パンの研究所「パンラボ」。
painlabo.com
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
台風26号による「希望のりんご」落下の顛末をご報告します。
先日の台風26号によって陸前高田市米崎町のりんごにも大きな被害が出た。
「希望のりんご」の作り手である金野秀一さんの畑にあった、ジョナゴールドの「8割〜9割」が落下した。
金野さんはもう60を過ぎた人だが、これだけの大きな被害に遭うのははじめてとのこと。
津波から立ち上がろうとする矢先に訪れた、数十年に一度の災厄。
「今年はりんごを作るのはあきらめた」と言っている農家さえあるとのこと。
1年をかけて育てた作物が台無しになるのだから、その無念は察するにあまりある。

強風は枝を揺らし、りんごの実に陽をあてるため葉っぱを取り去っているために、りんごと枝がぶつかり、擦れあって、傷がつく。
そして落下して、打ち傷を負う。
収穫まであと1〜2週というところ。
それまで気温が高かったために、今年は赤く熟すのが遅かった。
がために、青いまま、未熟の状態で落ちた。
もはや商品価値はない。
「ユンボ(パワーショベル)を借りてきて穴を掘って埋める」とまで、金野さんは言っていたが、ジュース用としてすべて農協に引き取られることになった(価格はほとんどつかないとのこと)。
傷がついていて、悪くなりやすいので、一刻も早く決断しなくてはならなかったのだ。

それが10月17日のことだった。
先日の記事でお伝えしたように、10月18日には京都でのチャリティ講習会で、山崎豊シェフにりんごを使っていただいた。
みなさんたいへん共感していただき、何人もの方に「ぜひ買いたい」と言ってもらった。
だが、熟していないりんごはおいしく食べられないという判断で、お売りするのを泣く泣く断念したのだった。

翌日、東京に帰ると、ラ・テール洋菓子店の中村逸平グランシェフから電話があった。
「おいしくできましたよ」
金野さんから試験的に送られてきた青いりんごを調理してみると、とてもおいしかったと。
熟していないためにかえって、調理に向くと言われる紅玉以上に、身は硬くてしゃきしゃきと食感が楽しく、熱を加えて甘さが増すと、酸味も鮮やかなアクセントとなる。
捨てようとしていたりんごが、こんなにうつくしいタルト・オ・ポムに変貌しようとは。
中村シェフのレシピは以下のようだ。
1バターでソテー。このとき荷崩れしないよう、砂糖はまだ入れない。
2カルヴァドス(りんご酒)などでフランベ(火をつける)。
3ボウルなどに取り上げ、砂糖をまぶす。

いまならまだ間に合う。
ジュースになる前に、調理用として、買ってくれる人を探そう。
まず、ラ・テール洋菓子店のある三軒茶屋周辺のパン屋さんに思い至った。
シニフィアン・シニフィエ、ブーランジュリー ボネダンヌ、ブーランジェリー ボヌール。
それから、twitterで募集を呟いてみたところ、700人もの方にリツイートいただいたのだった。
こんなにたくさんの人が陸前高田のことを気にかけてくれている。
その気持ちをぜひ農家さんに伝えなくてはならないと思う。
販売の受け皿ができていないため、残念ながら、多くの人の手にりんごが渡ったとはいいづらいが、みなさんのご協力で400キロものりんごを、お送りすることができた。
ご協力いただいた方に心からのお礼を言いたい。

世田谷の三宿に今年の7月に開店したばかりのブーランジュリー ボネダンヌ。
元パン・オ・フウの荻原浩さんがオープンした店だ。 
「希望のりんご」をタルト・オ・ポムに仕上げていただいた。
薔薇の花びらのようにりんごの果肉が配されている。
重く、分厚く。
何枚ものりんごの層を噛み破るさっくり感、パイが割れるざくざく感。
りんごの果汁が滴り、素材そのものの酸味がフレッシュに広がり、パイの甘さとのあいだで、痛烈なマリアージュが生まれた。

茗荷谷のマールツァイトでもアップルパイにしていただいた。
やさしい甘さ、小麦の風あいを活かしたパイ生地はいかにも、この自家製酵母の店らしいものだった。

三軒茶屋のブーランジェリーボヌールは「米崎リンゴデニッシュ」。
上記した中村シェフのレシピでソテーしたりんごにカスタードを合わせデニッシュにのせたもの。
同じく、三軒茶屋のレ・サンクサンスでは、タルトタタン、タルトレット・オ・ポムを作っていただいた。

また、シニフィアン・シニフィエでも「希望のりんご」の商品が近々登場する予定である。

関西では、千林大宮のグロワールにも現在お作りいただいている。
りんごとルバーブのコンフィチュールを持ったデニッシュは、鮮やかな酸味を想像させてくれる組み合わせ。
りんごの天然酵母パンにはりんごのレーズンとアーモンドが練りこまれている。

これらうつくしいりんごのお菓子たち。
すべては、廃棄物同然に扱われていたものなのだ。
当然、台風がこなくても、落下するりんごは毎年出る。
これを加工用として販売することができれば、無から有が生まれ、復興のための大きな希望となるはずだ。

中村逸平シェフは自分の作ったりんごのタルトを金野秀一さんに送った。
自分が泣く泣く廃棄しようとしていたりんごがこんなにおいしいお菓子に生まれ変わった。
金野さんは中村さんにお礼の電話をかけ、2人でともに涙したそうである。
「みなさんのあたたかい気持ちがうれしくて、泣いてしまいました」

11月15日、陸前高田「以心伝心バスツアー」の再募集を行う。
台風の片付けも終わり、当初の予定通り行えることになった。
バーベキュー、8種類のりんごのテイスティング、葉摘みや植樹の体験。
元気な顔を見せ、農家さんを少しでも励ましたいと思うばかりである。

主な旅程(予定)
11月15日 23時 東京駅前集合
11月16日 7時 陸前高田着
               8時 市内見学
               10時半 バーベキュー
               14時 りんご農作業体験&試食ワークショップ
               16時 作業終了し、民宿吉田へ。
11月17日  9時 りんご植樹作業
       11時 作業終了、昼食、米崎町婦人会祭り見学。
     13時 帰路出発
     20時 東京駅着(道路状況で遅くなる場合あり)

ツアー料金23,000円 (往復バス代、宿泊代、イベント経費、食事代込み)
※ツアー実施前にお振込みいただきます。
その他費用、飲み物代は各自ご負担ください。
※本ツアーは営利目的ではなく、料金はすべて運営経費に使われ、すべての参加者が平等に負担します。
※募集定員 10名

■ツアー概要(PDFファイル) 

■お申し込みフォーム  


※ツアーに関するお問い合わせはこちらまで
icdctour(@)gmail.com
(ツアー事務局)
*メールをするときは()を外してください

主催・パンラボ池田浩明、こんがりパンだ パンクラブ
共催・ラブギャザリング
- comments(2) trackbacks(0)
ラルカンシェル(尾山台)
190軒目(東京の200軒を巡る冒険)

ミシュランひとつ星のイタリアン、リストランテ・ホンダが、世田谷・尾山台にパンとケーキの店を出している。
小さいながら、裏通りでひときわ輝く、うつくしい店。
最初に目に飛び込んでくるのはきらびやかなケーキの数々。
それと拮抗するように、端正な姿をしたパンが並ぶ。
パンとケーキ、それぞれのシェフが、ハイレベルで相争っているように見える。

宇野幸二さんは、前任者に次ぐ2代目のシェフである。
「開店して約2年になります。
コンセプトは、レストランに出てるパンやケーキを身近で食べてもらいたいということ。
レストランにはないパンも、ホンダ流にアレンジしています」

料理人である本多哲也オーナーとの共同作業で生まれる。
「試作したものはオーナーがぜんぶ食べています。
オーナーの個性も出したいので、調整が入ることもあります。
本多がデザインも考えたり。
特に惣菜系は味を見てもらって、工夫していることが多いですね」

ハード系の食事パンは、レストランと同じものが並んでいる。
「レストランで使っているバゲットはトラディションという長時間発酵のものです。
オーナーの本多は、癖のあるものがほしいと言っています。
パン・ケーキは、普通じゃおもしろくない。
パンに個性があっても、『それに負けない料理を作ればいい』と」

料理人の多くはパンに目立たない役割を求める。
スタンダードで、料理を殺さない、主張のないものをと。
まったく逆の本多さんの考えをおもしろいと思った。
食卓に自由が召還される。
料理とパンはお互いをライバルとみなすことで、熱をはらみ、響宴と化すだろう。

宇野さんは、大阪の「パン工房 麦」で修行をしたのち上京し、ブーランジェリー ラ・テールの厨房に入った。

パン工房 麦は、原材料はシンプルにして、発酵のタイミングを重視していました。
発酵具合とか細かい部分に気を使うと、職人的な感覚になってくる。
そこが自分の原点にもなっています。
東京にきたのは、いまどういうパンが作られているのか、もっと知ってみたいと思ったから。
こっちのほうが関西よりも理論的ですね。
ラ・テールでは素材を重視することなど、勉強になりました。
特に国産小麦のパンについては(ラ・テール前シェフの)栄徳さんのすごさを感じましたね」

北海道、東北、九州。
ラ・テールは各地で作られた地粉を集め、生産者の思いを受け、それぞれの個性を表現する。
現在はブラフベーカリーで北海道産小麦のパンを展開する栄徳剛シェフは理論派の、内麦の使い手。
ラ・テールで学んだそうした方法論を、宇野シェフはラルカンシェルに持ち込もうとしている。

国産小麦の食パン(金・土・日限定)
タンパク量の多い超強力小麦であるゆめちからをメインにした食パン。
8枚切りにしてくださいと頼んだら、できませんと言われた。
スライサーでも切れないほどの、驚異的なしなやかさ。
しっとりして、ねまらかで、独特にくねくねする。
国産小麦らしい、もちっとさ。
それは一瞬であり、さっと気持ちいい歯切れとなり、しゅわっと溶ける。
さっぱりした甘さがすばやく広がって、軽やかな発酵の香りも同時に鼻へ抜ける。
砂糖はわずかしか入れてないとのことで、これは小麦自体の甘さである。
しかもすばらしいのは、微妙で失われやすい、麦の中の穀物的な味わいが甘さにまぎれずに、きちんと残っていることだ。
もちもち感、歯に粘る感覚は、それと通じあって、もちのおいしさの記憶を呼び起こす。
日本人のための、新たな国産小麦の食パンの到達点。

「ゆめちからを食パンで使っています。
外国産の小麦ならおいしいの食パンはできますが、国産ではなかなか見当たらなかった。
ここ2、3年でゆめちからが出回ってきた。
味が薄いのできたほなみとのブレンドを使っています」

バゲット・トロン(231円)
香ばしさのようで甘さ、甘さのようで酸味、酸味のようで塩気。
このめくるめく感覚は塩気がキーとなっているように思われた。
わずかに配合されたライ麦と全粒粉が味わいにもうひと押しのインパクトを加えている。
自家製酵母らしい濃密さ、自家製酵母らしからぬ軽やかさ。
その印象は食感からやってくる。
ゴーフルのようなぱりぱりした皮。
その下の中身はもっちりとしてしっとりと濡れ、ふたつが相まって食感の快楽を生み出す。

甘さと酸味がめまぐるしく移り変わるような独特の味わいは、以下のような手法で作られている。
「3種類の酵母を使っています。
ルヴァン種、ビール種、ルヴァンマシーンで作ってるルヴァンリキッド。
メインとなるのが液体(リキッド)。
わざとあまり発酵させず、酸味を抑えて粉の味が出るようにしています。
ビール種は癖のある味、ルヴァン種は酸味があるので、酸味をきかせる効果を狙っています」
つまり、発酵用のルヴァンリキッドに、味付け用としてビール種、ルヴァン種を加えている。

パン・オ・ショコラ(190円)
よく乾き硬さもあるウェルメイドな皮は細かく割れて、しゃりしゃりという食感になる。
しっかりと焼かれて火が入っているせいで、奥のほうまで茶色く皮化している。
それが空手の瓦割りみたいに、少し噛むと連鎖的にぱりぱりと何枚も割れて、派手な破裂音を響かせる。
発酵バターのいい香り、それにつづいて、ヴァローナのチョコレートの愉悦が加わり、マリアージュになっていく。
軽やかかつ深みのあるカカオの風味、バターが引き起こすオイリーな変化は、ごく自然に身をまかせられる。

パン・オ・ショコラの見事なクロワッサン生地はどのように作られるのか。
「皮がめくれる感じにヴォリュームが出て、ふわっとしてばりばりしてる感じが出したい。
そのために粉はリスドオルとレジャンデール(ともに日清製粉)をブレンドしています。
レジャンデールで皮の表面の粉の味をしっかり出して、ボリュームはリスドオルで補う。
バターの味を出すのが苦労しますね。
たくさんバターが入っているという配合ではなく、きれいに折ること、発酵の温度帯、タイミングに気を使うことで、いい香りのクロワッサン生地ができあがります」

どのパンを食べても食感がいい。
「いい」というのはただうまくできているだけではない。
キャラ立ちしたオンリーワンの食感がきちんと表現されていることでもある。
「食感を大事にしているのは、本多オーナーの意向があります。
こだわってるところですね」

惣菜パン、菓子パン系もすばらしく充実している。
フィリングに本多オーナーの技術とセンスが活かされているからだろう。

カレーパン
焼きカレーパンかと思うほど、油滲みがなく、さっぱりとして、コクのある甘さは表面に集中している。
かりかりであり、かつカレー味を中和する小麦の白さもある。
フィリングの衝撃的な甘み、うまみ。
かと思えば、星がまたたくように、ぴりぴりの数が口の中で漸増していき、やがて口から喉にかけて占領してしまう。
ビーフのダシが溶けこんでコクがあり、フルーティでも、野菜の甘さでもあって、そこへさらに生地の甘さが積み重なって、どんどん豊かに育って、狂おしいほど広がり、どこまでも押し寄せてくる。

料理人のセンスとハイレベルなパン。
両者が競争し、せめぎあうという、レストランのテーブルで起こっていることを、たった1個のパンでお試しできる。
それが、ラルカンシェルを魅力的にしているものだ。

「お客さんに食べてもらうことをいつも考えていますね。
お客さんがなにを求めているか。
お客さんになにを自分が伝えたいか。
時代のなにが流行りかはいつも考えています。
料理関係の情報をオーナーが話してくれる。
それをパンに取り入れることができるのも、この店の強みだと思います」

東急大井町線 尾山台駅
03-6809-7245
9:00〜20:00(月曜、第2・4火曜休み)

200(東急大井町線) comments(0) trackbacks(0)
震災復興 チャリティ製パン講習会 in京都
山崎豊シェフ(元ジェラール・ミュロ)、ホテルグランヴィア京都の齊藤康憲ベーカリーシェフ、井上克哉シェフ(ブーランジュリー オーヴェルニュ)、伊原靖友シェフ(Zopf)(写真右から)による「チャリティ製パン講習会」。
10月18日、製菓製パンの材料業者である「京都麻袋」の講習会場「おかげの間」で行われた。
収益はあしなが育英会を通じて東日本大震災の被災者のために役立てられる。

震災直後からはじまって今回で7回目。
山崎さんがこの活動をはじめたきっかけはどういうものか。
「地震があった日、東京駅で電車が止まって家に帰れなくなって、ひと晩ずっと考えました。
自分のできることはなんだろう。
僕ができるのは、講習会を開いてお金を被災地に送ることではないかと思った。
だけど、ひとりでは広がらない。
Zopfの伊原さん、オーヴェルニュの井上さんに相談したら、快くいいですよいと言ってくれた。
nippn(日本製粉)さんにも相談したら、ご協力させていただきますと言ってもらいました」

山崎豊さんは、ブルディガラのシェフなどを歴任し、日本のフランスパンの進化に大きな役割を果たした名シェフ。
どんなバゲットを作るのか、私は大きな期待を込めて見守った。
今回は、nippnのメルベイユ(フランス産小麦)、Fナポレオン(フランスパン専用粉)をハーフ&ハーフで材料とし、ミキサーを使わず手でこねる。

ボウルに水を張り、粉とイースト、塩を合わせ、かきまぜる。
「粉はふるってから使ってください。
吸水量が上がります。
粉と粉の間に空気があって、水も入りやすくなるし、いい状態になります」
生地中の酸素が増えることで、酵母が増殖しやすく、ボリュームも出るという。

「生地を叩くことはしません。
混ぜたら終わりです」
本当に軽く合わせただけ、これで本当にパンになるのかと心配になるほど。
「あとは、気持ちを入れていただければ、パンはできる。
みなさん念じてください(笑)」

「まだぼそぼそです。
この状態を見ておいてください。
ここからパンチでつないでいきます」
パンチ(ガスを抜き、折り畳む工程)によって、生地を作っていく。
レシピによるとフロアタイム(1次発酵)は「60分パンチ60分パンチ60分パンチ」。

1時間が経過したあと生地はこのようになった(写真参照)
「1時間でここまでつながります」

分割のとき、成形のときには、このような注意があった。
「力の弱い生地なのでガスをしっかり抜いてください。
いじめるとのびるんで」

できあがったバゲットは、ばりばりと音を立てて崩れた。
皮と中身のほどよいバランス。
中身のおだやかな甘さと、後味にうっすらとミネラル感、穀物的なうまみ。
山崎さんの手にかかると、本格的なバゲットが、いとも簡単にできあがるのは不思議だ。

伊原シェフが作る「手まぜフォカッチャ」。
「フォカッチャは、普通中力粉で作りますが、今日は強力粉でやりたいと思います。
よく山崎さんが、実験として、薄力粉でバゲットを作ったりしていますが、それを見てやってみようと思いました。
このパンにはこの粉という先入観を持たずに。
強力粉で作ると、もちもち感が強くておいしいフォカッチャができます。
なぜ今日はこれでやるのかというと、ミキシングの話をするための、題材として選びました」

伊原シェフは、オートリーズ(小麦粉を水と合わせたあと休ませる時間のこと)の重要性を力説する。
ミキシングにおいては、低速・中速・高速といった速さや強度が考慮される。
実は、本当に重要なのは「時間」ではないかと。

「家庭製パンの人を教えるようになって思ったのが、こねるのがうまくなればなるほど、パンのボリュームが減ってきちゃうってこと。
こねるのが速くできるようになるから、こねる回数が同じでも全体の時間が短くなってしまうんですね。
それを見て、こねる回数もそうだけど、時間も大事だと思うようになってきた。
たとえば、50回ミキサーが回転するとしますよね。
10分間で50回なのか、1分間で50回なのか、大きくちがう。
それは強さもあるけど、オートリーズがどれぐらい効いてくるのかのちがいでもあります。
小麦粉と水が合わさることで、グルテンが裂けて、細かくなっていく。
細くなったグルテンの束を絡めたほうが、グルテンが太いまま絡めるより、細かい気泡を包める。
ロープで布を作るのか、細い糸で布を作るのかのちがいと同じ。
だから、15分ミキシングかけますよというときに、途中で5分、10分止めてあげると、それだけで、食感がやわらかくなり、ボリュームが出る。
グルテンが細く分かれて、それからミキシングをかけていくのか、そうじゃないのか。
からませるというイメージを持ったほうがいいです。
細かくしてからからませるのか、太いままからませるのか。
今日使ってるのは強力粉なので、すでにグルテンはたっぷりある。
練ることで、グルテンを量的に増やすというイメージは持たなくていいと思います。
しっかりからませて、それを利用する」

グルテンの束を絡ませて、そこに空気を抱き込むイメージで作られたフォカッチャ。
ボリュームが出ていて、とても背が高い。
ふわふわとして、かつ、ぶりっとした歯ごたえも楽しめる。
食パンとフォカッチャのいいとこ取りだから、食パンが好きな人も、本場っぽいパンが好きな人も好きになるだろう。
オイルと粒、ツープラトンであふれでるオリーブの香り。
表面の甘さ、香ばしさと相まって、とても力強い。

「クローネ」(ブリオッシュ生地の中にドライフルーツを練りこんだもの)のドーナツ型は、肘を使って作る。
「内側に引っ張られるので皮が切れずに残ります。
綿棒だとぷつっと切れる」

受講者も成形に参加。
自分の成形したものを指差し、「丸めがきちんとできていると、こんなふうに皮が張るでしょ」と説明。

井上シェフは「マニトバブレッド」という名の食パン生地を披露。
「マニトバはカナダにある州の名前で、小麦の産地として有名なところです。
このパンはカナダ小麦コンテストの食パン部門でグランプリを取りました。
ポーリッシュを使って、極力リーン(副材料を入れない)にして、フランスパンみたいな配合にしています。
ショートニングを入れるのは、窯伸びさせる(ボリュームを出す)ためですが、(バターなど他の油脂に比べて)香りがないので、小麦の風味を邪魔しないと考えました」

ポーリッシュ(前日に水気の多い種を作る製法)を使って、しっとりの食感と、小麦の味わい深さを両立させる。
「ポーリッシュはnippnのフランスパン専用粉ジェニーを使います。
灰分が高いので味がある粉です。
本ごねでは、nippnの超強力粉ゴールデンヨット。
これぐらいタンパクの多い粉を使わないと窯伸びしない」

同じ生地で、型に入れた食パン、そして、型に入れずフランスパンのように直焼きする「塩パン」を作った。
「塩パンは3年ぐらい前に関東で流行ったもの。
スリッパ型に成形して、指で穴を空けて、塩をふって焼きます。
270〜260℃の高温に上がったところで一気に焼いて、5、6分で出すので、やわらかくてふわふわしています。
日本人の好きな感じのパン」

ふわふわっとしているのに、しめっていて、中心がもっちりしているので、噛む瞬間に粘って、歯にくっつくほど。
しなやかさもあり、しゃきしゃきとした音が聞こえる。
いかにも北米産らしい風味が濃厚に漂って、口の中で渦巻く。
振りまかれた塩とオイルをランダムに感じ、それらが舌に触れるたび甘さが激しい強度へと振り切れる。

ブレッツェルの成形を井上シェフが実演。
空中でくるくるっと巻く、鮮やかな手つき。

「チャリティ製パン講習会」では、毎回若手シェフが講師となる。
今回はホテルグランヴィア京都の齊藤シェフが登場、「栗のカンパーニュ」を作った。
カンパーニュと名はつけど、油脂が入り、やわらかい。
ホテルのパンらしい、食べやすさとリッチさ、洗練を兼ね備えたパン。

「栗にはミルク味を合わせるとおいしい。
脱脂粉乳と生クリームを入れることで、生地がやわらかく、甘くなる。
両方作ってみて、栗粉だけよりもいいと思いました。
栗粉だけだと、栗の味が強くなりすぎるので」

齊藤シェフが作るパンドショコラ。
ユニークなジグザグのクープ。

昼食は伊原さんが、Zopfのカフェで提供されているものを再現。
パテ・ド・カンパーニュ、スモークサーモン、マッシュルームバター、サラダにはブルーチーズのドレッシング、ディジョンマスタード、モッツァレラ(高梨乳業)。

盛りだくさんのパン。
伊原シェフによるバターロール、齊藤さんによる「栗のカンパーニュ」「パンドショコラ」、山崎シェフの作ったフォカッチャ、「アッフェルシュトロイゼルクーヘン」とりんごジャム、井上さんのブレッツェルも。

陸前高田の津波を生き残った「希望のりんご」も題材として使っていただいた。
落下して傷が入り、市価の数分の一で取引されるりんご(味は通常のものと変わらず)を、パンやお菓子として使うことで、復興に役立てたい。
その弾みになればと、山崎さんに、使用をお願いしたところ、ご快諾いただいたのだ。
今年の初物、早成りのジョナゴールド。
熟した赤いものだけを、米崎町の農家金野秀一さんが選び、送ってくれた。
それを山崎さんが、ドイツ風のアップルパイ、アッフェルシュトロイゼルクーヘンに仕立てる。

「アッフェルはドイツ語でリンゴのこと。
シュトロイゼルは粉とバターと砂糖を手でこすりながら混ぜて焼き、ぽろぽろのそぼろ状にしたもの。
クーヘンは四角いお菓子のことです。
丸いお菓子だと、トルテという呼び方になります。
土台になるのはミルベ(ミルベタイク)、クッキー生地のことです。
そこにアーモンドクリームをのせます。
ドイツではアーモンドパウダーではなく、マジパンを使うことが多い」

「りんごのコンポートは、プレザーブを作ると思ってください。
砂糖とレモンゼスト(レモンの皮をすりおろしたもの)、バニラビーンズを混ぜたものといっしょにりんごを炒めます。
ドイツではバニラとレモンは対で使います。
そのほうが両方のよさが出るから。
僕の場合、プレザーブはいっぺんにたくさん作って冷凍します。
市販のプレザーブより、糖度が決められるのがいいですね。
皮といっしょに炒めるとペクチンが出ます。
皮の色素が出てきれいな赤い色になるし、香りも強くなる。
煮汁を固める作用があるので、ジャムを作るときも皮は必ずいっしょに入れます。
今日はシナモンは入れてません。
りんごの風味をそのまま出したかったんで。
生で食べたとき、酸味と甘みのバランスがよかった。
身もしっかりとしていて、歯ごたえが出ますね」

さくさくのクッキー生地、レーズンの香り、かりかりのシュトロイゼル、スポンジの甘さ。
りんごの酸味に対して、さまざまな甘さと香りが組み合わせられ、対置されることで、至福の階段を上がっていく。
りんごのやわらかな甘さの中に切れのあるフレッシュな酸味が滲み、広がっていく。
りんごを噛んでいるあいだしばらく口の中をさわやかさが駆けめぐって、心地よい時間が過ぎる。

ジャムもお作りいただいた。
砂糖をあまり加えず淡い甘さは、りんごそのものの持ち味を活かし、増粘材などを入れて無理に固めることもせず、水分たっぷりでしゅりしゅりな食感もかえってフレッシュさを感じさせ、素材の味わいが活きている。

りんごは必ず完熟させて出荷される。
農産物には見えないところでたくさんの努力が払われている。
この甘さ、この酸味は一朝一夕にはできないものなのだ。
山崎さんはりんごの声を聞き取り、すばらしい技術でそれを活かしてくれた。

実は、この早成りのりんごが収穫された直後、つまり講習会前日の10月17日に、台風26号が陸前高田を襲い、ジョナゴールドのほぼすべてを強風によって木から震い落としてしまった。
1年の努力が無に帰し、落胆して当然であるべきところ。
しかし、金野さんら農家は必死に前を向いている。
被災地のためになにかをしたい。
山崎豊さんはもちろん、今回ご参加いただいた受講者の方々も、真剣に心配をし、励ましをいただいた。
この熱い気持ちをりんご農家に届けたい。(池田浩明)
- comments(0) trackbacks(0)
パンカレンダー2014
食欲の秋がやって来た。

そしてそこここどこでも来年のカレンダーを見かけるようになった。

今年もあと2ヶ月ちょっと。。。早っっっ


東京が亜熱帯化した今年の夏、

私は実家の八ヶ岳の麓/高原で過ごしていた。

6月終わり頃、これまた気持ちいい札幌で1週間を過ごし、

寝苦しい東京にがまんして一泊し、翌日そそくさと実家へ帰った。

まるまる3ヶ月両親と暮らし、料理三昧の日々。


両親は昼と夜、どちらかは麺類。

ほぼ同じおかずで私は毎晩パンを食べて来た。

ご近所さんからたくさんの夏野菜をいただいたので、

日によっては疲れ果てるほど料理をしなければならない日もあり、

自分の時間はほどんどなかった。


テレビもあったし(笑)

東京の家はテレビがないので、実家へ帰るとテレビで映画三昧。


ときどきお仕事もしていて、

信濃毎日新聞の撮影もしたし、原稿も書いた。

そして来年のパンカレンダーの原稿も大事な大事な大好きなお仕事。

私が先に原稿を書いて、秋山ちゃんがおいしそうなイラストを描いて。。。

あわあわあたふたやっている割りには私たちにとって大切なパンカレンダー。

来年のも「力」入ってます。



表紙は今までとはちょっと違って明るく水色。

「食べたい病」になってしまう各月もチラリ。





ほしい!と思ったら「秋山洋子パンカレンダー」で検索。

そうそう検索すると秋山ちゃんのホームページに行き着くと思うけど、

今年はカレンダーと一緒にパンポスターってのも作ったようなので、

パン好きさんはぜひそちらもどうぞ。


◎ ○ ◎ まさこぱん ◎ ○ 


まさこジャム

パンラボ


サッカロマイセスセレビシエ

渡邉政子さん comments(3) trackbacks(0)
第4回日本全国ご当地パン祭り
10月21日(土)、秋晴れの下、ご当地パン祭りが今年も開催された。
人、人、人、人。
パン、パン、パン、パン。
第4回目ともなると、今年も来たかという、なつかしい気分になる。
パン屋さんの中に去年も見た顔が見え、毎年1度出会うパンにまた会ったり。
そして楽しみなのは多くの新作パン、地方に埋もれていたまだ見ぬ伝統パンに会えること。

ご当地パン祭りの優勝は客の投票で決まる。
買ったパンには投票シールがついており、おいしいと思ったら、投票ボードにシールを貼る。
その数がもっとも多かったパンが優勝となる。

第4回日本全国ご当地パン祭り 結果 
優勝  みしまフルーティキャロット  静岡県   グルッペ
第2位 みかぱん           和歌山県  鳴門屋製パン
第3位 かりかりメロンパン      群馬県   グンイチパン
第4位 三田牛すきやきパン      兵庫県   パンプキン
第5位 高知のやっこねぎ鰹      高知県   ベークショップ ヒジリ

優勝のみしまフルーティキャロットは、フルーツのように甘い三島人参をダイス型のゼリーにしてクリームの中に混ぜ込んだもの。
人参型のパンとパッケージのインパクトも貢献。
グルッペは、去年の三島コロッケパンにつづいて2連覇を果たした。

みかぱんは和歌山名産の有田みかんを使用したジャムとヨーグルトクリームが中に入ったジャムパン。
昨年5位から2位へ躍進。

かりかりメロンパンは、第2回でまゆっこを擁して準優勝を果たした群馬県のグンイチパン作。
袋を開けるとマーガリンの香りがこれでもかと漂い、いきなりなつかしい気分に引きずり込まれる。
ふわふわの菓子パン生地をはるかに凌駕するビスケット生地のインパクト。
上面のみならず底面まですっぽりとコーティングし、かりかり感と派手な甘さで圧倒する。
きらきらと輝く、砂糖のトッピングも、かりかりをより増している。
メロンパンの魅力をビス生地の増強に求めたマーケティングと、お客様のニーズに応えようという情熱の勝利だと思った。

その他、私の気になったパン。

とろ生コッペ(東京・マルジュー)
コッペパン史上最高ふわふわ感。
というより、かなりリッチなので、むしろコッペ型のブリオッシュではないかとも思える。
通常のコッペパンのようにカットしてクリームをはさんでいるのではなく、おそらく後からの注入。
やわやわとした生地から垂れ落ちそうなほどたっぷりとクリーム。
後入れのため、焼成のダメージがなく、とろとろ感がすばらしい。
目の前が黄色く染まるほど大量のクリームが怒濤のごとく押し寄せて、生地を圧倒。
とにかくクリームという、私のようなとろとろ好きにはたまらない世界が展開される。
やわらかくふわふわの生地は、クリームといっしょの速度ですばやく溶けていくため、口溶けの快楽はさらに高まる。

富士の恵み(静岡・富士物産)
ほろ苦くもすがすがしい緑茶が練りこまれたパン。
みかん味の白あんは、あんこに柑橘系のさわやかな酸味が加わって、甘さがマイルドになっている。
さらに、お茶とあんこだって当然合う。
みかん+お茶。
静岡名物同士が組み合わさると、本当に味の相性もよかったのである。
橙色と緑色という東海道線の急行電車のカラーリングみたいな、和のマリアージュ。

ハムねぎ丸(岐阜 グルマン・ヴィタル)
全粒粉を使い、しっかりと香りのある重めのパンは、他のご当地パンと一線を画す。
熟成によるうまみもあって、ネギ炒めから香ってくるごま油やオイスターソースの濃厚なコクに負けず、響きあっている。
ハムが厚切りで豪快に肉味を感じさせてくれることも好バランス。
お酒にも合うような料理的なパン。

ピーナツバター(兵庫・ニシカワ食品)
毎回、秀逸なパンを出品する、ご当地パン祭り「無冠の帝王」。
つるっとした表面、詰まり気味の中身は、噛みごたえが十分で、かつくにゅっとクリーミーに溶ける。
あまりにも濃厚すぎるピーナッツの香り。
薄くのばすのではなく、中央にホイップしたピーナッツクリームの塊をまとめてどかん。
パン生地を掻き分けて、中心部に達すれば、ほぼピーナッツクリームばかり口に入り、パン祭りというよりピーナッツ祭り。
ふわっときて、にゅるっと溶けて、ぐわーっと猛烈な甘さ、ピーナッツ感があふれ、押し寄せ、がぶり寄られる。

かすてらぱん(静岡・ヤタロー)
パンでカステラを巻くという掟破り。
黄色が内側、外側が白という逆伊達巻きカラーリング。
外側のパンはかなりねっちりして古めかしいテクスチュア。
カステラがいちご&リンゴジャムによってしっとりとそぼ濡れている。
香料のものなのか香りがお酒っぽく、ババのような雰囲気もある。
そのしっとり感と甘さを頼りにパンを食べ進むという異色のパン。

ことぶきのぶどうぱん(兵庫・寿屋)
誕生から50年、姫路で有名なご当地パンであるそうな。
レトロなパッケージ。
パンもレトロだった。
これ、普通のレーズン食パンじゃね? と思いきや、中にマーガリンがサンド、以上。
その単純さは、50年前の古き良きパン製作環境を想起させる。
単純ゆえに飽きられず、長く愛され、生き残ったのでもあろう。
私にとっては新鮮だった。
レーズン食パンにマーガリンを塗って食べたらおいしい。
あれこれ付け加えなくても、その事実だけで十分なのだから。
もちろん、パンが実にふわふわで、厚切りで食べていよいよおいしいという仕事ぶりも、おいしさに貢献しているということも忘れてはいけない。

私の好きな福島県郡山のご当地パン「クリームボックス」も参戦していたが、残念なことに到着したときはすでに500個が売切れていた。
優勝するためには1000個売らなければならない。
それぐらいの数を持ってきていれば、優勝戦線に食い込めたのではないだろうか。
そんなこんなの理由もあるから、入賞作だけがおいしいパンなどとは、決して言い切れないのである。
だから、自分だけの推しパンを発見するよろこびが、ご当地パン祭りの醍醐味なのである。

11月4日パンラボ講座申込み
- comments(0) trackbacks(0)
パンラボ講座『パン屋学ことはじめ』

「パンが好き」という人は、「パン屋に行くのが好き」な人である。
パンを食べる前に、パン屋の扉を開け、中に1歩入った瞬間に、もうどきどきしている。
パンがたくさんある空間に浸りたい、パンを作る人のセンスに浸りたい。
それがはじめて行く店で、未知なものであればなおいっそう心ときめく。

単行本『パンラボ』で書いた、パンのテイスティングの3つの段階、「チャンネル」「チューニング」「カンバセーション」のうち、実はあまり触れていなかった「チャンネル」を合わせるという段階に属する。
昔ながらのパン屋、ブーランジュリー、ベーカリー、ベッカライ、自家製酵母系、ニューウェーブ系、ベーグルショップ、郊外系、保守本流…というパン屋の分類。
オーナーの年齢から考える世代別分類、修業先・経歴から考える分類。

それから、パン屋テイスティング。
パン屋に行ったときどこに注目するともっと深く愛せるか、そのこともお伝えしたい。

いつも通り4種類のパンをご試食いただく。
いま考えているのは、食パンを4種類食べて、材料やコンセプトのちがいから、パン屋の分類を見るというもの。
作り手の姿勢で、同じパンがこんなにちがってくるということを、わかりやすくお伝えしたいと思います。(池田浩明)


11月4日(祝・月)14:00〜15:30
池袋コミュニティカレッジ(西武百貨店内)
- comments(0) trackbacks(0)
パン好き総決起集会の影の主役
伝説の愛パン家の渡邉政子さん、
こんがりパンだ パンクラブのひのようこさん
(パンクラブのひのさん、かちさんには下準備もお手伝いして頂きました)、
パン屋さんめぐりの会の片山智香子さん、
そして、
パーラー江古田、まちのパーラーの原田浩次さん、
Zopfの伊原靖友さん。


10月6日、新宿歌舞伎町ロフトプラスワンで
未曾有の豪華ゲストをお迎えして行われたパン好き総決起集会。


ご出演、ご協力頂いた皆様、
本当にありがとうございました。

今回は、この日の影の主役とも言うべき、
イベントに登場したパン、こちらに焦点を当ててみようと思います。

第一部のぱんじゃんけんでは
ベーグル、バゲット、食パンが各二種類ずつ登場しました。
とにかく出演者は池田さんも含め、皆、
ほんっと〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜に
パンばっかり食べている人たちなので、
超絶美味しいのは当たり前、
パンをひたすら食べるとここに戻ってくるのか…というような
パンが次々と登場しました。

まずはベーグル。
こんがりパンだ パンクラブのひのさんにご紹介頂いたのは
ポム ド テール」のチーズこしょう。


西荻窪にあるお店です。
ちなみに自分は家が近いのでちょくちょく行くお店だったり。

正直、ベーグルって「モチモチしてアゴが疲れるだけでそんなに美味しくない…」
というイメージでそんなに好きではなかったんですが、
ポム ド テールの焼きたてを食べて、
自分の中のベーグル観が完全にひっくり返りました。

「パリ→バリ→モチッ」という三段階の食感はもはや快感です
とにかく皮からうまいので、ポムのベーグルは冷めた場合は絶対に焼き直して食べます。
東京の200軒を巡る冒険85軒目のお店でもあります。

さて、それに対して池田さんがこの日選んだベーグルは
kepo bagles」の黒豆もち。



上北沢にあるお店です。
黒豆もちもちょっと衝撃を受けるぐらい美味しかった。
ベーグルのしっかりとした歯ごたえ、モチモチ感があるんですが、
なんというかパンに近いというか。
パンはもちろんベーグルを食べ慣れていない(というか食べたことあんのか?レベル)
ヘルプの編集部員たち(野郎どもです)が
口を揃えて、一口食べた瞬間に「うま! 何コレ!?」となってました。
他の和ベーグルも食べてみたい…。
東京の200軒を巡る冒険34軒目のお店でもあります。


さて、お次はバゲット。
パン屋さんめぐりの会の片山智香子さんが選んだのは、
自分もちょ〜〜〜〜〜大好きな
VIRON」のレトロドール。

この日のレトロドールは渋谷のVIRONから持ち込みました。
自分はこれを魔性のバゲットと秘かに呼んでいます。
なんせ、紙袋に入っていても立ち上ってくる独特の香り。
いつ買ってもかなりのコンディションの良さで、
ほんわり温かいことも多く、思わず誘惑に負けて
「ちょっとひと齧りしとくか…」と齧ったら最後。
丸々齧り尽くしちゃうこともありますから。
食感、香り、そして噛めば噛むほどヨダレが湧いてくる絶妙の塩気。
本当に旨いです。
片山さん曰く、「パリで食べたバゲットと同じ!」で
衝撃を受けたそうです。
東京の200軒を巡る冒険186軒目でもあります(サッカロ書き下ろし)。



さて、それに対して池田さんが選んだバゲットは
ル・ルソール」のバゲット。


駒場東大前にあるお店です。
以前、パンラボのチャバタの回で清水シェフにはお世話になりました。
味の選球眼というか、すごい舌を持つ人だと思います。
こちらのバゲットも独特の香りと味を持つ逸品。
結構モッチリ目で食べた瞬間から旨い。
噛んで行くとまた旨い。
これは酵母が持つ味のクセってやつなんでしょうか。
この味のクセが異常にクセになって、
こちらもヨダレが止まらなくなります。
東京の200軒を巡る冒険149軒目のお店でもあります。


さて、最後は食パン。
渡邉政子さんが選んだのは
ドンク」のハードトースト。

山型のパンにしてはとてもモッチリしています。
塩味で非常にシンプル、砂糖や油脂類を含まない食パンです。
シンプルなだけに、
バターやジャム、さらに色々なおかずとの相性が抜群によさそう。
これは、ある意味、究極に飽きのこない食パン。
毎日パンを食べる政子さんらしいチョイスです。


パンを鼻から口にあてて、香りを一杯に吸い込む
パンマスクも炸裂しました。


池田さんが選んだ食パンは
ラルカンシェル」の、国産小麦の食パン。

尾山台にあるお店です。
こちらの食パンは非常にモッチリとしていて、プルンプルンのたゆんたゆん。
耳を持って持ち上げると、みよーんとなる感じです。
やや甘みがあり、なんとも贅沢な気分になる食パンです。
生で食べたくなる系の食パンなんですが、
こういうたゆんたゆんの食パンはトーストしても
メチャ美味しくなるんですよね〜。
パティスリーでもあるラルカンシェル。
甘いパンも美味しいです。
丸山珈琲さんとのパンラボ用に作って頂いた
シナモンロール、あれは記憶に残るほど繊細な味で絶品でした。


というわけで、パン好き総決起集会に登場した
影の主役のパン達でした。
とにかくパンを食べ倒している出演者の方々が選んだだけあって、
どれも美味しいパンばっかりなんですが、
VIRONのレトロドールしかり、ドンクのハードトーストしかり、
色々と食べまくると原点に戻る…という部分があるのも
なんだか面白かったです。

もちろん影の主役というより、表の主役。
パーラー江古田、まちのパーラーのサルシッチャと
Zopfのパンで作られたこの日限定のスペシャルホットドッグも
大活躍…というより、即売り切れでした
(食べられなかった方、本当にすみませんでした。
ぶっちゃけ自分も食べられませんでした…)。

食パンの耳を2辺だけ落とした食パンには
生地にも耳にも色々とサルシッチャに
合わせるための秘密が隠されていました。


さらに凄いのは、この日、パーラー江古田の原田さんが
わざわざ開場前に来てくれて、
ロフトプラスワンの厨房に入り、自らの手でサルシッチャを
焼いてくれたこと(ほとんど全部)。


いつもの厨房ではないけれど、原田さんが焼いてくれたのだから、
この日のサルシッチャはまさに「まちのパーラー」で食べられるものと
同じコンディションだったのではないでしょうか。

というわけで、10月6日に行われたパン好き総決起集会、
パンに焦点を当てて書いてみました。

パンの写真があんまりないのは、当日バタバタし過ぎて、
パンの写真を撮る余裕がなかったからだったり……(汗)。

パンラボFacebookにも写真をたくさんアップしてますので、
そちらもご覧下さい。

【ナカムラ】

サッカロマイセスセレビシエ

まさこジャム

パンラボ

ナカムラ comments(0) trackbacks(0)
世田谷パン祭りはこんなだった。
池尻第2体育館前には11時のオープンを待たずに長い長い行列。
ギョエー! パン買えないじゃん、となったが、世田谷パン祭りの楽しみ方はそれだけではない。
慌てず騒がず、隣接したIID世田谷ものづくり学校で行われている、世田谷パン大学に参加する。

トークショー会場にはシニフィアン・シニフィエの志賀勝栄シェフが登壇していた。
世田谷パン大学の、今年のテーマは発酵。
シニフィアン・シニフィエのバゲット・プラタヌ、クグロフ、パン・ド・ブランなどが配られ、食べながらその発酵の過程について話を聞くという趣向。
「酵母、発酵時間、温度帯。
その3つをどう操るかですべてが決まる」
と志賀シェフは言う。
タンパク量や酵素といった小麦の持つ性質(季節やロッドによって毎日変わっていく)と向き合いつつ、いかに酸味や甘さや食感、ふくらみ方といったものをバランスさせ、自分の望む方向へパンを持っていくか。
毎日の試行錯誤、あるいは戦い。
「ルールが決まった中でやる戦いも大事ですが、ルールの外に可能性があり、それをあえてはずしたところに、新しいおいしさはあります」
毎日同じようにできる安全なレシピではなく、ストライクゾーンぎりぎりの作り方をして、前人未到のおいしさに挑戦する。
パン作りってこんなにおもしろい仕事なのか。
志賀さんが語るといつも新鮮な驚きがある。

そのあと登壇は、料理学校コルドンブルーのパン講座主任であるステファン・レナさん。
『フランスの食文化とパンの世界』と題し、パンとロックフォールチーズの話をしてくれた。

なぜ、パン祭りでロックフォールなのか。
ロックフォールの青カビは、実はパン・ド・カンパーニュに由来する。

青カビを生やしたカンパーニュを細かくしてパン粉のようにしたものを、チーズの中に入れて、中までカビを浸透させるのだ。
フランス南部ピレネーにあるロックフォール村のパピヨン洞窟。
年間を通じて湿度97%、温度約15℃に保たれたこの洞窟で熟成されると、最高のロックフォールになる。
それは奇しくも、カンパーニュの生地を発酵させるのにも、もっとも適した温度帯、湿度なのだという。

ロックフォール、そしてコルドンブルーのギョームシェフの作ったパテ・ド・カンパーニュ、そしてレナ主任の焼いたパン・ド・カンパーニュをいただく。
3つは彼の地でもよく食べられる定番の組み合わせとのこと。
パピヨンのロックフォールを口にした一瞬、チーズとは思えないほどの、はちみつのような甘い芳香に驚いた。
すばらしくなめらかに溶けたかと思うと、目覚ましい塩気とともに盛り上がりコクは、喉、そして胸を焦がされるほど激しかった。
塩気はパンに、パテへと延焼していく。
パテの熟成された肉の香りに意外にもロックフォールに似た香りを嗅ぎ、両者がとてもスムーズに混ざりあい、マリアージュを繰り広げるのを知った。

行列が短くなったのを見計らい、販売スペースとなっている池尻第2体育館へ移動。
たくさんのパン屋、たくさんのパン、たくさんの人!
目移りしまくりながら見てまわるのが楽しい。

(校庭に飲食スペースが設けられている)

印象に残ったパンについていくつか書く。

神田・三井製パンの塩あんぱん。
「能登の古川一郎に行ってきました」
と三井宏生さんが興奮ぎみに語る。
古川一郎とは、私も行くことを念願している、能登の名物パン屋のこと。
「能登の塩をあんこに使った『塩あんぱん』がすごくおいしくて、自分も作りはじめました」
全粒粉の生地が驚くほどソフトで、ちぎるとねっちりと糸を引くように切れていく。
麦の濃厚さ。
それが軽やかで食べやすく。
あんこを口にすると、塩気ではじまり、それがおそろしくまろやかで、軽やかで、うまみに満ちている。
甘さを励ますことはもちろん、豆の風味まで引きだすようで、変化に富んで、しかも実にさわやか。
あんぱんもここまできた、と思わず呟く、意外性と完成度だった。

横浜は綱島にあるドイツパン屋、アムフルス。
ドイツで8年間修行し、マイスターの資格を得た、山本毅さんの店。
ヴァイツェンミッシュブロートはライ麦20%の、小麦が主体のパン。
この小麦のコクはすさまじい。
噛んでぱふっと漏れた空気の中のまったりした酸味、香ばしさ。
まろやかに中身が溶けては、うまみと酸味が滲みだし、口の中にいい感じにまとわって消えないのだ。

鎌倉七里ガ浜にあるリュミエール・ドゥ・ベー。
自家製酵母ながら、縦にすばらしく伸びたパン・ドゥ・ミィの断面が目に入った。
鋭い酸味、それに拮抗する、小麦の分厚い香り。
食べても両者のハーモニーはつづき、追いかけあい、共存する。
中身はするすると剥け、1枚1枚に剥がれる。
それが予期させる通り、食べ口は軽い。
舌に触れるともちっとして、じゅわっと溶ける。
軽いのに濃厚な麦の味。
酸味はかなり強く、がゆえに、ここに分厚く切ったバターがあれば、幸福を約束してくれるはずだと思った。

茗荷谷・マールツァイトの大納言。
甘さに、甘さに、甘さ。
自家製のミルク酵母に由来する生地の甘さ。
生地に練りこまれたじゃがいもの甘さ。
ミルク酵母が作られるのと同じ牛乳から作られるバターのまろやかな甘さ。
そして大納言のこしあん。
微妙に異なって、しかしすべてがやわらかく自然であるために、重なりあって、高まって、食べれば食べるほど、素敵になる。

田園調布・エストパニスの田園クグロフ。
りんごから起こしたという自家製酵母で作った発酵菓子。
であるだけに、口をつけた瞬間、ちょっとむちっとする。
優等生になりきらない、その食感が愛らしい。
表面にココナッツのパウダー。
それがラム酒の芳香ととてもよく合う。
ぷくっとした食感の生地は気持ちよくしゅわと溶けて、卵を明るく香らせる。
そして、レーズンやクランベリーを口にしたとき、溶けでるラム酒、甘酸っぱさが、生地の甘さと響きあって、さらに甘美なものとなる。

もうひとつの会場である世田谷公園に移動。

シニフィアン・シニフィエと昭和女子大学のみなさんがコラボした三色コーヒーパンなどを買い、青空の下、噴水のそばで食べた。

一部、売切れで買えなかったのは残念だけれど、すべてを食べきらないこともまた楽しい。
来年の楽しみだと思うことにする。(池田浩明)


- comments(0) trackbacks(0)
パリのハンバーガーとベルギーのビール
10月6日にフランスのロンシャン競馬場で凱旋門賞が行われた。
フジテレビで中継されたから競馬に興味はなくても、観た方がいるかもしれない。

自分は競馬に関する駄文も書いているので、日曜日は忙しかった。
昼はパン総決起集会、夜中(23時)は凱旋門賞。
パンといえばフランス、凱旋門賞もフランス。ちょっとしたフランス・デーではあった。

外観 2.jpg


パリで人気のハンバーガー屋。
場所はルーブル美術館から徒歩で15分くらいか。

おすすめのクラシックバーガー 2.JPG

チーズバーガー&ポテイト
まるでアメリカ。

けれど、断面図を見ると、パリであることが明白。

断面図 2.jpg

バンズはブリオッシュ。うむ、パリだ。
おフランスざんすだ!

パンはフワっとしていて、だけどぜんぜん食べづらくないのだとか。
こだわりの美味しさを感じたそうです。

そう、自分ではなく、パンラボも読んでくれてる競馬好きの読者が
凱旋門賞観戦がてら、パリで食べたハンバーガーの写真を送ってくれたのでした。
(パンの断面を撮影して送ってくれるあたりがパンラボ読者の証拠だ!)

レフェクトワールの大人の文化祭で食べたホットドッグもヤキソバパンも生地はブリッオッシュだった。
シンチェリータのジェラートを挟むパンもブリオッシュだった。

ムッシュに聞くと、パリではブリオッシュかパン・オ・レを挟むことが多いのだとか。
最近は日本でもグルメ・サンドイッチ・ブームみたいなのがあって、
ブリオッシュを使う店も増えてきているのだとか。


DSC_0631.JPG

ちょっと写真がボケてしまって恐縮だけど、総決起集会での目玉だったスーパーホットドッグ。
パーラー江古田のイタリアのソーセージ・サルシッチャに
Zopfのパンを挟んで食べるスペシャル・ホットドッグ。

食パンの上下のサイドの耳だけをカットして、残った左右の耳にスパイスをまぶし、
食パンにチーズその他を乗せてトーストしたものに、
サルシッチャを挟んで、ホットドッグみたいに巻いて食べる。

大反響で用意されたものはあっという間に売り切れてしまって、自分はまさこさんのものを
切り分けてもらった。
それが上の写真。
(この日のために作った特製パンコースターの上に置いてパチリ)


DSC_0629.JPG

合わせた飲み物はヒューガルデン(ベルギービール)。
酵母を入れて、瓶内で2次発酵させてるとかで、3分の2くらいグラスに注いだら、
残ったビールを回して、底に沈んだ酵母ごとグラスに注ぐのが作法なんだとか。

出演者の方々がみなヒューガルデンを飲んでいたので、なぜだろう? と思ったら、
「パンに抜群に合うからですよ」との返答が。

へぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜(勉強になるなぁ〜)。

ふへぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜(美味しいなぁ〜。パンもビールも)。


決起集会は言うまでもなく大盛況で、時間はあっという間でした。
参加されたみなさんの時間も同じようにあっという間だったら喜ばしいかぎりです。


DSC_0633.JPG

男前と美女の集合体(決起集会出演者)
後列左パーラー江古田の原田さん・右Zopfの井原さん、
前列左から片山智香子さん・渡邊政子さん・ひのようこさん・ムッシュ

全員パワフルでした。エネルギッシュでした。そしてセクシーでした(男も女も)。


世間はどうか知りませんが、サブカルの聖地・LOFTプラス1でパンのイベントができるなんて、
感無量でございます。

え?もっと詳しく?
もちろんナカムラタクミがアップしてくれることでしょう。

(かし)


サッカロ
Amazon   楽天

まさこジャム
Amazon 楽天

- comments(0) trackbacks(0)
陸前高田「以心伝心バスツアー」参加者募集
陸前高田をもうひとつのふるさとにしよう。
そうした思いで、「以心伝心バスツアー」の第1回を今年の5月に行った。
被災地を自分の目で見た。
仮設住宅の人たち、復興に向けがんばる人たちとバーベキューの火を囲み、話をした。
思いを共有する他のツアー参加者とも友だちになれた。
遠くからやってきた、若い、新たな友人たちは、陸前高田の人たちを元気にし、励ましていたはずだと思う。

うつくしく、凛々しく。
津波の襲った丘で咲いていた、りんごの花はどうなっただろうか。
バーベキューのとき話をした、おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、お父さん、そして子供たちはいまどうしているだろうか。
11月15〜17日、再び「以心伝心バスツアー」を行い、陸前高田の土をみんなで踏もうと思う。
前回いっしょに行った方はもちろん、今回はじめてという方にもぜひご参加いただきたい。

あのときのりんごの花は果実となり、いま最後の日の光を浴びて熟し、来週から収穫の時を迎えるという。
前回同様、米崎町の農家、金野秀一さん、菊池貞夫さんを訪ねる。
玉回しと呼ばれる、りんごの実をぐるっと回して全体に日が当たるようにする作業、そして収穫作業の体験。
5種類のりんごを食べ比べ、品種ごとの特徴を教えてもらうワークショップ。
とれたてのりんごをその場で食べる感動的なおいしさを味わっていただきたい。
そして、津波で少なくなったりんごの木を回復するための、畑の整地と植樹作業のお手伝いを行う。
りんごの木がこれからどのように育つか、そのルーツを知ることになる。

また、米崎小学校仮設住宅でのバーベキュー。
今回は、もう1カ所、支援の手がこれまであまり伸びることのなかった、小さな仮設住宅である「西風道(ならいみち)仮設住宅」にもお邪魔し、バーベキューを行う。
パン屋さんといっしょに巻きパンを作り、地元の海産物も炭火の上にのぼらせる予定。
また、語り部さんによる、陸前高田市内見学も行う。

主な旅程(予定)
11月15日 23時 東京駅前集合
11月16日 7時 陸前高田着
               8時 市内見学
               10時半 バーベキュー
               14時 りんご農作業体験&試食ワークショップ
               16時 作業終了し、民宿吉田へ。
11月17日  9時 りんご植樹作業
       11時 作業終了、昼食、米崎町婦人会祭り見学。
     13時 帰路出発
     20時 東京駅着(道路状況で遅くなる場合あり)

ツアー料金23,000円 (往復バス代、宿泊代、イベント経費、食事代込み)
※ツアー実施前にお振込みいただきます。
その他費用、飲み物代は各自ご負担ください。
※本ツアーは営利目的ではなく、料金はすべて運営経費に使われ、すべての参加者が平等に負担します。
※募集定員 30名
※申込締切 10月20日
※お申し込み多数の場合は抽選を行います。

■ツアー概要(PDFファイル) 

■お申し込みフォーム  


※ツアーに関するお問い合わせはこちらまで
icdctour(@)gmail.com
(ツアー事務局)
*メールをするときは()を外してください

主催・パンラボ池田浩明、こんがりパンだ パンクラブ
共催・ラブギャザリング
- comments(0) trackbacks(0)
| 1/2 | >>