とかち小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京(9月28日@青山・国連大学)、13時からは「小麦でつながるトークショー」が行われる。
生産者、製粉会社、パン屋、そして消費者が緊密に手を取り合うことで、小麦畑の風景を食卓に届けることがテーマになっている「小麦ヌーヴォー」。
その4者を代表し、十勝の小麦農家、365日の杉窪章匡シェフ、アグリシステムの伊藤英拓専務、そしてパンラボ池田浩明がトークを行う。
サプライズゲストとして、大阪の名店ル・シュクレクール岩永歩シェフも登壇。
そのプロローグとして岩永シェフの「小麦ヌーヴォー」への思いを紹介する。
フランスでの修行でパンの魂をつかみ、それを原点としてパンを作る岩永シェフ。
パンにとってもっとも大切な小麦、それを農家からパン職人へ手渡す役割を演じる製粉会社の存在感が日本では低かったことを、問題提起する。
「もともと、日本での、製粉会社とパン屋のつながりの浅さにずっと違和感を感じていました。
店にくるのは背広をきた営業マン。
フランスでは直接、製粉会社のロゴが入った車で粉をもってくるんですよね。
ミキサーの上のクローゼットや、屋根裏のタンクに放りこむ。
フランスでもパン屋の開業にはお金がかかります。
製粉会社でちゃんと研修した人は製粉会社が開業資金の保証をしてくれる。
バネットというブランドも製粉会社が作ったもの。
製粉会社が基準を作って、それを満たしているパン屋にお墨つきを与える。
製粉会社とパン屋の結びつきが強い」
生産者、製粉会社、パン屋がもっと連携しあうことで、おいしい小麦、おいしいパンが生まれるはずだ。
製粉会社が主催し、小麦の、農作物としての側面を訴えるこのイベントで、日本のパン文化は新しい扉を開いたといえるだろう。
「小麦粉も農産物であることがまだまだ認識されていない。
粉袋に入って届いた粉ありき。
粒の状態じゃないので農産物という認識がパン屋さん自身にとっても薄い。
挽きたてうんぬんより、小麦が農産物であることを訴える手段として、このイベントはいいことだと思います。
このパンの向こう側には生産者がいる。
知識としては知っているけど、本当にはわかっていない。
まずは、パンが農産物であることを理解してもらいたくて」
バゲットを齧った瞬間、小麦畑の風景が浮かぶような。
岩永シェフが自分の作りたいバゲットを伝えるときにする言い方である。
素材を見つめ、自然へ思いを馳せることが、パンの感動を作りだす。
さて、今年産のヌーヴォー小麦を岩永シェフはどう評価し、どのようにパンにするのだろう。
「小麦ヌーヴォーの仕組みを理解していなくて、今回1種類しか粉を頼んでいません(笑)。
スムレラ、これいけますね。
びっくりするぐらいの甘みがあって。
僕は好きです。
愛おしい味です。
プチパンを作りたいと思っています。
シンプルに、小麦粉と塩と酵母と水だけ」
「とかち小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京」で、ル・シュクレクールのパンの一般発売は行わない。
岩永シェフが手で持てるだけのパンを持ち込むため数が限られており、たいへん残念ではあるが、イベント参加者の方にしか食べていただくことができない。
ル・シュクレクールのパンを食べながら、生産者、製粉会社、パン職人の熱い思いを聞いてほしい。(池田浩明)
小麦でつながるトークショー
出演:杉窪章匡(365日オーナーシェフ)
岩永歩(ル・シュクレクールオーナーシェフ)
寺町智彦(小麦農家)
伊藤英拓(アグリシステム専務)
池田浩明(パンラボ主宰)
時間:9月28日13時〜14時(会場12時30分)
場所:とかち小麦ヌーヴォー解禁祭りin東京イベントステージ(青山・国連大学前広場内)
特典:365日、ル・シュクレクールの一般販売されないイベント用のパン、アグリシステムのヌーヴォー小麦ゆめきらり(500円相当)がおみやげにつきます。
定員:先着30名限定
チケット:1000円
販売方法:当日12時半より、会場内のレジで販売いたします。