パンの研究所「パンラボ」。
painlabo.com
パンのことが知りたくて、でも何も知らない私たちのための、パンのレッスン。
小麦の収穫を体験する
子供のための絵画・造形教室『代々木公園アートスタジオ』が開催する「麦を育てよう、パンを食べよう」に参加しました。
アートスタジオを主宰する鈴木完さんご一家が、千葉内房・鋸南町にある山を切り開き、自分で家を建て、畑を耕し、薪窯や五右衛門風呂まですべて自作というから驚きです。
定期的にイベントを行い、子供たちとその体験を分かち合っています。
昨年から行っている農業体験、今年は2回目の収穫。
小麦を刈るのは私にとってもはじめての体験となります。
いつもお世話になっているカタネベーカリーの片根大輔さんもいっしょです。

奥行き2、30mの畑に、4、5本の畝。
これを大人と小学生合わせて10人ほどで刈ります。
一握りの麦は、鎌を入れるとざくっという手応えとともに案外簡単に切り取れます。
けれども、無農薬の畑なので、ともすると雑草が混ざり込み、取り除くのは案外やっかいです。
折しも30℃を超える日の日盛り。
汗だくとなりながら、およそ2時間ほどかかって収穫を終えました。
子供たちはそのうちに飽き、虫取りや遊びに興じていましたが。
これだけの苦労をしてできるパンの量は、バゲットで50本分だそうです。
この10人の1週間の食事も満たすことはできません。
普段なにも考えずばくばくパンを食べていましたが、食料を得るのはなんとたいへんなことか。
ものの本で読んだことがあるのですが、ひとつの畝1mの小麦でロールパンがやっと1個だそうです。

そのあとは昼食の用意です。
子供たちがきゅうりやピーマンを自分で収穫。
とれたてのきゅうりはおいしく、野菜の嫌いな子供でもどんどん手が伸びます。

薪窯ではピッツァを焼きました。
子供たちも自分で生地をのばし、具材をちらします。
「窯がすごく楽しいんだよ」
と片根さんも普段扱わない薪窯でのパン作りを楽しんでいます。
薪で焼くパンは、自然の中という環境もあってか、自分で作ったとは思えないほどおいしいものでした。

刈り取って終わりではありません。
小麦を紐で束ねていく作業。
長さや方向がばらばらであるため、簡単ではありません。
束ねきれない麦の穂がばらばらとこぼれ落ちます。
もったいないので、あとから拾いました。
ミレーの『落ち穂拾い』という有名な絵。
なにげなく見ていましたが、あの意味がはじめてわかりました。
なんとはなしのわびしさが画面に漂っていますが、たしかに落ち穂をいくら拾ったところで、どれだけのパンにもならないのです(なにしろ1mでロールパン1個ですから)。
でも、拾わざるを得ない。
農民がそれだけ貧しいということでもあるし、労働や自然の恵みへのリスペクトを表現もしているのでしょう。

竹竿にすべての麦を干し終え、夕刻にやっと仕事は完了しました。
疲れてはいましたが、自然の中での労働は、むしろ運動のあとのように爽快なものです。
子供たちも、遊園地やスーパーのゲームコーナーにいるときよりも、ずっと活き活きとしているように私には見えました。
農作業は楽しい。
苦労して育てた麦がパンに変わるときは、どれほどのよろこびでしょう。
麦は脱穀や製粉を経たのち、この薪窯で、片根シェフの手によってパンになるとのこと。
そのイベントの日が楽しみです。(池田浩明)

麦を育てよう、パンを食べよう


『パンの漫画』発刊記念イベント @新宿紀伊国屋


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パン屋さんと友だちになろう! 堀道広×池田浩明 in 新宿紀伊国屋書店
『パンの漫画』発刊記念イベント「パン屋さんと友だちになろう! 堀道広×池田浩明」が、新宿の紀伊国屋書店本店で行われます!
人見知り漫画家・堀道広さんと人見知りライター・池田浩明さんが、トークショーという機会を利用して、ご参加頂く皆様とともにゲストのパン屋さんとお友達になるトークショーです。

ゲストはお二方。
堀さんのアトリエ近くにあり、よくパンを買っていて顔見知りである、ヨシダベーカリーの吉田稔さん。
堀さんに負けない、いやそれ以上の無口である吉田さん。
本当に仲よくなれるのか、たいへんスリリング。
「沈黙を楽しむトークショー」という新たなジャンルに挑戦いたします。

イラストレーターやアーティストたちと親交のあるサブカルなパン屋、シンボパンのシンボユカさん。
立川駅前の飲屋街に忽然と現れるポップなベーカリーカフェ。
かわいくも、ややぶっ飛び気味のインテリアや食器、BGMを見聞した池田さんが、この人なら堀さんときっと友だちになってくれるはずだ、とオファーしました。

お二人は、代々木上原の名店カタネベーカリーでいっしょに修行されたこともある関係。
もちろん、カタネイズムを引き継ぐパンはおいしく、かつそれぞれの個性も付け加えられ、町のユニークな存在となりつつあります。

当日は、吉田さん、シンボさんにはパンをお持ち頂き、皆様とともに試食も行います。
パン屋さんの説明を聞いて食べるパンは格別となります。

吉田さんは、小麦の品種による味のちがいを楽しめるよう、貴重な農家限定の小麦を使ったパンを披露する予定。
前田農産のキタノカオリを使った食パン、戸倉さん、中川さんの小麦を使ったカンパーニュなどからアイテムを熟考中です。

シンボさんは、池田も食べてうなったジャガイモのフォカッチャ、ジャムサンドなどを予定しております。

【新宿本店】 『パンの漫画』発刊記念イベント パン屋さんと友だちになろう! 池田浩明さん 堀道広さん トークイベント
日 時:2014年6月27日(金) 19:00 〜(開場:18:30)
場 所:紀伊國屋書店新宿本店 8階 イベントスペース
参加費:500円(パン付き)
おかげさまで満席になりました。

お申し込み方法はこちらをご覧ください。


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1000分の1個への挑戦 シェ・サガラ 相良一公
福岡から車で1時間の田主丸。
まさかこんな場所に、と誰もが漏らしたくなる田園地帯にそのパン屋はある。
シェ・サガラ。
オーナーシェフの相良一公さんは、クープ・デュ・モンドという、もっとも権威あるパンの世界大会に挑みつづけている。
この大会の日本代表に選ばれるのはほとんどが、ドンク、ポンパドウル、帝国ホテル、神戸屋といった、大手企業に所属する人たち。
ところが、相良さんは毎日営業をつづけるだけでも大変な個人店のオーナーシェフを務める。
その上にトレーニングを積み、大会ともなれば店を空けねばならず、負担はあまりに大きい。
では、個人店主は代表になれないのか?
例外は、飛騨高山トランブルーの成瀬正シェフ。
2005年の世界大会で3位となり、監督として2012年に日本を優勝に導いている。
相良さんはその成瀬シェフに師事していた。

「トランブルーには3年弱勤めました。
基本を積み重ねるという言葉の意味がはじめてわかりました。
工程を端折らない。
いちばん食べやすく、おいしそうなバランス、生地の厚さにする。
温度、タイミング…いろいろ説明はないが、作業のひとつひとつにすごく意味がありますね。
ひとつ大きいのは、高山という土地柄じゃないですかね。
すごく寒いところなので、発酵にむらができ、安定して毎日いいものを作るのがむずかしい環境。
だからこそ、ひとつひとつの作業を確実に積み上げないといけない」

常に行列ができ、遠方からの客が引きも切らないトランブルー。
レベルの高い商品を生み出す厨房は、空気も張りつめている。

「普段は楽しい方ですが、仕事に対してはすごく厳しい方でした。
修行中は仕事覚えるのに必死で、よそ見する暇がなかった。
それぐらいの仕事のクオリティ。
まわりに意識を向ける必要もなく、脇目もふらず。
いま思い返せば、それがあったから、自分の店を持つレベルにまで行くことができたと思います」

相良さんが、師の跡を継いで、クープ・デュ・モンドに出場するようになったきっかけとは。
「まったく別世界のことだと思っていたので、コンテストも興味なかったですよ。
成瀬さんがクープ・デュ・モンドに出るまでは自分がやるとは思ってなかった。
フランスまで成瀬さんを応援に行ったとき。
成瀬さんが3位に終わって、悔しくて、一晩中涙が止まらなかった。
じゃあ、自分がやろうって」

「いままで3回予選に出ました。
最初に挑戦した2008年大会の予選は勢いだけで決勝に残った。
その次(2012年大会)はダメでした。
スタッフがいなくて、クープ・デュ・モンド用の試作をやれる状況じゃなくて。
個人店の出場資格は、お店をしっかり経営できていることだと悟りました。
やってなきゃダメですね。
日々、考えてないと。
求められるものをどう表現していくか。
5種類の課題、そこに自分のオリジナリティを加えていく。
ベーシックな技術とオリジナリティが同居していることが条件。
基本がないと、応用できない。
きれいに、おいしく作ることに加えて、作業性やスピードが求められる」

2016年に本大会が行われるクープ・デュ・モンドの日本代表選考会は、2013年の3月にモバックショー(パンの見本市)の会場で行われた。
「直前は、睡眠時間が3時間になっちゃいましたし、7キロやせました。
小麦アレルギーもあって、皮膚がただれて、ゴム手袋もできない。
それでもあきらめず、1次予選の前は、1週間ぐらいで詰め込んで仕上げた。
予選でも通って当然ことはぜんぜんなくて、100%、200%のエネルギーを注ぎ込まないと一次予選も通れない」

相良さんは、ヴィエノワズリー部門(クリワッサンやデニッシュやブリオッシュなど甘い系)で決勝まで進出していたが、惜しくも敗退した。
「ヴィエノワズリー部門は、クロワッサンと4種類のデニッシュを作る。
終わったその日は、4年間の思いを出し切ったというすごい充実感。
気になるところもありましたが、トータルではできたかなという感じでした。
でも、あとから振り返れば、競技中に『これぐらいでいい』って感覚があった。
あまりに苦しくて。
自分のイメージに、現実が追いつけなかった。
精度が足りなかった。
求められていることと自分の作品との『ズレ』を感じていました。
余裕はあったんですけど、トレーニングで詰められなかった。
負けたということを受け入れられませんでしたね。
もっとやれたという確信。
逆に、まだやれる可能性はあるし、これからののびしろを感じました」

「あまりに苦しい」とはどういうことか。
私もモバックショーの会場で、大会を観戦したことがある。
パンを作っているところを見ても、素人の私に誰が勝っているとか負けているとかがわかるわけではない。
だが、空気だけは痛いほど伝わってくる。
選手たちはみんな人生を賭けている。
パン職人としてのキャリア、誇りをすべてこの日のために注ぎ込んでいる。
勝負に負けることは、自分に負けることだ。
そう思い詰めた人間だけが放つ極限の緊張感が充満しているのだ。

「真剣勝負。
自分のすべてを賭けられる場があるって、すごく幸せなことです。
あんなに凝縮できる場ない。
個人店の代表のつもりでやってますね。
成瀬さんが切り開いた道なので、広げていきたい。
広げなきゃ、せっかく通した穴がふさがってきている。
個人店は最初っからどうせ無理でしょ、って空気がある。
それがさびしい。
最初からあきらめるのはいやです。
審査員の方にも好みがあるでしょうし、他の選手と競ってるようなレベルでは駄目。
圧倒的に抜けるものを作らないと。
自分が不利だと思っていたら、勝てる勝負も勝てない。
大事なことは環境のせいにしないこと、言い訳をしないこと。
やってる本人が納得してないので、終わったときうちの娘も『なんで?』って言った。
でも、娘には言いました。
『そうじゃないよ。
自分の力が100%出せたなら、抜けてるはずだから。
それはお父さんが足りなかったからだよ』
断トツで抜けない限りは無理ですよね。
成瀬さんには『よかったよ』って言ってもらった。
それがすごくうれしかった」

審査員としてあの場にいた師の一言は、暗闇の中で明かりが灯ったように感じられただろう。
選手だけがわかる手応え。
審査結果とは別に、相良さんの基準で勝ち負けはついているのかもしれなかった。
それを漏らすこともないし、言い訳もしない。
相良さんは潔い人なのである。

「田舎だからできないって、言い訳をする人が多いんですよね。
うちだけじゃなく、どこの地方もそうだと思う。
地方だからフランスパンが売れないってみんないうけど、トランブルーを見たとき、そうじゃないって確信ました。
お客さんがお金を出して買うような、おいしいパンが作れてないというだけ。
言い訳したら可能性の扉は閉じられる」

師を見てしまった限り、「地方だから」は言い訳にできない。
それが相良さんをどれだけ強くしていることか。
田主丸で努力して人気店を作り上げた自信。
それを糧に世界一へのチャレンジをつづける。

「壁とか扉っていくつもあるけど、いま経験してるクープ・デュ・モンドって、でっかくて重い扉。
その先の景色を見たい。
その欲求だけで動いてます。
この扉が開いたらもっと楽しくなる。
もっと苦しくて、だからこそもっと楽しくなる。
いまだってこんだけ楽しいんですから。
本当にパン作ってて、毎日楽しい。
こんないい仕事はない」

クープ・デュ・モンドに挑むのは、技術に加え、体力、気力が必要だという。
アスリートと同じく、年齢的なピークがある。
時間は限られている。

「毎朝考えてる。
次は大丈夫かな、って。
朝はやる気になるけど、次回の予選がある3年後はどうなんだって不安がある。
それでもチャレンジすることで、得られるものがすごく多くて。
パンの見方というか、見る精度がまったくちがう。
普通に見るか、顕微鏡で見るか、ぐらいのちがい。
いつもとなにがちがうか、なんでこうなったのか。
探るのに必死です」

「1000個のうちの1個」。
そう相良さんは言った。
相良さんの目指すパンは1000個作ったうちのやっと1個が到達できるクオリティなのだと。
それを500分の1、100分の1へと精度を一歩一歩磨く。
大会でそのパンが作れたなら、他の選手たちに影をも踏ませず予選を勝ち抜くことができる。
どんな片田舎にいても、意識を高く持って、精進を怠らなければ世界レベルのパンは作れるのだ。
相良さんは日々の仕事でそのことを証明しようとする。

バゲット
ぱりぱりと割れる皮の軽やかさ。
その音はまるでガラスが割れるような。
粉々に散って白い中身にふりかかって、おいしさを倍加させる。
中身も軽く、そして舌をやさしく撫でる。
気泡の膜が薄く薄く広がっていることが、察しがつく。
それほどに唾液が滲み、たやすく口溶ける。
だから、このバゲットの甘さにはあまりに重さがないのだ。

バゲットに限らず、どのパンも焼き色は浅め。
そして食べ口は軽やか。
硬いパン、重いパンに慣れていない人にも食べやすく、地方という立地にうってつけである。

「クープ・デュ・モンドに出ることで学べたことはすごく多くて、感謝しかないです。
たとえば、僕、ハード系が苦手だったんです。
フランスパンに納得できなくて、丸ごと処分したこともあった。
苦手意識がある分、勉強しました。
バゲットも最初はもっと焼き込んでいました。
意味なく色をつけてたんですが、メイラード臭(焦げに近い香り)ばかりで、うまみがなかった。
甘みも、風味も引き出せていなかった。
バゲットって穀物の甘み、香ばしさ。
5年前から、バゲットおいしいなって思えるようになった」

メイラード臭=皮の焼き焦げた香り。
たしかに、強く焼けば強い風味にはなるけれど、淡い、ほのかな小麦の風味は飛んでいってしまう。
それを意識しているからこそ、焼きすぎない。
相良さんは基本を大事にする。

「配合じゃなくて、製法とかタイミングでおいしくする。
変わった粉ではなく、バゲットには、日清製粉のリスドオル(もっともオーソドックスなフランスパン専用粉)にグリストミル(日本製粉の石臼挽き粉)を少しだけ使っています。
いまはみんないろんな粉を使いすぎていると思います。
基本の3時間発酵、そこで甘みを引き出してパンを作れないと、オリジナルのブレンドに進めない。
小麦粉のポテンシャルを引き出せない。
3時間でどれだけ甘みを引き出せるかをやり込んだほうがいい。
ストレート法(基本となる製法)をやってると、他の製法も見えてくる。
骨格、ベースとなるもの。
たとえば、小麦粉の灰分を上げたからミキシングはこうしなくちゃいけない、ということもわかりやすくなる」

パン・トラディショネル(フランスパン)の基本製法であるストレート法3時間。
製法としてただ優れているのみならず、隠れたメリットもある。
方程式の変数が多すぎると解にたどりつけない。
まず基本を固め、それから粉を変え、発酵時間を変え、と変数に進まなければ、見失ってしまう。

「メロンパンの成形も苦手でした。
どうしても生地が切れちゃう。
なんでビスケット生地とパン生地を重ねて丸めるのかな。
それがなければきれいに上がるのにって。
生地だけ丸めて、ビス生地はシーター(生地を伸ばす機械)で伸ばしてから、くっつける。
そうすると、ダメージがないので、上に伸びるし、ビス生地はかりっとする。
苦手意識からそういう作り方になりました」
いまではこの店の名物商品になったという。

メロンパン
ビス生地の薄さ、菓子パン生地のふわふわぶり。
ゆえにひたすら軽やかに。
ビスケットは薄さゆえ小気味よく割れ、パン生地はふわふわゆえ味わいも軽く、舌触りはふさふさ。
メロンパンの常に似ず、もさっとしない。
1個を1個と感じないほどすいすい食べられる。

クロワッサンの軽さにも瞠目させられた。
バターはべとつかず、かつ香りは軽快に広がる。
皮は繊細で、中身はやさしい。
世界を狙うだけのクロワッサンだと思った。

「クロワッサンも、あらゆるところに気は使うんですけど、いちばんはタイミングですね。
生地の冷え具合と伸ばすタイミングでバターと生地の伸び方がちがう。
冷えてないのに伸ばすと、バターと生地が混ざっちゃう。
でも、冷やしすぎると、バターが伸びない。
その加減がむずかしい」

都会でも、立地条件がいい場所でもなく、生まれ育った故郷で勝負する。
田主丸への思い入れは深い。

「自分たちの売る商品は自分の手でやっていきたい。
ここらへんは果樹園が多いところ。
農家さんと直接やりとりして、形が悪いとか、傷みがあるものを使うことができる。
忙しいですけど、キウイを自分でドライに加工して使ったり。
そういう商品って遠方からのお客さんに受けがいいんですよ。
こんなところなんで、お客さんにはわざわざきてもらうことになる。
だから、自分のハードルは高く持ちたい。
うちの店に少しでも多くの人にきてもらって、うちから、いろんなお店やフルーツ産業に行くような形が作れれば。
それが町への恩返しになる」

地産地消、地域に消費者を呼び込み、地域でお金を循環させる。
それが町おこしになる。
世界を見据え、地元から目をそらさず。
パン職人はこんなに大きいことができる。(池田浩明)

シェ・サガラ
福岡県久留米市田主丸町益生田873−12
0943-73-3680
8:00〜18:00(火曜・第2水曜休み)


『パンの漫画』発刊記念イベント 堀道広×池田浩明 パン屋さんと友だちになろう! 
ゲスト 吉田稔(吉田ベーカリー) シンボユカ(シンボパン)

JUGEMテーマ:美味しいパン
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遅ればせながらパンコレご報告。
遅くなりましたが、先日、東急ハンズ池袋店で行われました
「パンコレ」のご報告を行います。
おかげさまで昨年以上の大盛況。
なかには開店2時間前から入口前に並ぶ人も出て、約200メートルに及ぶ列ができました(ハンズ新記録とのこと)。
お待ちいただいたみなさまにはたいへんご迷惑をおかけいたしました。
それもこれも午前の部・午後の部総計30数店を数えるおいしいパン・パン・パンの群れに囲まれる快感を味わいたいがゆえのことです。

その中より、パンコレ限定で出品されたパンをご紹介いたしましょう。

サンドウィッチ・ワンダーランドは、
村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる3種のサンドイッチをレフェクトワールが再現。
なんといっても、西山逸成オーナーが神戸のトアロードデリカテッセンへ食べに行って再現した村上春樹仕様のハードトーストがすばらしい出来映え。
に表面だけ軽く焼いて、内側はしっとり、歯切れのよさがハンパないために、サンドイッチにうってつけなのです。

1種目「ハム・チーズ・きゅうりのサンドイッチ」。
組み合わせのなつかしさが無敵。
薄目にスライスされたパンが、ぱりっとしたきゅうりとシンクロ。
凝ったサンドイッチをいろいろ食べて何周もまわった末、やっぱり定番に帰る。
そんな味わいでした。

2種目「スモークサーモンのサンドイッチ」。
村上春樹の小説によく登場するホースラディッシュマスタードの、わさびに似たさわやかさが、サーモン、タマネギの辛みとすばらしく合います。

3種目「ローストビーフ・サンドイッチ」。
村上春樹は使用するパンについて「ホール・ホイートのパン」(全粒粉のパン)と書いています。
たしかに全粒粉のコクと甘さは、手作りのローストビーフのしっかりした肉味と相性があるのです。

ベーグルスタンダードの藪下穂さんは3種のベーグルサンドを作ってくれました。
一見不思議な組み合わせだが食べてみると大いに納得する、という外国で食べる料理のような印象を狙っています。
たとえば、「スモークサーモンとフィグクリームチーズのサンドイッチ」。
いまだ知られることのなかった、サーモンといちじくの香りの共通性と調和ぶり。
よく似た2つの味わいは一致しながら移ろい、サーモンになったりいちじくになったり。
ベースとなるのはクリームチーズとサーモンとNYベーグルという永遠の鉄板トリオです。

「顔の見えるパンコレ」というテーマを掲げた今回。
その主旨に賛同し、TOLO PAN TOKYOの田中シェフが作ってくれた「朝の麦」「夜の麦」。
群馬県産小麦を使ったベーグル「朝の麦」。
すがすがしさと感じられるヨーグルトのわずかな酸味が麦の甘さをコントラストによって引き出しています。
清らかな発酵の香りもまたしかり。
湿り気に富んでぷるんとした舌触りを持つまったく新しいベーグル生地が誕生しました。

一方、「夜の麦」を齧ったとき、こんな麦もあるのだ、という感想を呟きました。
表面に鼻を近づけ嗅いだときにはあまり感じられなかった麦の匂い。
ひとたび口に入れるや、すがすがしいフレーバーが激しくたちのぼり、たじろぐほど。
バターと生ハム、そしてコルニッションのピクルスという、定番のおいしさはいうまでもありません。

大阪グロワールの「リンゴの花の贈り物」。
陸前高田を支援する「希望のりんご」とコラボしたパン。
りんごジュース「点 TOMORU」と、りんごの花からみつばちがとったはちみつを使用しています。
いかにも食パンというしゅわっとした口溶け。
朝食のパンとしてぎりぎりを狙った甘さ塩梅。
うっすらと、陸前高田の丘の上に咲いていたのと同じりんごの花の香りがしてくることに感動を覚えました。

パンデュース米山シェフによる「顔の見えるパン」、熊本県の東さんが有機無農薬で育てたミナミノカオリ100%冷蔵発酵ブール。
麦の香りから情熱を感じることがあるのです。
激しさ、やさしさ、心地よさ。
ここまでの香りを引き出すためにどれほどの努力が払われたものか。
深々とした香りが、重いパンを想像させるにかかわらず、口溶けはマッハ。
このパンを食べると誰もが、国産小麦をきっと好きになるにちがいありません。

シニフィアン・シニフィエの「雪割り人参バゲット」。
志賀勝栄シェフの故郷・新潟十日町の「顔が見えるパン」。
発酵を操ることで、こんなにいろいろなパンが作れる。
志賀シェフのパンを食べたときのいつもの驚きをまたしても強く感じるのだった。
とんでもなくむちむちなのに引きが強いという意外性。
しょうゆのような香りと塩気にはじまって、そこからどんどん強まりいくにんじんの甘さ。
あまりににんじんの甘さが強すぎて、もはやにんじんらしくないというパラドキシカルなおいしさが現前します。

ル・ルソールの「ピーナッツバターサンド」。
天国。
ひと瓶くれと思わず言いそうになった、特製ピーナッツバターの香り高さ。
千葉県の有機栽培ピーナッツから手作りした「顔の見えるパンコレ」のパン。
ピーナッツのつぶつぶから飛び出すコクの爆発力は驚くばかり。
その激しい口溶けのあいだ、バゲットは強靱かつやさしい香りを放ちつづけていました。

メゾンイチ「三陸ワカメのそば粉パン」
磯の香りと塩気、そば粉の香り。
どれもがミネラリーなせいなのか、記憶のどこかをくすぐるせいなのか、なんともいえない相性。
リュスティックのように、薄い皮の中にしっとりと湿った生地が閉じこめられている。
アジをムニエルに焼いて、このパンといっしょに食べてみたところ。
磯の香り×磯の香りとなって、うまみもコクも全開状態。
今日は魚を買ったから海草のパンを食べよう。
なんて食生活になるととても楽しくなると思いました。

ロブション「バラのミニクロワッサン」
東京ガールズコレクションのために作られたこのパンをパンコレで再び作っていただきました。
ロブションのクロワッサンから漂うバラの香りには恍惚となるほかありません。

午前中の「全国の部」で人気の双璧だった2店。

あのZopfが「パンコレロール」を作ってくれました。
朝から行列を作ってお待ちいただいた多くの人のお目当てがこのパン。
パンの大敵であるはずの野菜の汁気さえ味方につける。
ふにゃふにゃにやわらかいライ麦生地。
大胆な味の組み合わせは、自由と楽しさを食べ手の心に宿します。
旨味に満ちたトマトの酸味にツナが反応し、ブイヤベース的な相性。
焼き切った表面のかすかな苦みまでも、味わいのアクセントとなります。

ツートップのもう1軒は宗像堂。
多くの人をとらえる味。
甘さと感じられるような充実した味わいに満ちて、同時に複雑さも息づいているのです。
「アーサゴーダ」では、華々しいあおさの香りはひとつながりにゴーダチーズのミルキーさへと変身。
とともに上記したようなパン生地の甘さ、塩気、酸味に出会い、さらに味わいは燃え上がるのです。

ブーランジェリー プーヴー「レモンあんぱん」
白あんにレモン。
レモンの酸味が襲い、白あんがしゅわっと溶ける。
柑橘の刺激、つづいてあんこの癒し。
レモンの快楽にさらに打ちのめされたくて、もっともっとと食べつづけてしまいます。

初の試みとなる「シェフ自ら売りまショー」。
パン屋さんとパンを食べる人が出会う場となりました。

金曜日はパーラー江古田の原田浩次さんにお越しいただきました。
酵母の使い分けや素材のことなど、説明を聞き、パンを食べると、なるほどとうなずくことばかり。
たとえば、食べて選んだという「カシューナッツと黒胡椒」に使われる黒胡椒。
普通の胡椒がただ刺激を与える用途だけに使われるものだとすれば、これは華やかな香りもあるのです。
また、原田さんにお持ちいただいた、広島産のおいしいチーズとパンを合わせたり。
ニッシンイクスの萩本麻里さんにお越しいただき、会場で販売された「カランケ」のオリーブオイルや野菜のペーストとともにパンを味わったりいたしました。

曜日は銀座レカンの割田健一シェフが、5種類のクロワッサンがセットになった「Croissant's」を携えて登場。
「割田追っかけ隊」も大挙訪れ、40セット用意した「Croissant's」はあっという間に完売いたしました。
箱の裏ぶたにはフレンチレストランさながらのメニュー。
朝、昼、晩に食べるクロワッサンがイメージされています。

「毎日のクロワッサン」はプレーン。
バターの甘さがのびやかなのが印象的。

「ハーブのクロワッサン」
サンダルウッドのような妙なる香りにオレンジピールの甘い香りが割り込んでくる。
バター感の中で合体し、新しい果物のような完全さを見せる。

「バニラ味のクロワッサン」
バターとバニラがじかにぶつかりあう新感覚の、夢見心地となる組み合わせ。

「アンチョビとシトロンコンフィチュールのクロワッサン」
アンチョビといえばレモンを搾りたくなる。
そこでレモンピールではなく、コンフィチュールをもってくるというひとひねり。
バターの海を泳ぐいわし。
レモンのぴりぴりとした酸味がいわしに網をかけ、一人歩きしようとする磯の香りをコントロール下に置きます。

「フランス産海草入りクロワッサン、わさび添え」
海草とバターの組み合わせといえば、フランスのボルディエ海草バター。
そのボルディエバターと同じ海草を使用。
芯に巻き込まれたわさびは辛味というより、クレソンのようなすがすがしい香気。
磯の香りとわさびは、寿司にも似て、洋であり和として違和感なく受け入れられました。

日曜日にやってきたのは、ブーランジェリージャンゴの川本宗一郎さんと、ヌクムクの与儀さん。
与儀さんは食パンやバゲットやセーグルといった王道のパンで驚かせてくれました。
ありえない食パン。
砂糖や油脂といった副素材の力はほぼ感じられないのに、味わいが濃厚。
水気を含んでぷるぷるとした生地が、あまりにも口どけよくあっさりと消え去ってしまいます。
セーグルもまた然り。
濃厚であって、かつ飲み込むストレスはゼロ。
こんなパンは食べたことないという感想が居合わせた人たちの口から漏れました。

一方、川本シェフは飛び道具の連発で対抗。
特にクロナッツは芯を食う出来だった。
クロナッツとはクロワッサンドーナッツの略で、NYでは数時間待たなくては買うことのできないほどの流行を見せています。
おいしいクロナッツをいつか食べてみたいと思っていたところに、川本シェフが作ってくれたのです。

ドーナツらしからぬ軽やかな食感は、層ゆえのエアリーな軽やかさ、
端切れよさによるもの。
意外なバターの軽さに不意を打たれ、すかさず揚げ油が代わってコクを差し出す。
そのヘビーさを完全に相殺するのは、表面にかけられたフランボワーズの鮮烈さ。
アイシングの直接的な甘さがコントラストとなって、バターの甘さがなお活きる。
これがクロナッツの醍醐味だったかとはじめて知りました。

パンはこんなにおもしろく、楽しい。
それを知っていただきたくて、走り回った3日間。
わざわざおいでいただいたお客様、ご協力いただいたパン屋さん、本当にありがとうございました。
次はどういう形になるかわかりませんが、またお会いできる日を楽しみにしております。(池田浩明)
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堀道広×池田浩明の即興漫画ライブ




6月7日土曜日、吉祥寺パルコブックセンターで行われた
「パンの漫画」発刊記念イベント、
その名も「即興漫画ライブ」。

説明しよう。
即興漫画ライブとは、
「誰かが出したお題に漫画家が、その場で、たった数分で、即興で、絵を描き場を湧かせる」
というなんとも無茶ぶりなライブである。

パンの漫画の発刊イベントでなんかネタがないものか…と堀さんと相談していたときに、

ナカムラ「漫画大喜利とかどうです?」
堀さん「けっこう得意です(キリッ)」

…と、めずらしく堀さんが(キリッ)としていたので、
ごく短い会話であらかた決まってしまったイベントです。


当日は池田さんのMCで会場の人からお題をつのりましたが、
実は打ち合わせ段階で、
「お客さんからネタが出てこない可能性があるから、ある程度ネタをストックして、
あらかじめ堀さんに考えておいてもらおう、スベったらやばいし…」
という準備という名の裏工作があったにも関わらず、
当日はお客さんからほぼ途切れることなくネタが飛んできて、
本当の本当に即興漫画ライブになってしまいました(汗)。

というわけで、以下、即興漫画ライブの模様を大公開。
この日堀さんが描いたイラストは全て会場のお客さんにプレゼントされました。

お題「中町が猫だった!?(中町はパンの漫画に出てくる刑事の若手の相棒)」

いきなりパンの漫画を読み込んで頂いた方からの、けっこうコアなお題でした。

お題「梅雨」

メロンパン的傘。

お題「矢追純一が好きそうなパン」

お客さんのお題がかなりアバンギャルド。
UFOバーガー。具が硬そうです。ガリガリしそうです。

お題「スケバン刑事の新キャラ クロワッサン・フランソワーズ」(池田さんのお題)

け、けっこう凶暴そう…。
ちなみにスケバン刑事クロワッサン・フランソワーズにやられたやつは、
パンのように折り畳まれて、クロワッサンにされちゃうそうです。怖っ!

お題「宮崎駿の次回作 堀道広ver.」

なぜか武士が主人公!? その名も「崖の上の長時間発酵バゲット」。
池田さんもツッコんでましたが、どっちかっていうと「武士の一分」、山田洋次っぽい。

お題「タモリがパン屋さんだったら」
相変わらず、お客さんのお題がなかなかにハイセンス!

ケンタッキーのカーネルサンダース的なタモリ。
なるほど、タモリが自分でやる…というより、もはやフランチャイズなんですね。

お題「となりに(今風なブーランジェリー)ができてしまった老パン屋」(池田さんのお題)

あらかじめ用意してあったネタだけに、これはトンチがきいてます。
お隣を孫の店にしちゃえば、師匠の店も旨かろう…とお客さんいっぱい来ますね。

お題「ふなっしーのお友達のキャラクター」
キタ、コレ。ふなっしーを見ないで描くというミッションをも堀さんに課す、手強いお題。

ふなっしーの目がやばいなっしー。
キチ・ジョージは堀さんが大好きなドイツ風のドーナツ「クラップフェン」がベースに
なっているキャラです。

お題「パンのベストイレブン」
今度は超大作になりそうなお題キタ…。ベストイレブンということは、11個描くのか!?

チャバタとリュスティックの描き分けがつかず…!
一番左下はなぜかパン粥です。
ワントップは堀さんの好物のタマゴサンドです。

お題「最強の敵」

池田さんがコーンパンが苦手…ということで、コーンパン的な強そうな奴。

お題「赤ちゃんとパンのキャラクター」
とっても可愛い赤ちゃんを連れて来て下さったお母さんからのお題。
ここは腕の見せ所っす。
ネコドッグ。
このイラストがよかったのか、会場の雰囲気にサービスしてくれたのか、
赤ちゃんがニッコリ笑いました。よかった〜〜!

お題「ワン・コロネオーネとニャン・コロネオーネとチュン・コロネオーネの戦闘シーン」
ひゃー、これはパンの漫画を読んでくださった非常にコアなファンからのお題です。

堀さんはこのお題に、三すくみで永遠に続く食物連鎖的な戦闘シーンを描きました。
ワン・コロネオーネを食べちゃう、チュン・コロネオーネには戦慄を禁じえません。

お題「パンの3ピースバンド」
みなさん、自分のお題のイラストを貰える…ということで、
後半はお題も欲張りになってきました(笑)。

力作です。ベンチタイムというのはパン生地を分割後に休ませる時間のこと。
この休憩時間をとると成形しやすくなるそうです。

お題「快適なパンの乗り物」

車やバスかと思いきや、人力車がきました。

というわけで一部はしょりましたが、
約1時間30分、会場のみなさん全員にイラストが行き渡るまで
描いて描いて描きまくった堀さん、お疲れ様でした。
あと堀さんが描いている間、ひとりで間を繋いだ池田さんもお疲れ様でした。

素敵な売場を作って下さっただけでなく、イベントに呼んで下さった
吉祥寺パルコブックセンターのみなさま、本当にありがとうございました
(まさかパンの漫画が週刊ランキングで1位をとるとは!)。

なによりも、参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
みなさまの温かさとお題のセンス(本当に皆さん、お題がハイレベルでした!)に
救われたこともあり、即興漫画ライブはなんとか無事終わりました。

次なるパンの漫画発刊記念イベントは…新宿の紀伊國屋書店本店!

6月27日金曜日、19時より、
堀さんの仕事場のすぐ近くにある馴染みのパン屋さん
「ヨシダベーカリー」の吉田シェフと
立川にある「シンボパン」の神保シェフを
ゲストにお迎えしたイベントです。

これまた、即興漫画ライブ同様、パンラボらしい
スリリングな実験的トークイベントになりそうです。
どうぞ宜しくお願いします。

お申し込み方法は紀伊國屋書店の特設サイトをご覧下さい。


【ナカムラ】



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堀節炸裂! パンの漫画発刊記念トークイベント!

5月31日、土曜日の夜に代官山蔦屋書店で行われた

「パンの漫画」発刊記念トークショー。


パンの漫画の著者、堀道広さんと池田さんコンビの

初のトークショーでした。



満員のお客さんを前に、ツカミのトークをする池田さん。



たくさんのお客さんを前にしても、いつも通りのゆるめの空気を醸すマイペースな堀さん。



漫画の作風そのままの堀さんがおいしい所を持って行ってました。


電車の中に映画俳優の渡辺謙さんがいて(!!!)、

堀さんちの子供をあやしてくれた…というエピソードはマジで必殺すぎる!


「パンの漫画」に収録されている中編漫画「不思議なパン屋を巡る小旅行」で

取材させて頂いた「cimai」、「なまけもののパン屋」、

さらに後日イベントのために取材させて頂いた「TOM`S SANDWICH」の

3軒の動画を会場で流しました。



1軒目は埼玉県幸手市にあるcimai。



なんだかお店にいるだけですごく幸せな気分になる、素敵なお店です。

個人的には超旨いコッペパンを使ったあんバターにドハマリしました。

食パンもスコーン(実家の家族に食べさせたら「今まで食べた中で一番旨い!」という

超高評価でした)もキッシュもクロワッサンもハード系も最高です。

ちなみにお店の横に出店しているコーヒー屋さんのコーヒーもめっちゃ旨いです。



2軒目は一見パン屋さんに見えないパン屋さん。

栃木県大田原市のなまけもののパン屋。

大量の風鈴がぶら下がっている…本当に不思議な雰囲気のお店ですが、

店内に満ちている香りも独特でした。



パンのラインナップのほぼすべてが食事パンですが、常連客がひっきりなしにやってきます。

実際、自分で1週間ぐらいかけて食べてみましたが、食べれば食べるほど

クセになるパンです。

ライ麦がたくさん入っているのでお通じも良くなって体にも良さそうです。


店主、奈良さんの人柄にひかれてやってくるお客さんも多いのか、

みな色々会話しながら買い物していました。


3軒目は今回のイベントの会場となった代官山蔦屋書店から目と鼻の先にある

代官山ヒルサイドテラスにある

「TOM`S SANDWICH」。



モダンで居心地のいい店内でアメリカンな

ナイフとフォークで食べるサンドイッチを食べられます。

歌舞伎役者の海老蔵さんも来店するというお店。



堀さんが食べた「ヒーロー」というサンドイッチ。

フランスパンに色々な具がてんこ盛り。

食べるときに中に押し込んで食べます。



自分が食べたのは「ベーコンキャベツ」。

炒めたてのベーコンキャベツをカリカリで厚めのトーストに

トッピング。

ご覧の通り、はさまってません(笑)。

シンプルだけれど、これが旨い。




イベント当日は、こうして巡ったパン屋さんの話に花を咲かせつつ、

なまけもののパン屋さんのパンを会場の皆様に食べて頂きました。


なまけもののパン屋を取材した時、

「近所の公園でパンを食べます」といったところ、

店主の奈良さんが大急ぎで公園にソーセージや鯖缶(!!)を

持って来て下さいました。

なんて良い人なんだ!


そのときに食べた「なまけもののパン屋さんのパン+鯖缶」が

目を見張るほどおいしかったため、

イベントではなんと鯖缶乗せのパンを完全再現してお出ししました。



鯖缶も奈良さんに頂いた物と同じ物を調達しました。



改めて食べましたが、本当にこの組み合わせは最高!

めちゃくちゃ旨いツナを乗せて食べている感じ。


脂の乗ったサバと、少し酸味があり独特の風味のあるパンが実によく合います。


なまけもののパン屋のパンは、さまざまなお料理はもちろん、

キムチや味噌などの発酵食品や中華にもすごく合うそうです。


煮物など汁気が多いものや脂がのってるものとの相性は、

自宅でも試してみましたがとっても良かったです。



というわけで、パンの漫画の裏話あり、パン屋さんの話あり、

不思議なパンの試食ありの代官山蔦屋書店でのイベント、

なんとか無事に終わりました。




最後に本にサインをする堀さんと池田さん。



堀さんと池田さんに

パンの中に住む男、クロックムッシュ氏、ドン・コロネオーネが描かれた

クッキーを差し入れして下さった方もいらっしゃいました。

すごい完成度で一同ビックリ!


最後に、ご来場下さった皆様、

代官山蔦屋書店の皆様、

本当にどうもありがとうございました。

またこういったイベントを出来たらいいな〜と思います。


【ナカムラ】



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ラオスパン

昨年、タイ/チェンマイでパン作りをしているかよちゃんから

「ラオスのパンはおいしい」と聞いた。


そして今年はタイからラオスへ行った。

といっても2月のこと/ハハハ。


ベトナムと同様、フランスの植民地だった時代があるラオスには

ベトナムに負けないくらいたくさんのサンドイッチ屋さんがあった。


パン屋さんはベトナムほど多くなかった気がするが、

小ぶりなフランスパンのサンドイッチは屋台はもちろん、

ちょっとした食堂やレストランなど、

あえて探さなくてもサンドイッチはすぐに見つかった。


見た目はベトナムのバインミーに似ているが、

ベトナムのように大根ナマスや胡椒が効いたレバーペーストを挟んだような

オリジナルのものはほとんどなく、

ハム&チーズや野菜とツナといった一般的なものが多かった。


これはツナ&オムレツサンド。一個100円くらいと安くてボリューム満点。




首都のヴィエンチャン、世界遺産の町ルアンパバーンには

フランス人経営のとってもおフランスな香りがするベーカリーカフェ「ル・バントン」があった。

ラオスのVIRONだと意気込んでみたが、VIRONのレトロドールを期待した私が悪かった。


その辺でサンドイッチになっている

ちょっと食パンチックなソフトタイプのフランスパンではなかったが、

VIRONのパンとはぢぇんぢぇん違った/涙



一緒にラオスに行った吉田さんは

ヴィエンチャンで食べたこの店のサンドイッチがとても気に入って、

ルアンパバーンでも食べようと言ったくらい。

残念ながら時間切れでもう一度食べることは出来なかった


これは「ル・バントン」のパン・オ・レザン。



おフランスな食感と味わい。


こちらはチェンマイでもお気に入りのココナッツロールのラオスバージョン。



残念ながらチェンマイのカセムストアーのもののほうが10倍おいしい。


かよちゃんがどのパンを食べてラオスのパンはおいしいと言ったのだろう。。。

たった2週間のラオスだったので、

きっと私が出会わなかった素晴らしいラオスパンがあったのだろう。

それを食べられなくて残念なラオス旅行でした。。。


◎ ○ ◎ まさこぱん ◎ ○ ◎



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渡邉政子さん comments(0) trackbacks(0)
パンの漫画とカレーパン
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堀道広画伯がパンをかじりながら思いついたことを描いた作品が101本。

「パンの漫画」の第67番目に「カレーパン」がある。

ここ数日暑くてたまらんのですが、今日はやけに暑いなぁ〜
こういうときはカレーパンに限る! 
カレーパン日和だ!

そう決めつけて、堀さんのパンの漫画をペラペラとめくったのでした。
カレーパンが食べたいとは思ったのですが、買いに行くのも暑いし、めんどだうだなぁ〜
ならば堀さんの漫画にカレーパンの話があるはずだ。
それを読んですまそうと思ったからです。

でも漫画を読んでいたら、やっぱり食べたくなって、気がついたら、パン屋に駆け込んでいたというわけです。

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右はスタンダートサイズのスパイシー系のカレーパン。
左は小さい甘口カレーパン。ちびっ子用か。

しかも「出来立て」の文字が!!!!
なんという幸運。

もちろんダブルで購入。
自分は大人だけど、ちびっ子用の甘口をアクセントにして食べたいと思ったからだ。
パンは高田馬場のパンピーノ。

辛口を大きめに一口食べて、甘口を小さめに一口食べる。
うむ、悪くない。
何種類かのルーを一度に色々味合うのは、いまやカレー屋の定番だ。
あれと同じ。





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パンの漫画 Amazonです。
好評発売中です。
 
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