかしたバゲットにカマンベールチーズを塗って食べる夕食(メイン後のデザートとして。パンをちょろまかすような質素な生活なのに、メイン後にバゲットにチーズを塗り、ワインで流す生活!)。
翌日あまったバゲットに何かを挟んで弁当にする。
ちょろまかした長いバゲットが大活躍!

話のメタファーとしてバゲットを使用したとは特に思えない。ただただ主人公の生活感を伝える役回りとしてひっそりと活躍してただけ。

だけど、1回気になっちゃうと目は向かってしまうもの。

だから必然的にこうなった。

120525_1314~010001.jpg

120525_1332~020001.jpg

ブルースリーの映画を観て、ブルース・リーになって出てくる。
松田優作の映画を観て、松田優作になって出てくる。
バッファロー66を観て、おしっこを我慢するときにギャロが出てくる。
憑依!

ミーハーの自分は当然、すぐさま憑依!だからバゲット&カマンベール。うほ。


新宿武蔵野館を出て、
プチメックに行って、バゲットをちゃんと買って、
伊勢丹に行って、カマンベールを半分カットで買って………。

主人公よろしくカマンベールを塗りたくって、パクリ。ぬひょ!
ああああワインを忘れた!
絶対いるね。ワインが。
そういえばバゲット同様、ワインも随所に登場してたなぁ。
みんな昼間っからワインを飲みまくってたもんなぁ〜。

うむ。浸透力あるわ、やっぱり。アキ・カウは。
なぜって、自分、チーズは好きだけど、カマンベールは苦手ですからね。
6PチーズもQBBチーズも十勝スライスチーズもモンドールも好きなのに、
カマンベールは苦手ですからね。

そんな自分に躊躇なくカマンベールを選ばせた!


バゲット持参の方、200円割引。
日本ではこの手の映画でモノは食べにくい。だからバゲット割引などないけど、バゲットをかじりながら、観てみたいとちょっとだけ思った。ちょっとだけね。


かしわで



パン・トリップ comments(8) trackbacks(0)
パンの漫画41 『角食』





 



パンの漫画1 『パンと金持ち』
パンの漫画2 『クロワッサン』
パンの漫画3 『朝にパン』
パンの漫画4 『こがす』
パンの漫画5 『ガレット』
パンの漫画6 『罪悪感』
パンの漫画7 『ながら食べ』
パンの漫画8 『買いすぎる』
パンの漫画9 『先祖とフォカッチャ』
パンの漫画10 『VIRONで朝食1』
パンの漫画11 『VIRONで朝食2』
パンの漫画12 『こんがり』
パンの漫画13 『緊張』
パンの漫画14 『花巻』
パンの漫画15 『禁止令』
パンの漫画16 『シベリア』
パンの漫画17 『風紀』
パンの漫画18 『張り込み』
パンの漫画19 『タイミング』
パンの漫画20 『パン』
パンの漫画21 『張り込み2』
パンの漫画22 『太田原くん』
パンの漫画23 『映画館』
パンの漫画24 『見栄』
パンの漫画25 『公開パンラボ』
パンの漫画26 『話し』
パンの漫画27 『護送』
パンの漫画28 『漫画家フード』
パンの漫画29 『発売します』
パンの漫画30 『無題』
パンの漫画31 『張り込み』

パンの漫画32 『あるパン屋にまつわる物語』
パンの漫画33 『喫茶店』

パンの漫画34 『ハニートースト』
パンの漫画35 『3色パン』

パンの漫画36 『グルテン』

パンの漫画37 『新築祝い』
パンの漫画38 『お土産』

パンの漫画39 『朝の散歩』

パンの漫画40 『片思い』




漫画:
堀道広




にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(耳かき仕事人サミュエルの増刷感)
パンの漫画 comments(0) trackbacks(0)
パンの漫画40 『片思い』










パンの漫画1 『パンと金持ち』
パンの漫画2 『クロワッサン』
パンの漫画3 『朝にパン』
パンの漫画4 『こがす』
パンの漫画5 『ガレット』
パンの漫画6 『罪悪感』
パンの漫画7 『ながら食べ』
パンの漫画8 『買いすぎる』
パンの漫画9 『先祖とフォカッチャ』
パンの漫画10 『VIRONで朝食1』
パンの漫画11 『VIRONで朝食2』
パンの漫画12 『こんがり』
パンの漫画13 『緊張』
パンの漫画14 『花巻』
パンの漫画15 『禁止令』
パンの漫画16 『シベリア』
パンの漫画17 『風紀』
パンの漫画18 『張り込み』
パンの漫画19 『タイミング』
パンの漫画20 『パン』
パンの漫画21 『張り込み2』
パンの漫画22 『太田原くん』
パンの漫画23 『映画館』
パンの漫画24 『見栄』
パンの漫画25 『公開パンラボ』
パンの漫画26 『話し』
パンの漫画27 『護送』
パンの漫画28 『漫画家フード』
パンの漫画29 『発売します』
パンの漫画30 『無題』
パンの漫画31 『張り込み』

パンの漫画32 『あるパン屋にまつわる物語』
パンの漫画33 『喫茶店』

パンの漫画34 『ハニートースト』
パンの漫画35 『3色パン』

パンの漫画36 『グルテン』

パンの漫画37 『新築祝い』
パンの漫画38 『お土産』

パンの漫画39 『朝の散歩』



漫画:堀道広




にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(耳かき仕事人サミュエルの増刷感)
パンの漫画 comments(2) trackbacks(0)
サイタマノラッパン

1.jpgサイタマもラップも関係ないようでいて、
紀ノ國屋からレペゼンしてみるイングリッシュマフィン。

Pascoのイングリッシュマフィンに慣れすぎた身体を
紀ノ國屋のイングリッシュマフィンでティキティキティキティキ…。


4.jpgふっくら。
Pascoのイングリッシュマフィンにある外周割れ目ガイドライン、こちらは無し。


5.jpgナイフではなく、手やフォークで割るのが本場流。(本場ってアメリカ? イギリス?)
フォークで外周を一周してガイドラインを自作してから手で割る。


7.jpgフォークを刺している段階では心もとないが、
最後手で開く段になると実はガイドラインがあったのかと思うほどパカッと割れる。
Pascoより気泡が多いのかな。


8.jpg焼くと内部の凹凸がよくワカル! 焼け目のばらつきが食感に差をアタエル!

(ヘイカモーン)


2.jpg紀ノ国屋スーパーあまり来ないので、ジャムを買ってみた。

果実含有率70%で糖分が低めというプライスカードの説明に惹かれて


6.jpgバターを塗らずに食べてミル。
次にジャムだけ塗って食べてミル。生地の味がよくワカル。

(プチャヘンザー!)

Pascoのではないイングリッシュマフィンを食べている、ということだけがよくワカル。
(初めて泊まった宿で目が覚めた時とりあえず「家じゃない…」と思う感覚と近い)


3.jpgドイツパンの種類が豊富だから、つい他のパンも多く買ってしまうネ。
シュロットシンケンブロートはツナのディップ(マヨネーズと粒マスタード)をつけて。
2枚食べたけど、2枚余ってイル。

(ワックワック)


【D】



パンラボ単行本の増刷感が異常(増刷感?)

にほんブログ村 グルメブログ パン(グルメ)へ panlaboをフォローしましょう
(ダルボ!!)
パンラボ comments(1) trackbacks(0)
小舟に揺られて
ベトナムの首都ハノイから南へ65キロ/ミニバスで2時間。
その後手こぎの小舟に乗り換えた。
ここでは手こぎの小舟が標準で、
稀に「スーパージェット」とも言えるモーターボートが走っていた。
ゆるやかに流れる川を1時間。
ようやく船着き場に到着。

小雨が降る中(とっても寒かった)向かった先にあったのは、
オープンエアーのパン屋さん。
ガレージのようなパン屋さんで、オーブンの熱源は薪/そのまんまの木。
オーブンの下部で薪を焚いて、その熱でパンを焼いている。
パン作りはそのオーブンのまわりで行われているようだった。



焼かれているパンは一種類。
フランスパンのクッペのみ。
ここでこのパンを買うためにはるばるここまでやって来た。
な〜んてね。
ハノイから香寺/パフュームパゴダの一日ツアーで出会ったパン屋さん。
小舟を降りて、パゴダの参道へ行くまでの数百メートルの間にあった。
あんな風に外にオーブンが置いてパンを焼いているのは生まれてはじめて見た。

またいつかじっくり見学に行きたいが、ハノイから3時間以上。。。
遠すぎる。。。

             ◎ ○ ◎ まさこぱん ◎ ○ ◎

渡邉政子さん comments(2) trackbacks(0)
| 1/3 | >>