パンの研究所「パンラボ」。
painlabo.com
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
365日
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スギクボ・ムーブメント

まずはそれをお読みください。

読むと代々木八幡に12月12日オープンする「365日」に一刻も早く立ち寄りたくなる。

365日だからいつ行ってもいいように思える。
実際、本当に年中無休だとか(休みがあるとしたら、うるう年の2月29日だけだと杉窪シェフ)。
けれど、
急ぎたい衝動にかられる。

師走だし急いじゃ危ないな。それでもついつい小走りしてしまいそう。
で、店に入ったら、カウンターに座って、大将!おまかせで! 
なんてね(←薬師丸ひろ子の紳士同盟のイントネーションでお願いします)。


365日のレセプションにお邪魔させてもらった。

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食+食ー食×食÷食=365日
毎日の食事の大切さを提案します。
おいしい無添加のパンはいかがでしょうか?

どんなお店かはこのメッセージにすべて集約されているかもしれない。

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以下、すべて「新しい解釈のパン」。

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あんぱん。ぬくもり。

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白あんぱん。気品。

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カレーパン。きのこ? ペレルマン? ポワンカレ? つまり、

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つまりロシア? ゆえにピロシキ? ワオ! そんなバカな!?
でも自分だけでなく、美人料理研究家の姉さまもカレー味のピロシキみたいだと表現していた。

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チョコの入ったクロワッサン。官能。

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ブリオッシュ。バター−25%+生クリーム40%。

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ライ麦パンにブルーチーズ 金のマリアージュ

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ヤギのチーズ。サント・モール・ド・トゥレーヌ。
くるみのパン、食パン。片っ端から合わせた。モーレツだ。



少しずついろんなパンを食べさせてもらった。
シャンパンと合わせて(ワインソムリエの方がいます)、
ときにチーズと合わせて(チーズソムリエの方がいます)。

実際、6席くらいのカウンターがあって、パンやチーズやワインが味わえるらしい。ゆくゆくは料理も提供していく予定だとか。


ムッシュ池田が言う「新しい解釈」の意味が食べるごとにわかった気になった。
(自分にはまだ理解しきれてないと思う。でも言わんとしてることはわかった気がする)

それは、寿司屋のカウンターに座って、おまかせで握ってもらうような体感でもあった。


12月12日のオープンが待ち遠しい。
言うまでもなく小走りで待ち遠しい。
(かしわで)


365日
渋谷区富ヶ谷1−6−12
http://www.365jours.jp/









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CLOCK WORK Monsieur パンは鼻で食す
でけた。

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クロックムッシュ氏キーホルダー。
英語に直すと、
CLOCK WORK Monsieur。

すんません。少しカッコ良く表記してみましたが、無理がありました。
キーホルダーはキーホルダーでおます。
でも堀さんのイラストは本当に心をくすぐってくれる。これも最高だ。

それはそうと、
パンラボを応援してくれてる食専門の本屋さん
COOK COOP BOOKに行ってきましたよ。


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サッカロ・マイセス・セレビシエが嬉しい場所に。ひゃっほー!
そこにはパンラボを応援してくれるぱんとたまねぎさんの最新情熱刊パン語辞典もありましたよ!。イエー!

パンラボキーホルダーはトースト・コースターとセットで売られてました。
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おしゃれだ!
クロックムッシュ氏キーホルダーもいい感じで売ってくれるに違いない。ばんざーい!

帰りに半蔵門の方に足を伸ばし、噂の日本上陸系パン屋

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フランスはヴィロン社の最高級小麦を使用した本国と同じというバゲット

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幸運にもちょーど出来立てのさめたてのバゲットに出くわせしまった!
だから、
店を出るなり3歩で袋からバゲットを取り出し、むさぼったのであります。

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ん=====!!
ん=====!!
(出た!おいしいときにこだまするムッシュ独特の鼻息)

ん=====!!
(前から思っていたけれどムッシュ池田は口だけでなく、鼻でも味わっている! それは外から香りを嗅ぐという意味ではない。それもあるだろうけれど、内側から鼻でも咀嚼している。イメージ? イメージじゃない!うむ。咀嚼してる。間違いない。)

んまい===!!
皮がパリン!パリン!と割れて、中は濃厚な小麦の旨味!
ん=====!!

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おっさん二人でバゲットにかぶりつき、
気がついたら半蔵門駅の構内にいた。ん==、ん==!!


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中日パン子さんはバルバリの夢をみるか?
「ぱんとたまねぎ」こと林舞さんから、
「『パン語辞典』という本を出すことになりまして」
と電話があったのはいつのことだっただろう。
それから長い時が経って、本屋で『パン語辞典』(誠文堂新光社)を見つけ、ページをめくったとき、完成まで時間がかかった理由がわかった。
とにかく細かく、たくさんの項目があり、それぞれすべてにかわいいイラストが付されている。
見ているとにやにやしてしまうぐらいかわいい。
かわいいだけではなく、とてもよく調べられている。
製法やパンの種類というまともなことだけではない。
パンに関するあらゆることが取り上げられている。

たとえば、「ゆるキャラ」という項目では「中日パン子さん」という、中日新聞出版局による局地的キャラクターが食パンであるという事実に着目している。
かと思えば、セラミックのついたパン専用の「焼き網」という便利グッズについても書かれ、製作者本人にまでインタビューしている。
あるいは、『ブルータスCASA』の求めに応じて1999年、2001年と2度に渡って来日し、日本のパンに、叱咤と激励と愛の言葉を投げかけていった、フランスの料理評論家フランソア・シモンのことまで触れられている。
林舞さんは自分がイラストやデザインをものするために、パンを題材にするアーティストに対してはことのほか愛情深く、リトアニアのアーティストによるパンで作った靴「bread shoes」のことが出ているのもそのひとつである。
それからまた、かわいいものを発見するセンスも人並み優れていて、あのアンデルセン(高木ベーカリー)が、アンデルセン童話をモチーフにしたパン(人魚姫、親指姫などなど)を作っていることを見逃していない。
読み飽きた頃には、ちょうどよく彼女自身が描いたマンガが出てきて、ほっと一息つける趣向になっている。
はたまた、歴史小説の巨匠・吉川英治が「蜜パン」(トーストに黒蜜をかけたもの)を食べていた事実を発掘もしている。
伊勢原や湯河原という、パン好きには特別な響きのある地名が出てきて、それぞれブノワトンとブレッド&サーカスについて愛情の籠った説明がなされている。
この本を読むと、パンという世界はこんなにもかわいく、楽しいことに満ちているのだと、誰でも気づくことはできる。

なぜ、林舞さんはこんな本を作ることができたのか。
彼女は長い間かかって、パンにまつわる宝物(それが形のあるものであれ、ないものであれ)をずっと収集してきた。
私は林さんのお母さんに会ったことがあるが、
「舞は、昔からパンと名のつくものなら、パンダとかパンティまで調べてました」と言っていた。
つまり、170ページ以上もある(作るの大変だっただろなー)この本は、林舞さんの「人生の本」なのである。

知らないパンが食べたい。
自分の中のパンフロンティアをいつも広げていたい。
パン好きにはそうした、アレキサンダー大王か豊臣秀吉的な欲望が内在している。
自分の食べるべきパンはあとどれぐらいあるのか。
そうした取らぬ狸ならぬ食べぬパンを皮算用するのにもってこいの本が、『世界のパン図鑑』(平凡社)である。
ワルン・ロティの大和田聡子さんが監修をしている。
大和田さんは、ポルトガルへのパンツアーを企画するなど、世界のパンに並々ならぬ関心を寄せてきたアレキサンダーパン屋である。

従来、日本のパン業界がお手本にしてきた、フランスパン、ドイツパン、イギリス・アメリカといったパンに目配りがされているのは当然だが、第三世界のパンに多くの記述が割かれているのがうれしい。
最初の章は中近東からはじまる。
いきなり、バルバリ、ラバシュ、ピデとわけのわからないパンの乱れ打ちである。
(4つ目にやっとエキメキというトルコのちょっと知っているパンの話)
それから、アフリカがあって、西欧編ではイタリアのスフォリアテッラの、ひだを重ねた貝殻のような形に心が踊る。
その横のシュッテル・ブロットというチロル地方の保存用のパンは、「専用の道具で砕いてお団子にしたりして食べます」という想定外の食べ方が書かれている。

東欧のパンは日本ではまったくわからない。
ラーンゴシュはハンガリーのリゾート地の屋台で食べる揚げパン(ジャガイモ、ヨーグルトなどが入る)だそうで、このパンを食べにだけでも、そこに行ってみたいと思う。
バニツァというブルガリアのパイは、カボチャ、キャベツ、ネギ、ホウレンソウ、肉、ライスなどから作られたフィリングが中に巻き込まれていて、ヨーロッパではほとんど見られない惣菜パンが、東欧では食べられることを知る。

これらの取らぬ狸を知り、自分が食べたことのないパンがあることに欲望を掻き立てられて焦り、と同時に安堵する。
『世界のパン図鑑』『パン語辞典』の項目をひとつひとつ深堀していくだけでも、パンラボのネタには永久に困ることがないのだ。

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第2回陸前高田「以心伝心」バスツアー
今回で9回目を数える「パンを届ける」の活動。
11月16日、私たちは陸前高田市を訪れた。
まずは、3.11の語り部、「陸前高田市ガイド部会」の会長である新沼岳志さんの案内で被害の遭った場所を巡った。

風光明媚な海水浴場として、多くの人たちが訪れる観光地だった、高田松原。
江戸時代から340年つづいた貴重な松は、3度の大きな津波に耐えたにもかかわらず、3.11では「奇跡の一本松」だけを残して壊滅した。
「道の駅 高田松原」の廃墟。
コンクリートがぼろぼろになった無惨な情景を目にすると、津波の圧倒的なパワー、それに飲み込まれた人の悲鳴や嘆きが聞こえてくるようだ。

(高田松原の松の木の根っこが無惨な姿をさらす)

新沼さんが海岸を指し示し、ここに作られようとしている巨大な防潮堤の計画を説明する。
高さ12.5メートル、底面の幅はなんと50メートル。
総延長5キロを建造するための工費は230億円に及ぶという。
けれども、陸前高田を襲った津波の高さは最大13.2メートルだった。
3.11の津波さえ防ぐことのできない堤防に230億円の巨費を注ぐ。
根本的な疑問は、本当にこれが津波から人を守るのかということだ。
巨大な堤防を作れば作るほど、安心を人に与えるために、逃げる意識を失わせはしないだろうか。
また海への視界を遮るために、沖からやってくる津波を見ることができない。
3.11で生と死と境目になったのは、海が見える場所にいて、津波がやってくるのをいちはやく目にすることができたかどうかだったと、私は逃げ延びた人たちから聞いたことがある。
新沼さんによると、この防潮堤の計画は、市民の間でも賛否が分かれているそうだ。

(かつての陸前高田駅前。手に持っている写真は震災前の同じ場所を同じ角度から見たもの)

いま無人の荒れ地となっているここはかって陸前高田の駅前商店街だった。
海沿いのこの場所に陸前高田の駅舎があり、ロータリーから一直線に商店街がつづいていた。
新沼さんによると、この商店街に住んでいた商店主の8割が亡くなったという。
高田町にあった緊急避難所11カ所のうち10カ所を津波が襲ったからだ。
小高い丘の上にあったわずかに1カ所のみが難を逃れたと。
「地震がきてから最初の津波がくるまでの約40分間。
通帳や赤ん坊の着替えを取りに家に戻った人が津波に遭ったんだ。
チリ地震のときは、この線路までしか津波がこなかったことで、みんな安心していた」
自然は常に人間の想定を超える。
それを肝に銘じ、万一の準備を怠ってはならないことを、この風景は教えてくれる。

今回、私たちは活動の範囲を広げた。
2カ所の仮設住宅でバーベキュー、同時並行して、米崎コミュニティセンターでパン教室を行った。
陸前高田には依然としてパン屋はない。
普段、スーパーのパンしか食べられないお母さんたちが、自分でパンを作りたいと希望したもの。
講師はベーカリーアドバイザーの加藤晃さん。
オーブンをお持ちでない方でもパンを作れるように、フライパンを使ったレシピを用意。
地元でとれたりんごとさつまいもをフィリングに利用したパンはパン屋で売っているパンさながらにおいしかった。
また、買ってきた食パンに惣菜をはさんで手軽に作れる、カレー揚げパンやポテトサラダ揚げパンも披露した。

私たちが米崎小学校に着くと、お母さんたちがベンチに座って待ってくれていた。
たくさんのなじみの顔。
男性は炭の火を起こし、コンロを設営する。
お母さんたちの中で動ける人は食器を洗い、野菜を焼き、足の悪い人に取ってあげたりと助け合う。

今回はZopfから吉澤さんがやってきていつもの巻パンを作ってくれた。
ブーランジェリー ボヌールの若手、斉藤君もサポートにまわる。

パン作りが大好きなお母さんがいて、つきっきりで手伝ってくれる。
文字通りの「昔とった杵柄」、モチをこねる要領でパンをこねるのでとてもうまい。

巻きパンはすっかりおなじみ。
慣れた手つきで棒をまわし、子供たちが手伝う。
2歳になる女の子が恐る恐るパンを齧り、おいしいと笑顔になる。
この子は地震のとき、まだ母親のお腹の中だった。
月日は確実に流れている。

巻きパンを食べ終わったあとの棒を持って踊りだすお母さんがいた。
この地に伝わる、和傘を使った踊りなのだという。
手つき、腰つきの流暢さ、鮮やかさにみんなが手を叩いて、盛り上がる。

牡蠣漁師である大和田晴男さんが蒸し牡蠣を作ってくれた。
ガスボンベとコンロを持参、「大和田家の牡蠣」と青空に幟(のぼり)が立つ。

コンロから湯気が上がり、おいしそうなスープがたっぷりと漏れ出る。
奥さんが殻にナイフを入れ、むいてくれた蒸したての牡蠣を食べる。
豊かな磯の香りとともに濃厚な甘さがジューシーにまったりと広がった。
現地にこなければ食べられないおいしさ、豪快さ。

忙しい合間を塗ってバーベキューに駆けつけた理由を大和田さんはこう話す。
「震災のときはたくさんのボランティアの人たちがきて、筏の再建を手伝ってくれた。
いまその人たちに直接恩返しすることはできないので、きてくれる人には安く牡蠣を振る舞っています」

みんなが思い思いのものを持ち寄る。
米崎女性会のみなさんは、三陸ならではの味、さんまのつみれ汁を振る舞ってくれた。
現地のスーパー「マイヤ」に売られる、新鮮なさんまのすり身。
陸前高田のしょう油屋ヤマニのしょうゆにみそ、白だし。
そして地元でとれた根ショウガをきかせ、実にいいスープが出ていて、身も心もあたたまった。

米崎町の金野直売センターにご協力いただいた活きホタテ。
網の上にのせようとすると、
「指をはさまれないように気をつけろよ」
と漁師の佐々木さんから声がかかる。
無雑作につかみあげると、ホタテは本当に活きていて、貝を閉じて指をはさまれそうになった。
火にかけるとほどなく、ふたを開いて、おいしそうな汁を滲ませる。
身のふくよかさ、こりこり感、臭みもなく、ひたすらに甘い。
「ほら、藻がついたりして、貝が汚くなってるのがあるだろ。
こういうのがおいしいんだ。
海面の近くにいて、養分のたっぷり入った水を吸っているからさ。
牡蠣もいっしょだけど、ホタテを選ぶときはきれいなのを選んじゃいけないよ」

米崎町の目の前に広がる広田湾は、気仙川の淡水が流れこむ。
外洋で育てるのとちがって、川が運びこむ陸の養分によって、身が甘く、貝柱の大きい貝が育まれる。
牡蠣が築地では高値で取引されるように、広田湾は名漁場として全国的に知られている。

サンマに牡蠣にホタテ、野菜。
コンロの上に地元の産物がたくさん置かれた光景は感慨深いものがある。
震災直後、ここを訪れたとき、新鮮な食べ物などまったくなかったのだから。
筏を作ってもう一度海に浮かべ、稚貝をつり下げ、1年以上の時間をかけて育ち、作業所も再建して、そうしてやっと出荷できるところまで漕ぎ着けた。
人びとの努力によって復興はだんだんと確かなものになってきている。

たくさん食べて一服しているところに、ポータブルCDが持ち込まれ、米崎音頭が流れる。
すると、お母さんたちが列を作って踊りはじめた。
私たちもその列に参加し、みんなで米崎音頭を踊った。
はじめてのことだったけれどなんだか楽しく、仲間になれた気がした。

りんご畑のある丘陵地帯には、西風道(ならいみち)仮設住宅など、世帯数10軒前後の仮設住宅が7、8カ所も点在している。
規模が小さいゆえに、いままであまり支援の手が及んでいなかった場所。
そうした住民の方にきていただきたくて、和野会館でもバーベキューを行った。
この小さな公民館は、かって避難所として、被災者の方々が身を寄せあうようにして生活をともにしていた。
坂道をわざわざ上がってここにやってきたお年寄りたちが、野外に並べられたテーブルを囲む。
みんな楽しそうな笑顔。
同じ集落だった人が離ればなれになっていて、久方ぶりの再会の機会になった。

「グロワール」の一楽千賀さんが大阪からわざわざ駆けつけ、米粉のパンケーキを作ってくれた。
ラ・テール洋菓子店の中村逸平グランシェフもそれを手伝う。
希望のりんごを使ったジャムをこの日のために仕込み、いちご、桃、パインなどもパンケーキの上にトッピングしてかわいいパンケーキができあがり。
子供たちが大よろこびで競い合うように食べていた。

りんご農家の菊池貞夫さんは、前日に鹿を撃ち、私たちに振る舞ってくれた。
厚切りにしたジビエを炭火で焼く、堪えられないおいしさ。
米崎町の海も山も様々な生き物を育み、実に豊かなのである。

(加藤晃さんと米崎町女性会の人たちが作ったパンをみんなで食べる)

ボランティア団体「ラブ・ギャザリング」の辻めぐみさんは言う。
「子供に話かけたとき『僕、ここに泊まったことあるんだよ』と話てくれて、なんて答えてよいのか言葉に詰まってしまいました。
3.11のとき避難所となった場所は子供達にとって、とても怖い思い出があるところだと思います。
今回こうして同じ場所に集まり、みんなの笑顔を見て、この場所が子供達にとっても大切な記憶となると思うと、とても感慨深く、もっとたくさん楽しい思い出を作ってあげたいと思いました」

同じ米崎町という場所に、被害に遭われた方とそうでない方がいる。
そして、被害の程度も、元の職業に復帰できたかどうかも、それぞれ異なる。
そうした人たちが笑いあい、絆を深めあう機会に、このバーベキューがなったとしたら幸いである。

10月16日、台風26号によってりんごが落下、未曾有の被害が出た。
いまりんご畑はどうなっているのか。
一刻も早く見たくもあり、見るのが怖くもあった。
だが、私は安堵した。
りんごは以前見たときよりはまばらな印象だったが、それでもあちらこちらに、赤く、黄色くなっていた。
宝の山。
それらは丘を明るく照らすたくさんの灯火に見えた。
主力品種であるジョナゴールドは9割が落下したものの、なるべく長期に渡って出荷できるよういくつもの品種を育てていたこともあって、ふじをはじめ難を逃れたものも多い。

収穫を体験する。
「持ち上げるようにしながらまわすと取れますよ」
金野秀一さんに教えられたようにやってみると、ちぎらなくてもすんなりと取れる。
もぎたてのりんごを口にしてみる。
いつも思うことだが、この風景、この風の中で食べるりんごがなぜかいちばんおいしい。
酸味はすがすがしく、甘さはやさしく、自然の味がする。
都会で忘れがちな、自然の中で生かされているという実感を取り戻させてくれる。

金野さんのお宅でさまざまな品種の食べ比べをさせてもらう。
りんごはすべて同じようなものだと思っていたが、そうではなかった。
1ケース(5キロ)がなんと2万円で取引されるという紅いわて。
やわらかな食感もまったりした甘さも洋梨に似ている。
他にも酸味がきりりとしたもの、甘さが丸いものなど、それぞれの品種がそれぞれの魅力を放って、どれもおいしかった。

深夜11時。
田舎ならではの真っ暗な闇の中、1軒だけ明かりの灯った建物。
「夜11時にくれば仕事が見られるよ」
バーベキューのとき、ホタテの世話を焼いてくれていた漁師の佐々木さんにそう言われ、作業場を訪ねた。

なぜ11時なのか。
中からかんかんかんとたくさんの貝殻同士が打ち合う音が聞こえてくる。
漁師たち、お母さん、おばあちゃん。
こんな夜更けにたくさんの人たちが働いている。
北海道から運び込まれた幼いホタテにロープを通す作業。
水揚げされたホタテを6時間かけて船で運び、それが到着するのが夜の11時なのだ。
がちゃんがちゃんと繰り返す音。
佐々木さんが機械で穴を開けている。
それをロープに通すのは、主に女性の役目。
作業が終わるとホタテはまたトラックに積まれ、海に持っていってすぐさまイカダに吊される。
家族総出でこれを朝方までずっとつづける。

この作業所は近隣の漁業者4人が共同で営む。
かってはそれぞれが独立したホタテの養殖をしていた。
ところが、津波で作業小屋を失い、船を流された。
1艘の船、1軒の作業小屋をみんなで分け合うことを余儀なくされている。
船が少ないので、作業性は低い。
生育していた稚貝も失った。
船を買い、家を再建するために、多額の借金を背負った。

「天国と地獄」
と佐々木さんは言った。
かってホタテの養殖は稼げる商売だったが、いまだ生産は回復せず、年収は70万円に留まっている。
船や作業場や養殖筏を含め、被害の総額は1億5000万〜2億円に及ぶという。
だが、悲観することはないと思った。
これだけおいしいホタテを世間が放っておくはずはない。
一度口にすれば、普通のホタテはもはや食べることができない。
りんご同様に応援することを約束し、活気に満ちた深夜の作業場を辞した。


翌日、一行はりんごの植樹を手伝った。
米崎町の一角に作られる岩手県農業技術センターによるりんごの新品種の展示場。
ジョナゴールドやふじの色も形もよくなった改良バージョン。
米崎りんごをさらに「希望」に満ちたものにするための実証実験である。

持ち慣れないスコップを握って穴を掘る。
苗木を運んで穴に入れる。
覆っていた不織布や茎を束ねるビニタイを取り除く。
土をかけ、肥料を与える。
大勢で手伝ったので、2時間ほどの作業で120本の植樹を完了することができた。

(別れを惜しむ、ラ・テール洋菓子店の中村逸平グランシェフと、りんご生産者の金野秀一さん)

いろんな人に会い、復興のたしかな足取りを目にした。
目を見て、話をして、短い間であるけれど希望や悲しみを共有する。
ささやかな応援のお礼に、心のかばんには思い出をいっぱいもらって、私たちは陸前高田米崎町を後にした。(池田浩明)

ご協力いただいた方々・団体

大和田晴男・三代子
大屋果樹園
櫛澤電機製作所
こんがりパンだ パンクラブ
金野直売センター
グロワール
Zopf(ツォップ)
日本製粉株式会社
ブーランジェリー ボヌール
マルグレーテ
民宿志田
米崎町女性会
米谷易寿子(ワーク小田工房)
ラ・テール洋菓子店
ラブギャザリング
和野下果樹園
その外、ツアー参加者の方々

写真・小池田芳晴(シミコムデザイン)
パンを届ける comments(0) trackbacks(0)
まさにゆるいカオス! すぎなみフェスタ!
11月9日10日の土日に杉並区が音頭をとって行われたすぎなみフェスタ」。

会場となったのは杉並区の桃井にある「原っぱ公園」という、
とっても大きい、しかし本当にほとんどが原っぱになっている、
今時大変に贅沢な公園です(公園に隣接してかなりハイグレードだと思われる
分譲マンションとクイーンズ伊勢丹があります)。

我が家のものすごく近所で、
しかも杉並区のパン屋さんやスイーツ屋さんが大集合する
すぎなみパン祭りやすぎなみスイーツフェアも同時開催されるとあって
大変楽しみにしていましたが、
正直、このイベントをナメてました。

どうせ、「なんか、こう、ゆる〜〜い感じのイベントだろ?(半笑い)」と。

しかし行ってみてビックリ仰天。


巨大なガチャピンがいるわ(中に子供が入って遊べるようです)、
なぜか神輿が人ごみの中を縦断してるわ(担いでいいですよ〜と勧誘されて
正直困惑した)、


なんか、ものすごく有名なゆるキャラが闊歩してるし
(「ちっちゃいおっさん」、変なおじさんがいる…とツイートして
突っ込まれた…)、


初めて見るけど、なんだか可愛いゆるキャラもいるし、


ネギをしょってるのもいるし、


西国分寺発のゆるキャラ、何度か見たことある「にしこくん」もいるし、


ステージには杉並区のキャラクター「なみすけ」もいるし(声が結構甲高くて、ちょっと
ビビった。あとプロフィールに「子犬くらい(見る人によっては大きさがちがう)」と
書かれていたのに納得。でけーもん。このなみすけ)。

さらに子供たちを狂喜乱舞させる「仮面ライダー鎧武」のショー、
武田鉄矢プロデュースという謎のアイドルグループ「赤マルダッシュ☆」のショーなど、
壮絶なカオス感のあるてんこ盛り状態の、ガチイベントでした(ゆるいけど)。

消防車に乗れたり、白バイに乗れたり、防災用の食料の試供品を配っていたり…と
ゆるくないのもてんこ盛り。


まさか、ここまで大規模だったとは……。


パン祭りの方も、杉並区の20店以上のパン屋さんが参加するかなり大規模な
ものでした。


おかげで人手もすごい!


パン屋さんやスイーツ屋さんだけでなく、
富士宮焼きそばなどの全国のB級グルメや物産などもかなりありました。
地方の観光アピールのためなのか、地方の物産はどれも格安でしたよ。


肝心のパン祭りの方はというと、
あまりの人の多さに、正直ひるんで、
並びが大きいパン屋さんは避けて、
自分が行ったことのないお店のパンを
いくつかしか入手できないというヘタレぶり。


阿佐ヶ谷の南口からちょっと行った所にある「聖庵」の
とっても可愛いキャラクター3色パン。


西荻窪のパン屋さんは行き尽くしたと思っていましたが、
まだ行ったことがないお店が。
「ファンハウス」のあんバナナパイ。
バターが香る生地の中にあんことバナナ。
ちょっと意外な組み合わせですが、めっちゃ合いました。


こちらはシーズマン・ベーカーのパン・ド・ミとぶどうパン。
マダム・シュープリーズのカンパーニュ。
パン・ド・ミはここ最近食べた食パンの中では
ダントツの粘り気。
生食もいいですが、結構しっかりトーストしてもモッチリ感がまったく
衰えないので、カリモチ具合が最高。
毎朝食べたい系のナイス食パンでした。

まだまだ杉並区にも行ったことがない、美味しいパン屋さんがあるんだなぁ〜。

というわけで、めちゃくちゃ面白かったすぎなみフェスタ。
ちょっとナメててごめんなさい。
来年も絶対に行きます。

【ナカムラ】

パンラボ


サッカロマイセスセレビシエ

まさこジャム
楽天JUGEMテーマ:美味しいパン
ナカムラ comments(2) trackbacks(0)
いまコンビニのパンはどうなっておるのか?
セブンイレブンの金の食パンがたいへん注目を集めるさなか、私としてはNEWDAYSの地味ながんばりが気になっております。
NEWDAYSとはなにか、一応説明しておきますと、JRのエキナカにあるコンビニでございます。
PANESTシリーズはNEWDAYSのみならず、KIOSKでも売ってますので、なかなか遭遇率は高いです。

気になるというのは、たとえば映画「清洲会議」のコラボシリーズ。
「これがは『KIOSK会議』で出来た商品である」との惹句がついているのです。
「ます」ではなく「である」と。
あえての高飛車さがなんかもやもやさせるわけです。
そしてKIOSK会議なるものが開かれたと。
JRの偉い人が本社会議室に勢揃いした社運を決する会議なのか、あるいは係長以下、担当者数名による、地味なうちあわせをKIOSK会議と称しているのか。
いや、もっとも気になるのは、ここに三谷幸喜その人が参加したのかどうかでありましょう。
たしかに、清洲会議商品の一部には、さりげなく「三谷幸喜監修」が謳われているわけです。
つまりこれに関しては、三谷幸喜が自ら考案したと。

私がいちばん感心したのは「三谷幸喜監修 カレーパン会議」という、カレーフィリングにあらかじめ福神漬けがインしているという代物。
いい組み合わせではありませんか。
カレーというのは、とにかくむわーっと辛さなりコクなりがこれでもかと攻めてくる性質のものであります。
それを反対ベクトルのさわやかテイストによって緩和するというのが、福神漬けの唯一最大の役割なわけです。
それを最初から混ぜ込んできたと。

たしかに、います。
皿の端っこについた福神漬けを、ルーとごはんといっしょにぐわーと混ぜてから食べる人が。
私は別々に食べたい派であり、そうした眺めというのは、いささかトゥーマッチだなと。
福神漬けというものは自分が必要としたときに、スプーンのさきっちょでちょちょっと1、2かけらを小器用にすくって食べるもんだと思っておりました。
ではありますが、最初から混ぜ込んじゃうのもけっこう乙だとはじめて認識をした次第です。
これを、トーストに置き換えれば、最初っからバターなり、ジャムなりを全面的に塗り広げてから食べる派と、一口ごとにのっけて食べる派の論争ということになります。
もはやコンビニの話ではなくなってきましたが。

で、NEWDAYSについて気になっていることは、これだけではありません。
私はマニアックなもんで、袋パンの袋をひっくり返して裏まで見てしまいます。
あるものは第一パン、あるものは敷島パン、そしてあるものは神戸屋。
いわゆるPB(プライベートブランド)、パッケージこそ「PANEST」と冠しておりますが、製作は大手製パン会社の多国籍軍なのです。
この事実だけでもユニークなのですが、さらに興味深いことがあります。
「秋田ジャージー牛乳クリームパン」
これの裏をひっくり返すと、東北の雄「シライシパン」の名前が。
たしかに、バニラよりもミルク味のかったクリームは素朴で、みちのく感を感じさせます。
あるいは、どこの会社のどういうパンか失念したのですが、他にも東北のメーカーのパンがありました。
つまり、NEWDAYSでは、JR東日本管内至るところのパンメーカーとコラボをしているのです。
毎日がちょっとした「ご当地パンまつり」であり、マイナーメーカーの袋パンを発見するのが楽しみです。

と思えば、ローソンのがんばりも見逃してはなりません。
ちょっと前、クイニーアマンという(私的に)スマッシュヒットを飛ばしていたように、ごりごりの新製品路線というより、ちょっと王道、ゴージャス路線に、ローソンの妙があるわけです。
で、最近の注目商品は、なんといってもエッグベネディクトです。
エッグベネディクトって、ペニンシュラだとかリッツカールトンだとかそういう高級ホテルで優雅に食べるものだと思っておりましたが、コンビニで食べられる時代になりました。

エッグベネディクトといえば、サラベスですね。
その前には「世界一の朝食」が一世風靡しましたが、「世界一」とこられた日には、他の朝食はどうしたらいいのか、と他人ながら心配しておりましたところ、「朝食の女王」という称号があったもんだと、感心したことを覚えております。
私もミーハー精神を発揮し、新宿ルミネに駆けつけたわけですが、さすがにうまいものでした。
で、いまやあせつつある、記憶のイメージをひっぱりだしてみると、このローソンのエッグベネディクトは、少なくともビジュアルは再現性が高いのではないか。
低価格という制限の中で、それをやっただけでも、拍手ぱちぱちものだと私は思います。

それと、もうひとつ言っときたいのですが、最近、近所のスーパーでシベリアを見つけました。
前からあったかもしれないですが、急に目についたわけです。
もしやあの飛行機アニメ映画の影響で急遽投入されたのでしょうか。
すごいな、ヤマザキの時流に乗っかり具合は、と。
袋パンとしての完成度だってなかなかのもの。
シベリアの真ん中の黒っぽいところは、水ようかんです。
袋パンというのは、その性質上、ぱさつきがち。
水ようかんはそれをカバーするのにとても都合がいいわけです。
飛行機映画の時流関係なしで、なかなかいいもんだと、私は思いました。(池田浩明)

パンラボ


サッカロマイセスセレビシエ

まさこジャム

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The City Bakery とPanlabo & THE CITY

The City Bakery 品川 

品川駅港南口アトレ2階に昨日オープンした。
大阪で第1店舗がすでにオープンしていて、スペシャリティのプルッツェル・クロワッサンは毎日行列が絶えないこともナチュラルに耳に入ってきていたので、
東京オープンをちょっと楽しみにしていた。

なんせNEW YORKとあらば、ヌューヨークと書きたくなってしまう世代ですから。うは!

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珈琲は深煎り系でバランシー。好みの味だ。

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自分が描くNew Yorkとは、
10代はウルトラクイズで、20代はウディ・アレンで、30代はSEX & THE CITYで、40代は、え〜っと40代は
なんだっけ? 直近なのに思い出せない。強いてあげればgleeで生徒たちが目指す、empire state of mindな場所かベッカムとビクトリア夫人がブルックリンくんをメイキングした場所というイメージか。
昔読んだ本に、ニューヨークとパリは20代で行け!とあったので必死に憧れたけれど、いまだヌューヨークに行けずじまい。
40代に突入し、認めたくないけれど少しエネルギーが枯れてしまったのかもしれない。


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スペシャリテのプルッツェル・クロワッサン。
表面にはプルッツェルな塩がふってあるためか、最初の一口、二口では塩気が立って、
中に進むほどに甘さが襲ってくる。
見た目以上にボディがある。
ニューヨークで生まれたベーグルにも通ずるボディといえばわかりやすいか。
カルビな旨さのクロワッサンではなく、ロースな旨さのクロワッサンとでもいえばいいか。
とにかく噛むほどに美味しい。

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ホールウィート・クロワッサン
ポップの枠が茶色。
茶色はニューヨークと同じという意味。

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バゲットは2種類あった。
ポップの枠はブルー。
ブルーは日本オリジナル。

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ブルー

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ブルー

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ブラウン

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ブラウン

ムッシュはクッキーのいい香りに魅き込まれていた。
マフィンの旨さにも感嘆していた。

そして叫んだ。

「ニューヨークへ行きましょう!」

すげーな、ニューヨーク。
クッキーとマフィンだけでムッシュをテレポーテーションさせてしまった。
実はムッシュもN.Y.未体験。


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ブラウン 多彩だ。

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ブラウン 多彩だ。

sex & the cityでキャリーが仲間に配ったチョコレート・ブラウニーが
このお店のものだったと、カウンターで試食中だったこんがりパンだ パンクラブのひのさんが教えてくれた。

やば!sex & the cityは全部観たけれど、前記したようにもはや遠い日の花火みたいなもんで、大局では覚えているけれど細かいところは全部忘れている!
アメリカ系テレビドラマは今はglee以外は答えられない。
え〜っとブラウニーのエピソードは何シーズンの何話目だったっけかな……

続けざまにひのさんにsex & the cityでは誰が好き?と聞かれて慌てた。
まさかそのような質問が来るとは思っていなかったからだ。
パン好きの方々がぶつけてくる質問は常に剛速球で、自分はいつも緊張しているけれど、
急にナックルが来た。チェンジアップもあるのか!!

ス、ススス、スキッパーです。ミランダの元カレっつーかアッシーのスキッパー。
ミスター・ビッグと天秤にかけてスキッパーを選択してみた。

ひのさんは10年前からニューヨークの本店でプルッツェル・クロワッサンを食べていたそうだ。そしてその美味しさに魅了され、スーツケースいっぱいになるほど持ち帰っていたそうだ。
本流のスタイルは「プルッツェル・クロワッサン&ホットチョコレート」だとか。
う〜ん、カッコイイなぁ。
ホットチョコレートには大きなマシュマロが入っていて、とても美味しそうだった。


ムッシュとの帰路、ずっとニューヨークの話ばかりしていた。
The City Bakeryで、40代前半と40代後半のおっさん二人に火がついてしまった。


パンについてはムッシュが触れてくれることでしょう。

(かし)

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太陽と星空のサーカス
世田谷パン祭りや青山パン祭りを筆頭に、
祭り、フェスタ、バザール、マルシェなどなど、
パン関係のイベントが目白押しだった秋が終わろうとしております。

今年は仕事がちょっと忙しかったこともあり、
なかなか大物のイベントへは足を運べませんでしたが、
近場の小規模なイベントには行くことができました。

まずは10月18〜20日(最終日は悪天候のため中止になったようです)に
中野セントラルパークで行われていた「太陽と星空のサーカス」をご紹介します。

ライブあり、ワークショップあり、雑貨あり、家具屋あり、八百屋あり、古本屋あり、
コーヒー屋あり、そしてパン屋さんや様々なフードが楽しめる
野外イベントでした。


テントがいくつかあり、その中ではライブが行われたり、映画が上映されたりします。
「つみきのいえ」(とっても素敵な短編アニメです)の上映も。


すんごいカッコいい車の移動式本屋さん「BOOK TRUCK」。
車の中にも本がいっぱいでした。


こちらもまたまたオシャレな八百屋さん。「青果ミコト屋」。
変わった野菜も多く、どれも気になるものばかり。


板橋本町にあるベーグル屋さん「HIGU BAGEL & CAFE」も出店してました。
ベーグルとスコーンをゲットしましたが、
家に帰ってトースターで焼き直したら絶品でした。
とくにチョコのスコーンは表面のクリスビー感と中のふんわり感の対比が
とてつもなく旨かった…。


ド迫力のサルシッチャがぶら下がっていた
Solt & Soil」。


サルシッチャをメインにしたフードを販売してました。
これがまたこんな感じで……。


サルシッチャはもちろん、野菜、特にインゲンがめっちゃ旨かった。
こちらのお店は飯田橋にオープンしたばかりだそうで、
「TAKIBI BAKERY」というパン屋さん(?)がディレクションしているとか。
ウワサではランチは1000円でパン(TAKIB BAKERYのもの?)のおかわり自由だとか!


こちらはその「TAKIBI BAKERY」。
ハンバーガーを販売してました。
野外での出店ですが、ラクレットオーブンでチーズをトロトロにして
はさむ徹底ぶり。


ゴマがたっぷりのバンズ。
ハンバーガー、食べてみましたが、このバンズはイカしてましたよ。

本文中、店名にリンクをいくつか貼ったので、ご覧頂くとわかると思いますが、
雑貨のお店も、家具のお店も、
ワークショップも(鳥のおうちに絵を描くワークショップというのが楽しそうだったなぁ〜)、
フードもコーヒーも、
出店している所がなかなかにセルフプロデュースが徹底しているお店ばかりで、
ものすごくオシャレで面白い。

ちょっと周りきれませんでしたが、他にもいっぱい美味しそうなパン屋さんが来ていました。

太陽と星空のサーカス、他にも色々なイベントを企画していたりするようなので、
また機会があれば遊びに行きたいです。


それにしても中野。
北口のロータリーはものすごく変わりましたね〜。

明治大学の中野キャンパスが出来たり、
キリンの本社が出来たり…と大変盛り上がっております。
もともと中野ブロードウェイやサンプラザ中野などもあって北口は
栄えていましたが、一段とすごいことになってます。
飲屋街の猥雑さ、ブロードウェイを中心としたヲタク文化、
さらには新しく出来た施設のオシャレな感じ、
色々なものが楽しめる街になってきました。


この秋、行くことができたもう一つのイベント、
「すぎなみフェスタ」についてはまた後日書きたいと思います。
こちらも鎧武(仮面ライダー)が来るわ、アイドルは来るわ、ゆるキャラは闊歩してるわ、
消防車や白バイには乗れるわ、おみこしが出てたり、巨大ガチャピンがいたり…で、
相当な盛り上がりぶり(カオス!)でした。
パン屋さんも杉並区のパン屋さんが大集結してました。

それではまた。

【ナカムラ】

パンラボ


サッカロマイセスセレビシエ

まさこジャム


ナカムラ comments(0) trackbacks(0)
キャラパンコレクション
くまモン(家にぬいぐるみがあるぐらい好き♥)、ふなっしーを筆頭に
ゆるキャラブームに沸く日本。

あまりの盛り上がりぶりに、
かつて、みうらじゅん氏が提唱していた、
荒削りなところがむしろイイ、いわゆるほんと〜にゆるい「ゆるキャラ」では
なくなってきている気もするけれど
(くまモンは超一流のクリエーターの手による計算されたキャラクターだと思う)、
とにかく日本はゆるキャラブームなわけです。

パン屋さんにも昔からアンパンマンを筆頭に数多ものキャラパンが
キラ星のごとく輝いております。

というわけで、今回は今まで撮りためていた
キャラパンを一度まとめてみようじゃないか…と思い立った次第です。

地域活性化の一翼を担う地方のゆるキャラ、漫画と連動しているキャラパン、
狙ってないのにとんでもなくゆるくなっちゃったキャラパンなど、
結構いました、すんごいのが。


エントリーNo.1
「コマネチパン」


BSフジのビートたけしさんの番組「たけしの等々力ベース」
池田さんが出演する際に共に出演して下さった
「ネモ ベーカリー&カフェ」の根本さんが作ってくれたコマネチポーズの
巨大なパン。これにはたけしさんも喜んでいたとか。
フォッカッチャ的な生地で塩気が効いていて美味でした。
一目でコマネチと叫びたくなる、素晴らしい表現力です。


エントリーNo.2
「う〜なぎチョコパン」


今年の夏、セブンイレブンが土用の丑の日に合わせて
限定販売したチョコパン。
ご覧の通り、思わずおののいてしまう見た目のインパクトに
ネットでも大変話題になったようです。


いやがる後輩を説き伏せ、手の上に乗っけてみたの図
(手がチョコでべたべたになってました)

サイズもなかなかデカく迫力抜群。
解剖した所、ビスケットっぽい水分少なめのパン生地にチョコがコーティングされており、
背中部分にはカスタードっぽいクリームが仕込まれていました。
くねり具合などに結構個体差があり、
凝視しているとなんだか可愛くなってくるから不思議です。

夏なのにチョコパン、しかもおそろしくシュール、多分作るのも大変だと思います。
この企画を通したセブンイレブンの遊び心に拍手喝采を送りたい!


エントリーNo.3
「王子のぶた」


アンデルセンで見かけたぶたさんのパン。
キャラパンでこんなに可愛いのはなかなかないですね。
アンデルセンでは童話シリーズのパンをたまに
リリースしているそうです。
数々あるキャラパンの中でも、かなり手間のかかる部類な気がします。


エントリーNo.4
「にんぎょ姫」


王子のぶたと同時に発見したアンデルセンのにんぎょ姫。
ゼリーとフルーツの海からにんぎょ姫の尻尾が突き出している…という
かなりシュールな絵ですね。
実食してないのですが、めっちゃ美味しそう。


エントリーNo.5
「ざりがに君」


夏休みシーズンに高田馬場の行きつけのパン屋さん
「パンピーノ」で遭遇したざりがに型のキャラパン。
お店の外のテーブルで親子でパンを食べていた子供が
トレーを返しに来た時に、
「ざりがにぱん、おいしかった〜〜」と言っていたのが
印象的でした。


目はホシブドウ、
胴体はチョココロネがベースに。
キャラメルクリームが胴体に入っています。


エントリーNo.6
「カメロン」


西武新宿線の上井草駅にある「サンエトワール」で遭遇。
メロンパンがあら不思議、カメに変身。
ネーミングが心に刺さりました。


エントリーNo.7
「カメロン」


カメロンと同時に「サンエトワール」で遭遇。
クマとならんでキャラクター界のスーパースター、
パンダをモチーフにしたパンダパン。
一体一体目の位置や黒い模様が微妙にことなり、
福笑いの様相を呈しております。
個体差=手作り感があるキャラパンは大好きです。


エントリーNo.8
「すいぞくパン


京都の漫画家「グラサン師匠」がお土産に持って来てくれた、
現在もまだ展開中のようです。
京都からはるばる泳いできたため、ちょっと写真写りが
悪いですが、本当はめっちゃ可愛いパンです。

同時にお土産で頂いた季節限定の「あゆドッグ」は色んな意味で凄かった…。


エントリーNo.9
「シマパンのキャラパンたち


アートブックフェアのために三軒茶屋の「ブーランジュリ シマ」の
島シェフが作ってくれた、パレードができそうなほどのキャラパンの数々。
あまりの種類の多さと可愛さに感動しました。
「からすのパンやさん」をリアルに再現した本当に楽しい子たちでした。


エントリーNo.10
「チョコ太郎


ざりがに君を発見した
高田馬場の「パンピーノ」で遭遇したキャラパン。
週刊モーニングで連載中の「しばたベーカリー」という漫画との
タイアップパンです。
いろいろなパン屋さんでそのパン屋さん思い思いのチョコ太郎を
作って貰っているようです。
単行本の発売を盛り上げよう…という企画のようですが、
パン屋さんも盛り上がるし、これは楽しい!


エントリーNo.11
「ムジナもん


東北自動車道の羽生SAの「ドンク」で遭遇した
パンラボTwitterのフォロワーさんのタレコミ情報によると、
秋葉原のドンクにも秋葉原のゆるキャラパンがあるとか。
地方自治体、どこもゆるキャラに力入ってますね〜。


エントリーNo.12
「西荻ハリーくん


自分がよく行く西荻窪の「えんツコ堂製パン」の
ゆるキャラというよりはむしろアイドル、ハリーくん。
ハリネズミ型の白いパンの中身は、めっちゃ美味しい
ビターなチョコが入ってます。
どこから齧るか、真剣に悩みます。

結構遭遇してますね〜、キャラパン。
パンという限られた表現力の土俵でキャラクターを作ると
狙ってないのにゆるくなったりして、それがまた可愛かったりして。
なんにせよ、子供が喜ぶパンは間違いなく正義だと思います。
まれに、自分みたいなおっさんも喜びますし。

今後もキャラパンはライフワークとして
コレクトして行きたいと思います。

【ナカムラ】




DSC_0349.JPG

ぶっこんでみた。
ナカムラタクミの魂胆はすべてお見通しだ!
このカニパン・ザ・グレートで吹っ飛ばしてやる!
ウワーハハハ!
(かし)
ナカムラ comments(2) trackbacks(0)
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